7月27日(金)杉田 敦 ナノスクール[How to be tolerant:寛容になるための方法 #3]


前回のナノスクールを振り返る 2018.6.29|宮澤 響
http://blanclass.com/japanese/archives/20180629/



寛容になるための方法と題して始まった今季のナノスクール。6月の実践は「旗を作る」でした。


国旗やチーム旗など、ある集団のシンボルであり拠り所になるアイテムである旗を予測不可能な方法によって作りました。


旗に描かれる絵の原画は前々回ナノスクール内で書かれ、参加者全会一致で選出されたものです。


その原画をもとに一人ワンパーツずつ白い布に描いていきました。描く人だけ隣の部屋に行きワンパーツ描き戻ってくる。そして次の人が次のパーツを描きに隣の部屋へ、、、。


自分が描いたパーツがこの後どうなってしまうのか、そして次に描く自分の目の前にはどんな絵が描かれているのか。予測やコントロールができない中での制作。


前に描かれた絵につられながら、次に描く人へなにかアクションを起こしながら、もしくは次の人につなぐために。


最後に”How to be tolerant”と文字を入れて完成です。


こうしてできた、今期のシンボルである旗のもと、さらに寛容になるための方法を模索していきます。


みやざわひびき


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月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール《nano school #53》[How to be tolerant:寛容になるための方法 #3]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20180727/
https://www.facebook.com/events/255650175198184/


あなたの横を、いかにも先を急いでいる男が通り抜けてゆく。肩にかけているバッグがあなたにあたる。あなたはすこしよろめいてしまう。男は気づいている。男は振り向かない。遠ざかりながら、男の舌打ちが聞こえてくる。あなたは怒りがこみ上げてくる。あなたに為すすべはない。


あなたはどうして怒ってしまったのだろう。男には先を急ぐ理由があり、あなたは少し男の行手を塞いでいたのだ。いや、男にはこれといった理由もなく、あなたは十分、身を寄せていたのだとしてもだ。あなたは怒る必要はない。あなたはあなたの貴重な人生の時間を、そんなことのために費やすべきではない。あなたはちょっとだけ肩をすくめて、なんなら、振り向いて、後ろの人と笑い合ったっていいはずだ。


数学や語学、歴史学社会学、そうしたものを学ぶのと同じように、わたしたちは寛容さを学ばなければならない。ナノ・スクールの第5期は、"How to be tolerant:寛容になるための方法"と名付けて、寛容について考えます。一年を通して、Fischli & Weissの"How to work better"のような標語を作成できたら素晴らしい。


※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2018年7月27日(金)18:30〜
参加費:1,500円/学生 \1,000円(要予約)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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〈予約方法〉
ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

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杉田 敦 Atsushi SUGITA

  • 美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。