1月13日(日)cat’s heaven…![新年ヤミ市]


2019年blanClass初売り企画、3年連続で、Cat’s heaven…! 企画の[新年ヤミ市]でございます。


今年は日曜日なのでご注意ください。


Cat’s heaven…! とは、2005年に行われた太平洋戦争で「犬死」した命について考える「thinking about dog’s death」という展覧会で、立ち上がったプロジェクトの名前。「犬死」とは正反対の「ニャンコ天国?」という意味で、死んでしまった人々とは別に、生き残って、すべてを失った焼け野原に立ち上がった自由で奔放な人々のことを考えてみようという試みだったという。


中でもそのエネルギーが「ヤミ市」に所長されているのでは? ということで、どこからともなく人々が集まって立ちあがる市をblanClassでもやってみようといことになり、1月恒例の行事になった。


そういえば、『暮しの手帖』で知られる花森安治さんも、戦中までのキャリアを捨ててヤミ市でカフェをしていた経歴があるというから、敗戦のタイミングというのは、終わりを意味するだけでなく、これまでのことをご破算にして、なにか新しいことへ再挑戦する機会にもなっていたに違いない。


そういえば、ベルリンの壁が崩壊した時に、私の父は「終戦はこんなもんじゃなかった」と、その希望に満ちた瞬間がいかに素晴らしい日だったかを語っていた。


いつもいつも現状を憂いで「ガラガラポン」を夢見続けるのもどうかと思うが、古いものが終わる瞬間に立ち会えるのは、きっとすごいことなのだろう。


一昨年の年末には企画の吉田和貴さんと世田谷ボロ市に行って、大昔、畑の真ん中でボロ市が始まった頃を想いつつ「放送室」の収録をしたのだが、昨年末は東名海老名のサービスエリアに行って、市場の現在形を考えつつ、お話をしました。


というわけで、企画者の吉田さん曰く、アートなヤミ市ではなくて、みんながただ売りたいものや要らないものを売ったり買ったりするので良いそうです。


と言っても、今年も大槻英世による「殴られ屋」も出店予定のようだし、今年はこれまでで一番多くのお店が立ちそうで、blanClassでもおなじみのアーティストたちが工夫を凝らしたお店を出してくれそうです。


日曜日の天気が少し心配ですが、雪が降ったら降ったで、ヤミ市にぴったりかもしれません。


掘り出し物を探しにぜひご来場ください。



こばやしはるお


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【blanClass放送室】
新年1回目のイベント[新年ヤミ市]の企画の吉田和貴さんに、海老名のサービスエリアを散歩しながら話を伺いました。




2018/12/11/Cat’s heaven…![新年ヤミ市]/blanClass放送室


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フリーマーケットcat’s heaven…![新年ヤミ市
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190113/
https://www.facebook.com/events/1107470846081604/


2019年のLive Artも昨年に引き続き、キャッツヘブン企画の「ヤミ市」でスタートします。人々が何かの価値を交換しあうことを禁じられた時代、それでも人々は広場に集まり、交換しあうことで生き残った。我々も先人に倣って、ショバ代を払いゴザを広げ、定価も相場もない商売をはじめてみよう。交換と繋がり、統制と生活、自由と混沌。もしかしたら、あの頃の広場の熱に我々も出会えるかもしれません。


出店:飯島剛哉/うらあやか/大槻英世/齊藤哲也/出張新宿マルシェ/関 智文/関 真奈美/高山玲子/野本直輝/古市久美子+チビ画伯たち/眞島竜男/宮澤響/メランカオリ/村田紗樹/山本聡志/吉田裕亮/渡辺志桜里/泥沼コミュニティ/blanClass ほか/企画:吉田和貴


日程:2019年1月13日(日)13:00ー20:00
入場無料

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cat’s heaven…!

  • 2005年に第二次世界大戦終結の日という特定の日を念頭においたグループ展のために生まれたプロジェクト。戦争との関連で語られるその日を前に、ストレートに戦争や戦後を問う展示も重要に違いありませんが、確実に日常の生活の中から消え去っていくその記憶や、それに対する問題意識を、露悪的かつ正直に吐露することも重要なのかもしれません。犬死について考える(thinking about dog’s death)のではなく、猫たちの幸福(cat’s heaven)を想うこと。充満する幸福の香りは、密かに踏みにじっているもののむせ返るような異臭を含んでもなお、甘美なままいることができるのでしょうか?