今週の「新・港村」出張blanClassは伊東乾が登場!!
blanClassでの伊東乾氏のイベントは、ほかのイベントとはだいぶ変わっていて、パフォーマンスというよりもトーク、それよりもレクチャーに近い。レクチャーといっても、たとえばラジオをつかった現代音楽の作品を演奏したりもするし、空間を蝋燭のおごそかな光で満たしていくインスタレーションのようなこともするので、場合によってはパフォーマンスのような時間もある。かといってパフォーマンスと言い切ってしまえるような経験とも違うのは、伊東氏が講談のような語り口で迫ってくるからだろうか?
そういうことをひっくるめて「パフォーマンス」と呼びたくなるが、誤解を招きそうなので、なんと名付けようかと、ご本人にも相談をしたのだが、そのことは未だ解決をみてはいない。
ただ、どんな場合でもその場にいて知覚することを通して、音や光が脳にどのような影響があるのかを体感をしながら話をすすめていく。
これまでも水、蝋燭、鐘、オルゴール、モノラルラジオなどをつかって、実演とともにその時々に伊東氏が考えていることや近作についてなど「目から鱗」なお話が、「この人はいったい何が専門なのか」と、わからなくなってしまうほど幅の広い研究を土台に話しが展開していくものだから、聞いているほうが毎回舌を巻いてしまう。
その点は「さよなら、サイレント・ネイビー ——地下鉄に乗った同級生」(集英社出版)を筆頭にその著書を読んでみても、今年の3月以降のTwitterでのつぶやきなどでも、同じことが言えるのだが、興味の対象はマインドコントロールなどに果たす人の感覚と脳の関係。ひいては社会という集団が抱えている静かな狂気。
しかし専門はあくまでも音楽。今回もピアノなどもつかいながら、「3.11」以降のお仕事についてお話ししていただきます。
こばやしはるお
今週の+night↓
http://blanclass.com/japanese/
伊東 乾 [月と海月の対話 |「海ホタルの歌」の周辺]
日程:10月22日(土)
開場:19:00 開演:19:30
一般:1,500円/学生:1,300円
会場:新・港村スクール校舎(Aゾーン)新港ピア:横浜市中区新港2-5
君は海ホタルを知っているか?
波間で青白く光るその輝きを
昔の人は、海で死んだ人の
魂だと思った。
月とクラゲが対話していた。
海面にゆれる丸い月影と丸いクラゲ
月は言う「ねえ電気クラゲ、
海で光るものは、お前や夜光虫
あるいはチョウチンアンコウとか
昔からあるものだけでいい。
どうしてこのごろ、ヘンな光る物質を
海や野山に撒き散らすのか?」
クラゲは少しはにかんで
黙ってほんのりと光って見せた…
「福島以降」の<放射能舞台>作品を
辻井喬さんと作っています。
観世十郎元雅の「隅田川」とヨハン・
ヴォルフガング・フォン・ゲーテの「ファウスト」
二つの本歌取りをカットアップして現在進めている
仕事の周辺をお話したいと思っています。
伊東 乾 Ken ITO
作曲家・指揮者。1965年1月27日東京都生まれ。演奏・研究アンサンブル・ベルリン ラオムムジ—ク コレギウム芸術監督。