3月31日(金)・4月1日(土)岸井戯曲を上演する。#7[本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない]


昨年9月から月1回のペースで1年間で行っているシリーズ「岸井戯曲を上演する。」第7弾!!


今回は及川菜摘、武田力、和田唯奈、3組のジャンルの違うアーティストが3つのバージョンの作品として上演を試みる。


ところが今回、みんなが選んだ戯曲は[本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない]というもの。なので、最も大事なところは何らかの壁に遮られて、見ることができない? のでは…。


現実に多くの大事なことは見ることができない。というか大事なことかどうかはともかく、目前で起こっているのは目前にあるものだけなのだから、ほとんどのことは目前では起こってはくれない。


大事なことは、すでに終わった後、誰かに「あれは大事だっとよ」と教えてもらって、初めて大事なことと認識する。実際にどんな様子だったかは想像するよりほかない。目前に起こっていることも、起こった瞬間に「大事だなあ」とはあまり思わず、後になって「あの瞬間が転換点だったのか?」などと記憶を頼りに格付けをする。


でも演劇の上演作品に壁の向こうは見ることができませんと言われたら、ちょっと困りそう。壁のこちら側で起こっていること以上に向こうにとても大事なことが起こっていそうだから。


ピンクフロイドのTHE WALLというアルバムツアーで、文字通りレンガの壁をライブの最中につくっていき、パフォーマンスと観客の間を遮ってしまうというのを思い出してしまったのだが、そこには、自らも批判しながらも、壁の持つ政治性を暴力的に観客に示すというパフォーマティブな意味が強いものだと思う。


さて岸井戯曲に込められた意味とはどんなものだろう? またそれぞれのアーティストたちの解釈とは?


毎回行われているアフタートークも含めて、ぜひお立ち寄りください。


こばやしはるお
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Live Art 月イチシリーズ/演劇

岸井戯曲を上演する。#7[本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170331-0401/
https://www.facebook.com/events/1838121679777628/


及川菜摘/武田 力/和田唯奈


2016年9月から1年間毎月、blanClassで、岸井大輔作の戯曲を、さまざまなジャンルのアーティストにより上演します。 ひとつの戯曲を、何バージョンかで上演し、終演後それぞれの上演を行ったアーティストでトークを行うことで、現代戯曲の可能性を考えるシリーズ。
第7回にあたる3月は『本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない』を上演します。
以下バージョンBの演出をする武田力よりの案内です。



この演劇作品のタイトルは「本当に大事なことはあなたの目の前では起こらない」です。


この演劇作品では「上演場所の入り口の前に、中に入れないように障壁を作る」ことを戯曲に要請されています。つまり「入り口」と「障壁」が必要です。


どうぞ、必要とあらば誰かを入れられるよう「入り口」を準備してきてください。もちろん「普段のわたしで大丈夫」という方は、あなたのままでお越しください。


どうぞ、必要とあらば誰かを拒めるよう「障壁」を準備してきてください。もちろん「普段のわたしで大丈夫」という方は、あなたのままでお越しください。


いずれにせよ、本当に大事なことはあなたの目の前では起こりません。あしからず。


バージョンA 及川菜摘(映像/パフォーマンス)
バージョンB 武田 力(演出家、俳優)
バージョンC 和田唯奈(画家)
司会:佐藤朋子(アーティスト/Comp) マンガ:今井 新(アーティスト)
トークゲスト:31日(金)高山 明(演出家/演劇ユニットPortB(ポルト・ビー)主宰)


日程:2017年3月31日(金)・4月1日(土)
時間:19:30〜22:00(開場:19:00)
入場料:予約:1,500円/当日:2,000円

〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。
〈タイトル〉[岸井戯曲を上演する。#7]予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数 上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈メールアドレス〉 info@blanclass.com

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及川 菜摘 Natsumi OIKAWA

  • 1995年東京生まれ。東京造形大学映画専攻に在学中。2016年初めからNIPAFにボランティアとして参加、5月のベトナムで開催したNIPAFアジアをきっかけにパフォーマンスを始める。9月愛知トリエンナーレにて、ユーリー・ミュラー・ファジー・ファンタジー-抑圧と解放の実験室-にて二十二会による「メイド喫茶の条件」のフィードバックパフォーマンスを行う。最近は、卒業制作にむけて電車の中に生まれる個と公の空間、境界線について調査をしている。
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武田 力 Riki TAKEDA

  • 幼稚園で働いたのち、演劇を始めました。 演劇といってもその作品素材は「糸電話」「街」「タコ」とかで。それはアジアの民俗芸能を元に創作されています。そこに社会の端緒を見、改めて現代を反映して、お客さんと一緒になにかを考える作品をつくっています。
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和田 唯奈 Yuina WADA

  • 1989年生まれ。名古屋芸術大学洋画2コース卒業。Gallery Delaive(オランダ)所属。GEISAI#17鈴木心賞。新芸術校第1期、上級コース生徒。 わたしの絵は、わたしにとって「唯奈ランド」へ到達する「とびら」であり、できた絵を観るひとにとっては「唯奈ランド」をのぞく「まど」になります。」
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高山 明 Akira TAKAYAMA

  • 演出家。演劇ユニットPortB(ポルト・ビー)主宰。既存の演劇の枠組を超え、実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、都市リサーチ、建築といった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。2016年度より東京藝術大学大学院映像研究科准教授。
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今井 新 Arata IMAI

  • 1992年生まれ。港北ニュータウンで育つ。2009年、ホームレスのインタビュー映像に基づく映像インスタレーション《上野公園。ホームレス。五十嵐さん。》を発表。以来、都市における様々な事象を「取材」し、映像やドローイングによって独自のナラティブに再構成する形式の作品に取り組み続けている。その際に「イマイ君」という、作者自身の分身とも言えるキャラクターを自在に操り、取材経験を作品化することも多い。
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佐藤 朋子 Tomoko SATO

  • 1990年長野県生まれ。2012年より振付家の小山柚香と共にComp.というカンパニーで主に「サンカ」というかつて日本にいたといわれる集団をテーマに作品発表をする(現在カンパニーとしての活動は休止中)。最近は自身の祖母の生い立ち話を「今ここに再生する」方法としてのパフォーマンスを制作したり、長野県飯山市北原地方に伝わる「狐にだまされた話」の調査をしている。
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岸井 大輔  KISHII Daisuke

  • 1970年生まれ。劇作家。他ジャンルで遂行された創作方法による形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「potalive」「東京の条件」「好きにやることの喜劇(コメディー)」。「始末をかく」プロジェクトを2013年から2018年にかけ開催中。
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blanClass月イチシリーズ 岸井戯曲を上演する。
第1回『文(かきことば)』https://www.facebook.com/events/304209653257545/
第2回『桜木氷取 祭礼』 https://www.facebook.com/events/268749386836356/
第3回『クロージングパーティーhttps://www.facebook.com/events/1354007484687130/
第4回『六本木ヒルズを守る一族』 https://www.facebook.com/events/409000589224192/
第5回『メイド喫茶の条件』 https://www.facebook.com/events/1413162008697187/
第6回『会議体』 http://ttu.main.jp/会議体 特設ページ