今週の+night↓
http://blanclass.com/_night/archives/1742
7月3日(土)
伊藤 誠 [BOAT・遠足・かたち]開場:18:00 開演:19:30
入場料:1,200円/学生 1,000円
持ち運びのできる「水面」をいくつか用意しました。これを装着して次の実験をします。1)遠出をする
2)できなければ遠出をしている感覚を頭のなかにつくる 3)さまざまな場所をみつける
彫刻家、伊藤誠の作品を見ていると、彫刻的な経験というものが、日常の経験のなかや、あるいは脳のなかに、すでにあることに気づかされる。
というのは、たとえば彼の作品を見るということは、遠くにある山の稜線を自分が小さくなって、引力なんかからも多少自由になって、トボトボ歩くように、視線を作品のエッジに這わせてしまう。
見入っていると、隙間があったり、格子があったり、覗き穴があったりするものだから、うっかり向こう側や内側を覗き込んでしまう。
そうこうするうちに、とうとう、それがどんなサイズで、どれくらいのボリュームで、どのくらいの重みのものが、どのようにその場所にあるのかが、よくわからなくなってきたりするのだ。
つまり伊藤誠の作品を見るということは、さまざま空間で知覚する脳や身体が持っている経験上のボキャブラリーを総動員させるところがあるということだ。伊藤氏が自身の作品の説明に次のようなことを言っている。
「自分の知っている街の中を歩いている夢」について思考する。
その地図を手探りで作ること。「単純で複雑」な迷路は可能か?
そんな伊藤氏は、近年、観客も身体に装着して体感が出来る、装置のような作品を展開している。今回の+nightは、そのシリーズの展開版である。
18:00のオープンから作品に触れることができ、19:30からはワークショップをします。ぜひふるってご参加ください。
こばやしはるお