関西レポート#2|関西のオルタナティブスペース

タイミングを逃し続けこんなに遅くなってしまいましたが、9月末に、京都と大阪へ行ってきました。
そもそもの目的は、国立国際美術館(大阪/中之島)で行われていた展覧会「<私>の解体へ 柏原えつとむの場合」と「リアルジャパネスク」を見に行く為でしたが、せっかくなので、いくつか面白いスペースを回ってきたので、ご紹介します。

国立国際美術館での展覧会を見た後、キュレーターの橋本梓さん伺ったところ、大阪では、住之江地区の北加賀屋の周辺と、此花地区で面白い動きがあるとのことでした。
時間の都合で、北加賀屋には行けなかったのですが、此花地区に行ってきました。
阪神なんば線の西九条駅から安治川を渡った川沿いに、かつて何かの倉庫だったようなトタン葺きの建物群が連なっていて、その一角に、タイミング悪く閉まっていましたが、オルタナティブギャラリー「梅香堂」(http://www.baikado.org/docs/home.html)があり、その隣にあるインフォメーション・スペース「OTON△RI」(おとなり http://www.facebook.com/odoliodoli)にたまたまいた黒目画廊(http://www.kuromegarou.jp)の方(辺口さん)が周辺のツアーをしてくださいました。
梅香堂の向かいにある宮本マンション→黒目画廊→モトタバコヤ→此花メヂア、周辺にアーティストが移り住んだり、レジデンスしながら、制作しその場所で公開しているとのことです。
昔ながらの居酒屋があったり定食屋があったり、下町っぽい町並みに、ポツポツとスペースが点在していました。
近隣の住民とも生活レベルでの交流もあるようで、とけ込んでいるように見えました。


京都では、同志社大学そばにある「Social Kitchen」(http://hanareproject.net/)へお邪魔しました。
1階がカフェで2階がイベントスペース、3階をシェアオフィスとなっていて、2周年目を迎えるということでした。
その名にある通り、新しい公民館を目指して、現在、私たちが直面している生活の中にある問題に、様々な仕事、専門、環境を持つ人が、集まって、向き合い、考え、学ぶ場所として運営されています。


明るくて、心地のいい場所に立ってみると それが深刻な問題であっても、堅苦しく難しく考えるのではなく、もっと普通に、それこそご飯を食べるのと同じような感覚で考えることを提唱しているように感じました。
カフェでは、その実践の形が体現されていて、椋川や大原で作られた低農薬の野菜を使った、とってもおいしいご飯を頂きました。頂いたパンフレット「1cafe×1farmer」を読んでみても、自分も飲食店で働いていて感じる問題がとてもクリアに示されていて、共感する部分も多く、とても勇気づけられたのでした。


カフェで食べていると、近所の学校帰りの小学生がふらっと入って来て、スタッフとおしゃべりをして帰って行くという場面に出くわして、京都弁のせいもあるのか、その小気味いい感じが新鮮で微笑ましかったです。今度はぜひイベントの時に行きたいと思います。


京都ではもうひとつ、「AntennaMedia」(http://antenna-media.com/)に伺いました。
お休みの所無理を言って開けてもらいました。(ありがとうございました。)
ここも、建築家やデザイナー、キュレーター、アーティストによるグループで運営されていて、ギャラリースペースであるけれども、食事会をやったり、近所のアンティーク屋さんの展示会をしたり、ワークショップをしたり、開かれていて、その地の文化を当たり前にあるように、明らかにしていこうとしているように感じました。
そして、こういうスペースがコンパクトな街に共存していることがうらやましいとも思いました。


あべしょうこ