矢も盾もたまらず(2019_2-3)



今年の2月も昨年同様、TPAMフリンジに参加します。TPAMフリンジはTPAM(国際舞台芸術ミーティング)の公式な公演とは別に、東京や横浜にあるスペースや活動を紹介するプログラムです。

タイトルは「blanClass Anthology #4 on TPAM Fringe 2019」、日頃からblanClassを実験場として、思考と試行を展開している2組のアーティスト、高山玲子と眞島竜男をお招きしました。

去年に引き続き出演する高山玲子は「ハイツ高山」というタイトルで、全部で4日間の公演を行う。それぞれの日程で公演時間が長いのでびっくりするかもしれませんが、出入りは自由で、どのタイミングで来てもなにかしらの上演に立ち会えるという仕掛けの演劇作品です。

眞島竜男は一昨年の12月にblanClassで発表した「山と群衆(大観とレニ)/四つの検討」の再演。再演といってもTPAMフリンジ参加作品ということもあって、劇中のテキストを翻訳して英字幕つきのTPAM 2019 versionを2日間で3回公演を行う予定です。

TPAM期間中はいつもとは違うお客さんがやってきたり、いろいろな言語が飛び交ったりするので、少しだけ雰囲気が変わります。ぜひそんな化学変化もお楽しみください。


さて、今年はblanClass10年目の年。10月に10周年を迎えるのだが、それを機になにをしようか? と考え、あれこれと悩でいたら、ふと「休みたい」との思いがフツフツと湧き上がってきて、どうにも止まらなくなりました。


そこで、10月いっぱいで、現在行っているプログラムの全てを一旦休業することにしました。それに先立ち、月イチセッション、特別セッションを3月いっぱいで終了することにします。昨年中にcomos-tvが終了。3月にはナノスクールとアートでナイトが最終回を迎えます。セッションを担当してくださった方々にも、長年参加してくださっていた方々にも、大変ご迷惑をおかけしてしまいますが、どうぞわがままをお許しください。


疲れてしまったのも理由のひとつなので、それをどうポジティブに表現したら良いか悩ましいところなのですが、同時に変化の年にしたいというのも本音なのです。もちろん同じプログラムを継続しながら並行して改革が進んでいくのが理想なのでしょうが、どうもうまくいかきません。


この文章のタイトルを「矢も盾もたまらず」にしたのは、せめて「休業」が「改革」を生み出すような選択だと言いたかったからです。


具体的に今後blanClassがどんな展開ができるのかは、わからないのですが、とりあえずゆっくり考えようと思います。


   
小林晴夫(2019.2-3 チラシ掲載)

2月2日(土)地主麻衣子 + カニエ・ナハ[目撃者たち]



Plan for [Witnesses] Maiko JINUSHI©2019


今週土曜日のLive Artは、地主麻衣子がほぼ5年ぶりの登場です。今回は詩人のカニエ・ナハさんをお迎えし、「目撃者たち」をテーマに朗読をします。


先日下見がてら、blanClassに地主麻衣子さんとカニエ・ナハさんに来ていただき、「blanClass放送室」を収録しました。放送室は宣伝を兼ねて、Live Artの告知をする動画の番組なのですが、今回はデモンストレーションというか、肩慣らしというか、お二人に朗読をしていただきました。朗読していただいたのはカニエさんが昨年発行された詩集「なりたての寡婦」です。繰り返しをテーマにした詩集ということで、地主さんが一遍読んだ後、続いてカニエさんが同じ詩を読むという段取り進んでいくのですが、収録を始める前に、どこまで読むのかを話していなかったせいか? 途中までなのかと思いきや、すべての詩を二回ずつ読みきってしまいました。


当日は「目撃者」をテーマにそれぞれ読む詩を選ぶそうなので、動画の朗読は超レア映像になります。全編を二回ずつ読んだので、1時間の動画になりました。夕方から暗くなるまで、光の具合も刻々と変化していきます。


同じ詩が繰り返されているはずなのに、お二人の読む詩が、全く別ものに聞こえること。それぞれの声質が違うせいか、言葉の響きが違うせいなのか、とても不思議です。


昨年12月に女子美の特別講義に地主さんをゲストとしてお呼びして「わからない」というタイトルで、ご自身の作家活動についてお話をしていただいたのですが、「わからない」というタイトルもそうですが、地主さんのあっけらかんとして澄んだ声が、こちらに投げかけてくる「疑問符」のようで、それでいてとてもわかりやすい「独白」のようで、心地よい時間でした。


2014年にblanClassにお呼びしたきっかけは、地主さんが発表中だったアートラボ・はしもとのロビーで、2時間以上もかけて、彼女のこれまでの作品を彼女のMacBookで見せてもらったことだったのですが、その時のお初の印象とも重なり、そういえば、パフォーマンスとして、朗読をしていた話なども聞いていたので、今回の朗読での発表も、現在の彼女の素直な興味に由来しているのだと感じます。


カニエさんとは、その放送室収録の日が初対面だったので、前知識やそれまでに印象も思い込みもないのですが、やはりご自身で言葉を扱われている方の声と語りなのだと感じました。


全く違うタイプのお二人が「目撃者」をテーマにどんなことばを朗読されるのか? そこが見もののイベントです。


どうぞお見逃しなく…。


【blanClass放送室】
以下の動画が文中で触れたレア動画です。地主さん、カニエさんの朗読をご堪能ください。


2019/1/24/地主麻衣子+カニエ・ナハ/blanClass放送室


こばやしはるお


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朗読地主麻衣子 + カニエ・ナハ[目撃者たち]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190203/
https://www.facebook.com/events/2191480134249715/


目の前で何かが起きたのを見てしまったとします。そしてそれを誰かに言いたいとします。
予期しない出来事に遭遇したときに、人はどのようにそれを解釈し、言語化するのでしょうか。
このイベントでは、詩人のカニエ・ナハさんをお招きし、「目撃者たち」をテーマにそれぞれがセレクトしたテキストを朗読します。過去の目撃者たちの語りから、何か教訓のようなものが得られるのではないかと希望を込めて。


日程:2019年2月2日(土)
開場:19:00 開演:19:30
入場料:1,500円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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地主麻衣子  Maiko JINUSHI

  • アーティスト。1984年神奈川県生まれ。個人的な物語をテーマとしたドローイングや小説の制作から発展し、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを総合的に組み合わせた「新しい種類の文学」を創作する。主な個展に「欲望の音」(HAGIWARA PROJECTS、2018)など。第11回恵比寿映像祭に出品予定。

http://maikojinushi.com

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カニエ・ナハ Naha KANIE

  • 詩人。詩集『用意された食卓』で第21回中原中也賞、第4回エルスール財団新人賞。本の装丁や、現代アーティストとのコラボレーション、朗読パフォーマンスも行う。主な参加展に「MOTサテライト 2017 春」(東京都現代美術館、2017)、「スペクトラム展」(スパイラル、2015)など。

1月25日(金)杉田 敦 ナノスクール[How to be tolerant:寛容になるための方法 #8]

12月のナノスクールはある集団の中に身を置いた時の寛容について、考えました。


例に挙げられたのは宗教。近年のミャンマーでの仏教徒によるイスラム教系少数民族ロヒンギャ族への弾圧のニュースは衝撃であった。ほかにも異宗教間の対立は常に起き続けている。


古代イランで誕生したゾロアスター教は、寛容、やさしさ、思いやり、献身などという教義を掲げているが、異教徒に対しては敵対的であるとされている(杉田敦、配布プリントより)。


日本の神道も、明治以降国教化と結びつき、多宗教への排他的な姿勢を見せていった。


私自身、宗教信仰はないが、いわれてみればある帰属は持っているのではないかと感じる。


日本人である。男性である。映像をやっている。以前、blanClassのスタッフであった。東京都出身である。血液型はA型である。


自分を構成する、大小さまざまなコードがあり、それを信じ、発言し行動している。それは、当たり前の営みではあるが、いつでもそれをもとに誰かと対立する可能性は持っているのかもしれないと思う。


12月も毎回のように、寛容ってどうすればいいのだろうと考え込んでしまった。


そんなナノスクールも残すところあと3回です。続けてきている方も、初めての方も、ぜひぜひご参加ください。



みやざわひびき


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月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール《nano school #58》[How to be tolerant:寛容になるための方法 #8]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190125/
https://www.facebook.com/events/585345438573664/


あなたの横を、いかにも先を急いでいる男が通り抜けてゆく。肩にかけているバッグがあなたにあたる。あなたはすこしよろめいてしまう。男は気づいている。男は振り向かない。遠ざかりながら、男の舌打ちが聞こえてくる。あなたは怒りがこみ上げてくる。あなたに為すすべはない。
あなたはどうして怒ってしまったのだろう。男には先を急ぐ理由があり、あなたは少し男の行手を塞いでいたのだ。いや、男にはこれといった理由もなく、あなたは十分、身を寄せていたのだとしてもだ。あなたは怒る必要はない。あなたはあなたの貴重な人生の時間を、そんなことのために費やすべきではない。あなたはちょっとだけ肩をすくめて、なんなら、振り向いて、後ろの人と笑い合ったっていいはずだ。
数学や英語、歴史学社会学、そうしたものを学ぶのと同じように、わたしたちは寛容さを学ばなければならない。ナノ・スクールの第5期は、"How to be tolerant:寛容になるための方法"と名付けて、寛容について考えます。一年を通して、Fischli & Weissの"How to work better"のような標語を作成できたら素晴らしい。


※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2018年1月25日(金)18:30ー21:00
参加費:1,500円/学生 \1,000円(要予約)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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予約方法:ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

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杉田 敦 Atsushi SUGITA

  • 美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。

1月26日(土)-27日(日) ★★シリーズ SakSak#9 関 真奈美[入れ物 #観察]

今回のゲストは関 真奈美さんです。

関さんはこれまで、ブランクラスではLive Art、ステューデントイベント、ヤミ市、引込線などの出張イベントなどなど、いろいろな形で出演してもらったり参加してもらったりしてきた人で、それこそ僕が学生の頃から、ブランクラスを経由して関わってきた同世代のアーティストの一人。


今回のイベントではブランクラスに宿泊して、眠っているときの様子をカメラで記録して、朝ごはんを食べつつその記録を見て、寝ているときの自分の身体の様子を観察してみる、というもの。寝る前には睡眠にまつわる映画を見たり、近くの銭湯に行ったり、よく眠れるようにストレッチをやったり、とにかく盛りだくさんなイベント。

タイムスケジュールはこんな感じ。
1月26日(土)18:30 開場 → 19:30 映画鑑賞 → 21:30 温泉、就寝準備、ストレッチ → 24:00 就寝 
1月27日(日)7:00 起床、ストレッチ → 8:00 朝ごはん、振り返り → 10:00 終了


眠っているときに、意識下にない自分自身の身体がどんなふうに動いているのかを、お客さんも一緒にみんなで観察してみるという試みで、元々は、自分が眠るときに枕元に置いたぬいぐるみが、朝起きてみたら全然違うところに移動していた、という体験から今回のアイデアに発展しているそう。

関さんの作品で、アバター役の人に遠隔で指示を出してそのアバターを動かすというシリーズがあるけれど、あの作品でも人の意思と身体の動きとが分解されたらどういうことができるのか、みたいなことを想像するところがあって、今回のイベントでもその辺の関心が重なっていたりするのかな?


当日、会場には布団一式(敷布団、掛布団、シーツ、枕)が用意されるけれど、その他、防寒具、着替え、 タオル、耳栓など、必要なものがある場合は各自持ち込みOK。 リラックスして眠れる準備をお忘れなく。


のもとなおき


先日収録した放送室もどうぞご覧ください。
今回のイベントについて、昼間のブランクラスでお話をしてもらいました。関さんが持って来た、イベント当日の観察に使う予定のカメラくんも一緒です。(そして今回の放送室からジングルが入ってます!高山玲子さん、関 真奈美さん、うらあやかさん、村田紗樹さんの協力でお届けします!)

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SakSak #9 関 真奈美
入れ物 #観察|睡眠観察
blanClassウェブページhttp://blanclass.com/japanese/schedule/20190126/
Facebookuイベントページhttps://www.facebook.com/events/533670627111176/


カメラに写っている(ものには、ある事実があるとして、)睡眠時の意識にない自分の姿を見る経験とはどんなものでしょうか。
イベントでは睡眠にまつわる映画を鑑賞します。記録した睡眠中の様子を朝ごはんを食べながら確認します。


日程:2019年1月26日(土) -27日(日)
19:00 開始 → 19:30 映画鑑賞 → 21:30 温泉、就寝準備、ストレッチ → 24:00 就寝
→ 7:00 起床、ストレッチ → 8:00 朝ごはん、振り返り → 10:00 終了


料金:3,000円(予約制/定員7名)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
企画:野本直輝


布団類は会場に用意しています。パジャマや眠る時に必要なものなどがあれば、ご持参ください。
銭湯:横浜天然温泉 くさつ https://k-o-i.jp/koten/kusatsu/ 手ぶらセットあり


イベント予約方法
ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈件名〉SakSak#9 関真奈美 予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com


会場アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階


関 真奈美 Manami SEKI
主な展覧会・イベントに「乗り物」(blanClass・横浜)、「(real) time と study tables」(space dike・東京)、「PJB」(BankART1929・横浜)、「記録係 vol.新しい洞窟」(コ本や・ 東京)などがある。
HP http://manamiro.tumblr.com/


SakSakについて
SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)
HP https://saksak.localinfo.jp

1月19日(土)川原卓也[私の頭の中のメディウム・スペシフィシティ]


今週土曜日のLive Artは、川原卓也が、ソロでは初登場。


原卓也さんは2013年6月のステューデントナイト vol.4に杉山雄規と共作という形で出演、同じ年の12月に森美術館で行われていたクロッシングに出張をした際にも出演している。


どちらの場合も少し違うが、そこにある状況を前提に、参加している人みんなを巻き込んで成立する形で、パフォーマンスが展開された。


その後、来週のLive Artのゲストでもある関真奈美さんと共作という形で、《ピンク・ジェリー・ビーンズ》や《PJB》というパフォーマンス作品を手がけている。


昨日収録した放送室でもお聞きしたのだが、《ピンク・ジェリー・ビーンズ》では、川原くんが「演技」を、関さんが「物の痕跡」を問題として設定して、それぞれの問題が作品上で関係しあって成立する作品を目指し、その結果を踏まえて《PJB》では、相反する問題を掛け合わせた「物による演技」を試みたという。


《PJB》という作品は見に行けなかったので、物が演技をする様を目撃できたわけではないのだが、アイボにそうしてしまうように、物に対して観客が感情移入してしまうことを目論んだわけでもないようで、できそうでできないことを本気で課した作品だったようだ。


今回のパフォーマンスでは、そこからさらに展開して「メディウム・スペシフィシティ」についての考察を試みる。


メディウム・スペシフィシティ」というのは、素材や物がそこにある状態で、十分に発揮される存在の強さみたいなこと。イリュージョンに惑わされず、紙は紙、インクはインク、鉄は鉄といったように、表現上の景色や物語を支えるものとしてないことととして認識されるのではなく、それぞれの素材の履歴がむき出しで認識されて成立しているようなことを意味している。


物語に縛られていた表現を抽象に導く一つの考え方なのだが、その「メディウム・スペシフィシティ」が、これまで川原さんがしてきた試みの一つの手がかりになり得るのかが見どころだろうか?


当日行われることのなにかヒントをくださいと尋ねたところ、「ヒントはなしで」ということだったので、なにが起こるのかは、ぜひ見に来てご確認ください。



こばやしはるお


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【blanClass放送室】
1月19日(土)のゲスト川原卓也さんと、これまで作品で問題にしてきたのは「演技」と「ものの痕跡」、それが転じて「ものによる演技」、そして今回考察する「メディウム・スペシフィシティ」についてお聞きしました。



2019/1/14/川原卓也/blanClass放送室


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パフォーマンス原卓也[私の頭の中のメディウム・スペシフィシティ]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190119/
https://www.facebook.com/events/384124879022735/


メディウム・スペシフィシティについて、いろいろと考えたりあれこれしたりします。


日程:2019年1月19日(土)
開場:19:00 開演:19:30
入場料:1,600円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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川原 卓也 Takuya KAWAHARA

  • 1984年埼玉県生まれ。主な公演、グループ展に「ピンク・ジェリー・ビーンズ」(2016年、TABULAE)、「PJB」(2017年、BankART Studio NYK)、「共同体のジレンマ Community and Self」(2018年、旧門谷小学校)。また、作品制作と並行して、墨田区向島のスペースTABULAEの運営も行う。

http://takuyakawahara.tumblr.com/

  • TABULAE↓

http://5484tabulae.tumblr.com/

1月13日(日)cat’s heaven…![新年ヤミ市]


2019年blanClass初売り企画、3年連続で、Cat’s heaven…! 企画の[新年ヤミ市]でございます。


今年は日曜日なのでご注意ください。


Cat’s heaven…! とは、2005年に行われた太平洋戦争で「犬死」した命について考える「thinking about dog’s death」という展覧会で、立ち上がったプロジェクトの名前。「犬死」とは正反対の「ニャンコ天国?」という意味で、死んでしまった人々とは別に、生き残って、すべてを失った焼け野原に立ち上がった自由で奔放な人々のことを考えてみようという試みだったという。


中でもそのエネルギーが「ヤミ市」に所長されているのでは? ということで、どこからともなく人々が集まって立ちあがる市をblanClassでもやってみようといことになり、1月恒例の行事になった。


そういえば、『暮しの手帖』で知られる花森安治さんも、戦中までのキャリアを捨ててヤミ市でカフェをしていた経歴があるというから、敗戦のタイミングというのは、終わりを意味するだけでなく、これまでのことをご破算にして、なにか新しいことへ再挑戦する機会にもなっていたに違いない。


そういえば、ベルリンの壁が崩壊した時に、私の父は「終戦はこんなもんじゃなかった」と、その希望に満ちた瞬間がいかに素晴らしい日だったかを語っていた。


いつもいつも現状を憂いで「ガラガラポン」を夢見続けるのもどうかと思うが、古いものが終わる瞬間に立ち会えるのは、きっとすごいことなのだろう。


一昨年の年末には企画の吉田和貴さんと世田谷ボロ市に行って、大昔、畑の真ん中でボロ市が始まった頃を想いつつ「放送室」の収録をしたのだが、昨年末は東名海老名のサービスエリアに行って、市場の現在形を考えつつ、お話をしました。


というわけで、企画者の吉田さん曰く、アートなヤミ市ではなくて、みんながただ売りたいものや要らないものを売ったり買ったりするので良いそうです。


と言っても、今年も大槻英世による「殴られ屋」も出店予定のようだし、今年はこれまでで一番多くのお店が立ちそうで、blanClassでもおなじみのアーティストたちが工夫を凝らしたお店を出してくれそうです。


日曜日の天気が少し心配ですが、雪が降ったら降ったで、ヤミ市にぴったりかもしれません。


掘り出し物を探しにぜひご来場ください。



こばやしはるお


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【blanClass放送室】
新年1回目のイベント[新年ヤミ市]の企画の吉田和貴さんに、海老名のサービスエリアを散歩しながら話を伺いました。




2018/12/11/Cat’s heaven…![新年ヤミ市]/blanClass放送室


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フリーマーケットcat’s heaven…![新年ヤミ市
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190113/
https://www.facebook.com/events/1107470846081604/


2019年のLive Artも昨年に引き続き、キャッツヘブン企画の「ヤミ市」でスタートします。人々が何かの価値を交換しあうことを禁じられた時代、それでも人々は広場に集まり、交換しあうことで生き残った。我々も先人に倣って、ショバ代を払いゴザを広げ、定価も相場もない商売をはじめてみよう。交換と繋がり、統制と生活、自由と混沌。もしかしたら、あの頃の広場の熱に我々も出会えるかもしれません。


出店:飯島剛哉/うらあやか/大槻英世/齊藤哲也/出張新宿マルシェ/関 智文/関 真奈美/高山玲子/野本直輝/古市久美子+チビ画伯たち/眞島竜男/宮澤響/メランカオリ/村田紗樹/山本聡志/吉田裕亮/渡辺志桜里/泥沼コミュニティ/blanClass ほか/企画:吉田和貴


日程:2019年1月13日(日)13:00ー20:00
入場無料

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cat’s heaven…!

  • 2005年に第二次世界大戦終結の日という特定の日を念頭においたグループ展のために生まれたプロジェクト。戦争との関連で語られるその日を前に、ストレートに戦争や戦後を問う展示も重要に違いありませんが、確実に日常の生活の中から消え去っていくその記憶や、それに対する問題意識を、露悪的かつ正直に吐露することも重要なのかもしれません。犬死について考える(thinking about dog’s death)のではなく、猫たちの幸福(cat’s heaven)を想うこと。充満する幸福の香りは、密かに踏みにじっているもののむせ返るような異臭を含んでもなお、甘美なままいることができるのでしょうか?