blanClassの日|良知 暁

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以前、リーフレットの英訳を頼まれてblanClassの小史を眺めたとき、その成り立ちを含め、思いのほか知らない出来事が多かったことを覚えている。それは自分が出演者なり観客なり、それぞれのかたちでblanClassに関わった人々の多くを知らないということでもある。おそらく、このblanClass10周年記念+クロージングパーティーに足を運ぶ多くの人にとっても、blanClassはそういうところではないだろうか。事実、「モバイルキッチンでできること#3」について、ともに企画した永田さんやblanClassの小林さん、安部さんと決めたゲストの半分近くの方には、これまで一度も会ったことがない。
 
blanClassのファイナルイベントのひとつ、10周年記念+クロージングパーティー「モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]」では、複数のゲストが〈モバイルキッチン〉をつかって、それぞれ特定の日付のための料理をつくる。ーー打ち合わせのときに(あるいは放送室で)安倍さんが言ったように、それをキッチンと呼ぶのはおかしな話で、〈モバイルキッチン〉と言うのは、5年ほど前にblanClassに新たに加えられた機能であり、条件のことなのだろう。〈モバイルキッチン〉登場以前から、料理はblanClassのひとつの特徴だった。過去のアーカイブを遡れば、その一部を見ることができる(そうでなくても、料理はイベントの記録写真にしばしば写り込んでいる)。その意味で、〈モバイルキッチン〉はblanClassの活動の裏側(階下)にあった、もうひとつの「つくる」という工程を共有するものだったのかもしれない。「モバイルキッチンでできること#3」のテーマを[○月○日の料理]にした理由のひとつは、特定の日付と結びつけられた料理の存在。たとえば、1月7日の七草粥。あるいは、7月6日のサラダ記念日。日付は料理と結びつき、言葉にしえぬものや実体なきものの記憶をとどめる。しかしながら、記憶されたはずのものの不確かさゆえに、その形式こそが信じられるものとして残されることになる。
 
「blanClassの日を制定しませんか」と提案してみた。
 
なぜ「日付」か。数ある理由のひとつは、日付と忘却あるいは想起との関係にある。日付はしばしば特定の出来事と結びつき、その周期的な運動において「何か」を到来させる。また、日付それ自体を媒介に複数の出来事を結びつける。blanClassという場に結びついていた言葉にしえぬものや実体なきものを、場ではなく、日付に結びつけることはできないだろうか。休業を宣言したblanClassから、あえて〈モバイルキッチン〉登場の元にあった改造/拡張というアイディアを引き継いで、「blanClassの日」という新たな機能を拡散する(いずれはblanClassの料理のレシピも拡散できないだろうか)。国民の祝日に関する法律には、その祝日を命名するだけでなく、それがどのような日であるのかといった一文が記されている。たとえば、文化の日であれば、11月3日、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」のように。blanClassの日を、毎週土曜日に開かれる一夜完結のイベントが始まった10月17日に制定するとき、その一文を記すべき「」の中はその名にちなんで、からっぽのままに残されるだろう。
 
10月20日の10周年記念+クロージングパーティー「モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]」では、ゲストによる[○月○日の料理]や、当日参加できない人々によるなんらかの形での遠隔参加に加えて、からっぽのままに残された「」のことについても話をしてみたい。
 
 
らちあきら
 
 
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★blanClass10周年記念+クロージングパーティー
モバイルキッチンでできること#3[○月○日の料理]
2014年にblanClassの新たな機能として登場した〈モバイルキッチン〉をつかったパーティー第3弾。
 
10周年を迎えると同時にすでに「休業」を宣言しているblanClassから、あえて〈モバイルキッチン〉登場の元にあった改造/拡張というアイディアを引き継いで、「blanClassの日」という新たな機能を拡散できないだろうか。ときに日付は一度だけ起こった特定の出来事と結びつき、その周期の運動において「何か」を到来させる。しかし一方で(あるいはだからこそ)、国民の祝日から極めて個人的な記念日まで、日付のその特性はしばしば恣意的にさまざまな形で利用されている。
 
毎週土曜日に開かれる一夜完結のイベントが始まった「10月17日」を改めて「blanClassの日」に制定したとき、あなたはそれをどんな日として思い出すだろう。
 
というわけで、「ご飯をつくることで社会らしきものをつくること」(2014)、「だれかのためのデモンストレーション」(2015)に続く今回のテーマは「○月○日の料理」。それぞれのゲストがつくる特定の日付のための料理を食べながら、みんなで10周年を祝いましょう!
 
ゲスト:荒木 悠/梶原あずみ/金 善瓔/BARBARA DARLINg/野田京子/古市久美子/ヤング荘(津山 勇+北風総貴+安野洋佑)ほか
遠隔参加:奥村雄樹+見増勇介/佐々 瞬/増本泰斗/百瀬 文 ほか
企画:永田絢子/良知 暁/blanClass
 
日程:2019年10月20日(日)
開場:13:00(なんとなく開けてますのでお気軽に…)
パーティー:17:00(ゆるゆると始める予定)
参加費:2,000円