12月14日(金)杉田 敦 ナノスクール[寛容になるための方法 #7]

11月のナノスクールはStuart RingholtがdOCUMENTA (13)で発表した[Anger Workshops]とバグワン・シュリ・ラジニーシの思想、そしてオームという呪文をもとに寛容について考えた。


初めにStuart Ringholtの[Anger Workshops]を体験する。[Anger Workshops]はdOCUMENTA (13)で発表されたワークショップ、参加者は怒りと、愛を身体で表現します。


詳しい内容は「まず、一つ目のフェーズでは爆音で流れるハウスミュージックの中で全身を使い怒りを表現します(5分間)。次のフェーズではモーツァルトの音に乗せて、愛について考えそれをほかの参加者に伝えます(3分間)。そしてその後、それまでの8分間の経験について、参加者同士で語り合います。」


実際に我々がやって見たところ、少し芝居染みた感じになってしまう。多分本物のほうは物凄いエネルギーのなかで行われていたのだろうと思うのだが、なぜだろう。気になる方は一番下に載せた[Anger Workshops]のアーカイヴ写真が見れるサイトのURLを開いて見てください。


一つ思うのは、日々感じる自分自身のイライラや怒り、そして相手の怒りやイライラは、ちょっと見えずらいかたちで、複雑で、でも怒りがあるような無いような、、、。と言う中で過ごしているのかもしれない。つまり何に寛容になるべきなのかがまずよく分からない状態なのかなと感じる。


そして次に、バグワン・シュリ・ラジニーシの思想について考える。その思想とは「真理の探究こそ第一の優先事項であり、人は自らの生の源泉を探究することに関心を寄せねばならないと説く。瞑想が始まりでサマディ(悟り)が終着と説く。(「からっぽの鏡・馬祖 壮神社」)」


そしてオーム。オームはバラモン教をはじめとするインドの諸宗教において神聖視される呪文で日本でもヨガのクラスで唱えられる事が多いらしい。


瞑想を必要としてるのかナノスクールでは最近このようなテーマが多いのですが、バグワンの文章でこんな記述があったのでなんとなく重要だなと思い最後に載せておきたい。


「人をほんとうに助けようとするならば、誤解されるのは避けられない。ほんとうに助けようとするつもりがないなら、誤解されることもない。崇拝や賞賛の的になれる。ただ話をし、哲学を説くだけなら、人は怖がらない。彼らの人生に立ち入ろうとしないなら。


複雑な理論や思想体系を人は学びたがる。それなら申し分のない体験になる。それはエゴを強化してくれる。それはエゴを養ってくれる。だれもが知識を増やしたがっている。それは微妙にエゴを肥やす。
(中略)


人に全面的な変容をもたらすには、ハンマーを使わなければならない。人を形作っている多くの部分を削り落とす必要があるからだ。人はひどい状態にあり、現状では、すべてがおかしなことになっている。それを直さなければならない。だが、人は自分の生き方にたいへん固執しているので、それを変えようとする人物、表面的に変えるのではなく核心において変えようとする人物は敬遠される。怖がられる。少数の勇気ある者だけが、グルジエフのような人物に近づいていく。たいへんな勇気が必要だ。だが、この勇気があってはじめて、人は生まれ変わることができる。」― Osho, “The Dhammapada” Vol. 2, #2 冒頭部分


このテーマもあと数回のナノスクール、果たして寛容になれるのでしょうか!?


Stuart Ringholt: Anger Workshops
http://performa-arts.org/…/entry/stuart-ringholt-anger-work…


みやざわひびき


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月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール《nano school #57》[How to be tolerant:寛容になるための方法 #7]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181214/
https://www.facebook.com/events/340651603391950/


あなたの横を、いかにも先を急いでいる男が通り抜けてゆく。肩にかけているバッグがあなたにあたる。あなたはすこしよろめいてしまう。男は気づいている。男は振り向かない。遠ざかりながら、男の舌打ちが聞こえてくる。あなたは怒りがこみ上げてくる。あなたに為すすべはない。


あなたはどうして怒ってしまったのだろう。男には先を急ぐ理由があり、あなたは少し男の行手を塞いでいたのだ。いや、男にはこれといった理由もなく、あなたは十分、身を寄せていたのだとしてもだ。あなたは怒る必要はない。あなたはあなたの貴重な人生の時間を、そんなことのために費やすべきではない。あなたはちょっとだけ肩をすくめて、なんなら、振り向いて、後ろの人と笑い合ったっていいはずだ。


数学や語学、歴史学社会学、そうしたものを学ぶのと同じように、わたしたちは寛容さを学ばなければならない。ナノ・スクールの第5期は、"How to be tolerant:寛容になるための方法"と名付けて、寛容について考えます。一年を通して、Fischli & Weissの"How to work better"のような標語を作成できたら素晴らしい。


※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2018年12月14日(金)18:30〜
参加費:1,500円/学生 \1,000円(要予約)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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予約方法:ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

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杉田 敦 Atsushi SUGITA

  • 美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。