7月20日(金)笠原恵実子 アートでナイト#5[After Richard Serra]


今週金曜日は特別セッション、笠原恵実子アートでナイトの第5弾です。


今回のタイトルは「After Richard Serra」、ちょうど50年前にリチャード・セラが作成した《Verblist (動詞リスト) 1967-68》を材料に話を進めているプロジェクトからの展開。



Richard Serra Verblist 1967-68


《Verblist》は動作の概念、動詞がリストになっている作品。リテラルに素材を手に、単純な動作が繰り返される、同時期のセラのフィルムの作品があるが、言葉が支持する行為を一つ一つやってみせることで、不安定な意味や概念の再解釈を試みている。


今回のアートでナイトでは、そのリストを元に、さらなる再解釈を試みるという。


資料:Richard Serra/Verblist
https://www.moma.org/collection/works/152793


逆転して、現在自分たちが立っている社会が見えてくるかもしれません。ぜひ一緒に頭を絞りましょう。


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特別セッション
アートを共に語る会笠原恵実子 アートでナイト#5[After Richard Serra]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20180720/
https://www.facebook.com/events/214122142723503/


リチャード・セラは1960年台後半から、ゴムや鉛などの素材を用い、身体的行為を基に実験的インスタレーションやビデオ作品の発表を行いました。1967-8年に作成されたVerblistには、こういった行為に関係する108個の言葉がリストアップされています。これらの言葉を見ると、60年台から70年台にかけて変化していく社会状況を受け、芸術や彫刻の概念も拡張していこうとした当時のアーティストの動向が見えてきます。


After Richard Serraは、50年前のVerblistから派生し、リストにある言葉を再解釈すると同時に、新たな言葉を追加していき、現在の美術と社会を反映したVerblistを作成する試みです。今回のアートでナイトでは、私を含む数人のグループで共同制作される本作品の公開制作会議のようなものを行い、Verblistを作成するその過程に、是非みなさんの意見を取り入れたいと考えています。そして、最終的には、リストの言葉それぞれを基にビデオ制作を行い、インスタレーションへと繋いでいくプランを描いています。


この作品を制作しようと思った理由として、私がこの何年間か美術大学の教育に関わる中で、直接的に経験し思索した様々な事柄があります。それらはアーティストとしてのそれまでの活動とは全く異なる美術の認識でありました。セラがVerblistに連ねた美術(彫刻)の行為の多くは、今現在どのように共有され受容されているのか、そしてその先につなげていく行動をどのように模索するべきか、みなさんと一緒にご飯を食べながらお話しできたらと思っています。


資料:Richard Serra/Verblist


日程:2018年7月20日(金)19:30〜21:30
入場料:1,500円(ドリンク別)/学生:800円
場所:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
http://blanclass.com/japanese/about/map/

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笠原 恵実子 Emiko Kasahara

  • アーティスト。初期は身体を通じて女性と社会との関係性を考察する彫刻作品を制作。近年は性別や宗教、国籍や言語など社会を規定する制度とその状況についてフィールドリサーチを実施し、その記録を元に制度の曖昧性を示唆する作品を多岐に渡る手法で制作している。主な展示に、PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015、ヨコハマトリエンナーレ2014、『キュレトリアル・スタディズ04笠原恵実子−inside/outside新収蔵作品を中心に』(京都国立近代美術館、2010)、シドニービエンナーレ(2004)、光州ビエンナーレ(2001)など。