2月17日(金)杉田 敦 ナノスクール第4期 [ブッダに会ったらブッダを殺せ #10]

2012年11月に始まったナノスクールだが、通常の月イチセッションで行われるのは残すところあと2回。もうすでに発表されているように、3月11日に行われるイベント[出国手続き](http://blanclass.com/japanese/schedule/20170311/)で月イチセッションのナノスクールは一度幕を降ろす。なので、ナノスクールに参加されたことのある方はもちろん、ナノスクールに行こうか行くまいか迷っていた方も、ぜひともご参加いただきたい。


前回の課題である。それは「私は○○○の職務を忠実に遂行し全力を尽くして×××を維持、保護、擁護することを厳粛に誓います。」という文章の○○○と×××という部分に参加者それぞれの立場を当てはめて、皆の前で言うというもの。


全員言い終わったところで、この文章とは何かがネタバラシ的に告げられた。これは、アメリカ合衆国大統領就任式で新大統領が行う宣言文なのだという。


“私は合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽して合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に誓う(もしくは確約する)。”


1月20日に大統領に就任式を行ったドナルド・トランプも観衆の前で、また、全米で数百万人が反トランプデモを行っている状況の中で、この宣言をした。


大統領就任式の宣言を自らの立場に当てはめて、宣言するというのには違和感や、抵抗感を感じる方もいるかもしれない。僕は少なくとも感じてしまう。


一番困っているのは僕自身この課題に対して、どうコメントしたらいいのかわからないということだ。もしかしたらコメントする必要はないのかもしれない。やってみて、違和感を手掛かりにそれに反応するということがナノスクールのエクササイズなのだと思う。


繰り返しになりますが出国まであと2回です。ぜひお越しください。



みやざわひびき
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★月イチセッション|杉田 敦 ナノスクール《nano school》#47[ブッダに会ったらブッダを殺せ #10]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170217/

極小の学校、ナノスクール第4期。知っていると思い込んでいることを可能な限り小さくして、再び、本当の意味で知るために努力してみること。アートにとって重要だと思われるそうした姿勢を、これからもいろいろ試していければと思います。

井土ケ谷事件の当事者になってみるというスタートから、「協調/反駁/誤解」、「そこにそれはない、あるのかもしれないけれど」、「裸になること、左になること」とテーマを替えて開催してきたナノ・スクール第4期は、「ブッダに会ったらブッダを殺せ」のタイトルのもと、権威から自由になり、自律性を保つための精神そのものについて考えます。五日市憲法文化学院、ホモ・ソーシャル連続体、イスラ・クラブ、グルジェフゾロアスター教、シュタイナー、大逆事件人間原理、安藤昌益、ブランショセリーヌなどがテーマとなります。指摘しやすい権威のみならず、ときにそれを糾弾するものの中にさえはびこっているはずの権威の本質を凝視め、考え、試み、挑みます。
また、現在開催中の《第3回イドガヤ・ビエンナーレ》(2017年12月12日まで開催中)は随時振り返りながら、今後のあり方について考察していけたらと考えています。

※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2017年2月17日(金)18:30〜
参加費:1,200円/学生 \1,000円(要予約)



〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

  • 杉田 敦 Atsushi SUGITA

美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に”critics coast”(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 “+journal” の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト”Picnic”も行っている。