「ビーズのネックレスがほどけて」というパフォーマンスは、複数人で伝言ゲームを行う、参加型のパフォーマンスです。
伝言ゲームとは子どもに人気のゲームで、文章や物語を伝聞してゆくことで最初と最後では内容が変わってしまうのをゲームの最後に把握しその様を楽しむというような、あのゲームのことです。このパフォーマンスでは、ある詩を会場のどこそこにて伝言ゲームを行います。伝聞による情報の分解、構築のタイムラグを参加者の身体を通して実験・執行します。以下ぼんやりとした作文失礼します。
私はよく、知らない人から道をきかれます。よほど道を知っている風に見えるのか、それともただ暇そうに見えるのかわかりませんが、とにかく本当によく道をきかれます。新宿の東口へ出ようとして一度南口へ出てからアルタ、アルタ、と唱えながら大回りしたり、電車はおろか高速バスやこの間なんかはついに飛行機まで乗り逃すような私に聞いても仕方がないのに、といつも思う。
それで私はというと自分がいつもそうするようにiPhoneで調べた乗り換えを読み上げ、道を聞かれればGoogle mapで調べて大通りを渡って正面の細い道を直進ですなどと、得た情報を横流しにするんですね。もしも彼らに間違った情報を流してしまっても、合っているかどうか確認するすべがないです。検索はできる限りやりますが、それでも、ということです。それほど私はGoogle mapを盲信しているとも言えるかもしれませんね。
思った通りにことが進まなければ彼は私のせいにするだろうか。Google mapのせいにするのだろうか。しかしGoogle mapもまた聞かれたことに持ちうる情報の蓄積から応答したにすぎない。などと、正しさが歪んだ箇所を探したかどうかは定かではないが、かくして私たちの身体は変身した。(空洞、デバイス、古びた貨幣、或いは壊れたビーズのネックレス。)
うらあやか
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★@引込線2017
参加型パフォーマンス|うらあやか[ビーズのネックレスがほどけて]
http://blanclass.com/japanese/schedule/201709162324/
内省が働く時、他者の視点が内にある。ここはそこになり、自分を点ではなく線で捉えることが可能になった。私よりも以前にいる彼女が私です。哲学において言葉が執行:performしていると考えられはじめたのは、現代以降になってのことだという。
日程:2017年9月16日(土)・23日(土)・24日(日)
時間:12:00-/14:00-/16:00- (1日3回、所要時間15分程度)
場所:引込線2017展覧会場内(埼玉県所沢市中富1862-1 旧所沢市立第2学校給食センター)
http://hikikomisen.com/2017/access.html
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うら あやか Ayaka URA
- 1992年神奈川県生まれ。相反する物事(例えば集団と個人、見る側と見られる側、過去と現在等)を反転若しくは攪拌する装置としての作品を目指す。主な個展にBallroom dance lesson(V54/香港)、The body dances freely(Art Center Ongoing/東京)主なグループ展にTERATOTERA2016 -involve- (東京)、PARTY(Art Center Ongoing/東京)など。