2010年11月8日(月)〜11月13日(土)秦雅則[目が見えない]
8日(月)〜13日(土) 秦雅則展覧会
[目が見えない]
目が見えなくなった理由/そして結論としての写真
12:00〜21:00(13日は〜19:00)
入場無料
13日(土) スライド&トーク
[目が見える]
もう一度、目が見えるようになった理由/そして21世紀写真の動向についてのトーク
秦雅則/三木義一(明るい部屋)/司会:波多野康介
start 19:30
1,000円
http://blanclass.com/_night/archives/3721
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写真家・秦雅則の新作展覧会「目が見えない」がblanClassで11月8日より開催されている。
秦雅則はここ数年自らが運営を行なう【企画ギャラリー明るい部屋】を中心に年に数回の個展とグループ展をひらくなど精力的に作品を発表している。
2008年にキャノン写真新世紀グランプリを受賞されているので、名前は知っていたが、実際に私が秦雅則の作品を見たのは秦氏が運営を務める企画ギャラリー明るい部屋での展示、秦雅則・エグチマサルと二人展「破壊する白と創造する黒」(2009年5月)においてだった。
秦雅則とエグチマサルが互いのヌードやポートレイトを撮影したモノクロプリント数点を元に、二人の作家がそれらのプリントに手を加えた展示、二人の共同作業によりつくられたB全2枚分の作品が壁に展示してあった。床には写真新世紀受賞作品「遊びことば」などの分厚いポートフォリオが数冊置かれていて、私は一枚一枚全プリントをみた。写真とは無関係に見える「言葉」がプリントに貼付けられていたり、人の顔を着色している作品などが大量にあった。人の写真が強く、荒々しく、対象を突き放したドライな印象も持った。
卑猥で、汚くて、暗い。しかし、秦の写真を見続けることは不快ではなく、もっと見たいと思った。また加工された写真の隙間から部分的に見えているベースになっている写真自体もいいのだろうと思った。写真でやれることをいろいろと模索しているようだが、正直なところ作品はよくわからず、もやもやしたまま強いインパクトだけが残っていた。それからはしばらく彼の仕事をみていない。
blanClass+nightではこれまでに数人の写真家を招いている。私からみると少し上の世代の作家が多く、これからは同世代の作家とも仕事をしたいと考えていた際に、秦雅則という写真家を思い出した。企画ギャラリー明るい部屋に遊びに行き、最近の作品を見せてもらいながら今回の展示の話をした。
最近はインターネット上にある画像とフィルムとデジタルで撮影をしたシリーズをつくっているという。シリーズ3作目の今回の作品は数十個の画像が混合された、架空の人物の写真がメインになっている。いくつかのプロセスの積み重ねを経て制作された写真は、インターネット上の画像データは秦雅則により再生され、生々しくプリントとして目の前に突きつけられる。合成・複製されたゆえの歪み、不自然なポージングや表情など、見ていると気持ちが悪くなる。秦雅則は虚構と現実、フィルムに定着された画像とモニター上の画像を行き来し、思考しながら写真を作っているようにみえる。
13日(土)のスライド&トークでは秦雅則氏と明るい部屋のメンバー三木義一氏を迎え、今までの作品を紹介してもらいながら、新作「目が見えない」についてお話してもらおうと思っています。是非お越し下さい。
明るい部屋 website http://akaruiheya.info/
秦雅則 website http://hatamasanorihata.ganriki.net/
三木義一 website http://miki-441.net/
はたのこうすけ