2月2日(土)地主麻衣子 + カニエ・ナハ[目撃者たち]



Plan for [Witnesses] Maiko JINUSHI©2019


今週土曜日のLive Artは、地主麻衣子がほぼ5年ぶりの登場です。今回は詩人のカニエ・ナハさんをお迎えし、「目撃者たち」をテーマに朗読をします。


先日下見がてら、blanClassに地主麻衣子さんとカニエ・ナハさんに来ていただき、「blanClass放送室」を収録しました。放送室は宣伝を兼ねて、Live Artの告知をする動画の番組なのですが、今回はデモンストレーションというか、肩慣らしというか、お二人に朗読をしていただきました。朗読していただいたのはカニエさんが昨年発行された詩集「なりたての寡婦」です。繰り返しをテーマにした詩集ということで、地主さんが一遍読んだ後、続いてカニエさんが同じ詩を読むという段取り進んでいくのですが、収録を始める前に、どこまで読むのかを話していなかったせいか? 途中までなのかと思いきや、すべての詩を二回ずつ読みきってしまいました。


当日は「目撃者」をテーマにそれぞれ読む詩を選ぶそうなので、動画の朗読は超レア映像になります。全編を二回ずつ読んだので、1時間の動画になりました。夕方から暗くなるまで、光の具合も刻々と変化していきます。


同じ詩が繰り返されているはずなのに、お二人の読む詩が、全く別ものに聞こえること。それぞれの声質が違うせいか、言葉の響きが違うせいなのか、とても不思議です。


昨年12月に女子美の特別講義に地主さんをゲストとしてお呼びして「わからない」というタイトルで、ご自身の作家活動についてお話をしていただいたのですが、「わからない」というタイトルもそうですが、地主さんのあっけらかんとして澄んだ声が、こちらに投げかけてくる「疑問符」のようで、それでいてとてもわかりやすい「独白」のようで、心地よい時間でした。


2014年にblanClassにお呼びしたきっかけは、地主さんが発表中だったアートラボ・はしもとのロビーで、2時間以上もかけて、彼女のこれまでの作品を彼女のMacBookで見せてもらったことだったのですが、その時のお初の印象とも重なり、そういえば、パフォーマンスとして、朗読をしていた話なども聞いていたので、今回の朗読での発表も、現在の彼女の素直な興味に由来しているのだと感じます。


カニエさんとは、その放送室収録の日が初対面だったので、前知識やそれまでに印象も思い込みもないのですが、やはりご自身で言葉を扱われている方の声と語りなのだと感じました。


全く違うタイプのお二人が「目撃者」をテーマにどんなことばを朗読されるのか? そこが見もののイベントです。


どうぞお見逃しなく…。


【blanClass放送室】
以下の動画が文中で触れたレア動画です。地主さん、カニエさんの朗読をご堪能ください。


2019/1/24/地主麻衣子+カニエ・ナハ/blanClass放送室


こばやしはるお


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朗読地主麻衣子 + カニエ・ナハ[目撃者たち]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190203/
https://www.facebook.com/events/2191480134249715/


目の前で何かが起きたのを見てしまったとします。そしてそれを誰かに言いたいとします。
予期しない出来事に遭遇したときに、人はどのようにそれを解釈し、言語化するのでしょうか。
このイベントでは、詩人のカニエ・ナハさんをお招きし、「目撃者たち」をテーマにそれぞれがセレクトしたテキストを朗読します。過去の目撃者たちの語りから、何か教訓のようなものが得られるのではないかと希望を込めて。


日程:2019年2月2日(土)
開場:19:00 開演:19:30
入場料:1,500円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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地主麻衣子  Maiko JINUSHI

  • アーティスト。1984年神奈川県生まれ。個人的な物語をテーマとしたドローイングや小説の制作から発展し、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを総合的に組み合わせた「新しい種類の文学」を創作する。主な個展に「欲望の音」(HAGIWARA PROJECTS、2018)など。第11回恵比寿映像祭に出品予定。

http://maikojinushi.com

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カニエ・ナハ Naha KANIE

  • 詩人。詩集『用意された食卓』で第21回中原中也賞、第4回エルスール財団新人賞。本の装丁や、現代アーティストとのコラボレーション、朗読パフォーマンスも行う。主な参加展に「MOTサテライト 2017 春」(東京都現代美術館、2017)、「スペクトラム展」(スパイラル、2015)など。