3月23日(土)大久保あり[《Grey Horizon Means Death》のための]

今週土曜日のLive Artは大久保ありがソロでは2年ぶり3回目の登場。

これまでの2回は、クライミング、ザイルパーティーと、山のシリーズの延長線上にある、行為が扱われた実験だった。

 

今回は、《Black Circle is Nothingness》、《white cube is Emptiness》に続くシリーズの集大成《Grey Horizon Means Death》のための習作的な位置づけのワークショップを行う。

 

このシリーズはモダンアートが前世紀の初頭に掲げた象徴的な幾何学や抽象の持つ純粋でとても美術的なイメージと、欧米において拡大解釈された東洋の、例えば禅の思想、さらにその後の経済社会が消費し尽くしたごちゃ混ぜ(パスティーシュ)に今日的なイメージが重なった後のあり方を、さらに引いたところから言葉遊びに再挑戦するような試みか?

 

今回の《Grey Horizon Means Death》では、これまでの「Nothingness」や「Emptiness」に似て、さらに強い意味を持つ「Death」という言葉が現れている。そこには本気で空虚さを語ることの恥ずかしさを指摘しつつ展開したきたシリーズに、また別のシリアスさを探すような作業をしているのかもしれない。

 

当人にとっても、「死」は手強い概念らしく、そこに重ねられた様々な意味やイメージが、思った以上に多様で、重くも軽くも、美しくも醜くくも転ずる様に戸惑いながら楽しんでいるよう。

 

ワークショップでは、ありさんがつくったアンケートに答えるところから始まり、ちょっとした作品づくりまでが試みられる。

 

山のシリーズでは背中にあった「死」を今度は手元に引き寄せて考えてみよう。

 

 

こばやしはるお

 

――

 

【blanClass放送室】
大久保ありさんと3/23(土)のイベント「《Grey Horizon Means Death》のための」について、そのテーマにもなっている「死」の意味についてお話をお聞きしました。

 

 

2019/3/17/大久保あり/blanClass放送室


2019/3/17/Ari OOKUBO/blanClass Broadcasting

 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「死」をつくるワークショップ大久保あり[《Grey Horizon Means Death》のための]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190323/
https://www.facebook.com/events/307241933253232/

 

一昨年、《Grey Horizon Means Death》というタイトルの作品を2019年に制作~発表することを予告した。
だけども、「死」は、全ての者が当事者であっても、その自らの経験から検証することができない。思索を試みても視点が常にスライドし、なかなかの難題。
ともかく、今回は「死」という観念を目に見え手に取れるかたちにすることを参加者とともに以下の行程でやってみる。

 

1.「死」のアンケート
2.「死」の散歩 / 拾いもの
3.「死」のピース制作
4.「死」のプレゼンテーション / 講評会

 

参加者の「死」のピース制作中に「死」のアンケートを基にしたインタビューを行う、また、大久保による現段階での理解を発表する予定。

 

18:00-18:20 アンケート記入
18:20-18:50 散歩
18:50-20:20 制作/インタビュー/プレゼン(大久保)
20:20-20:45 リビュー

---------------

日程:2019年3月23日(土)
開場:17:30 開始:18:00
入場料:1,500円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
---------------
大久保あり Ari OOKUBO
2001年ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン修士課程修了。近年の主な個展《I’m the Creator of This World, You’re One of Materials Existing in the Universe》(2018、Sprout Curation、東京)、《WHITE CUBE is EMPTINESS》(2018、ガレリア・フィナルテ、愛知)、《BLACK CIRCLE is NOTHINGNESS》(2016、ガレリア・フィナルテ、愛知)、《クリテリオム90『美術館の幽霊』》(2015、水戸芸術館)など。グループ展に《引込線2017》(所沢市給食センター、埼玉)、《MERZ》(2017、HAGIWARA PROJECTS、東京)、《われらの時代:ポスト工業化社会の美術》(2015、金沢21世紀 美術館)など。