また終わるために。|安部祥子

最後のステューデントアートマラソンから週が明けましたが、これからお休みに入ります。

 

10月は、どのイベントもファイナル感があり、あっという間に過ぎて行きました。

久しぶりの顔が見れたり、本当にたくさんの方に来ていただき、とても楽しい1ヶ月でした。

終わったらどうするの? といろんな人から聞かれましたが、「休む」ということ以外なにも考えていなくて、終わった今でもあまりが実感もなく、しばらくはちょっと早めの冬休みのような感じなんじゃないかと思っています。

 

Live Art(2011年12月までは+nightと言っていました。)は2009年から、ざっと数えて述べ約1160組のアーティストに参加してもらいました。

ごくごく身近なパフォーマンスアーティストに声かけて始まったワンナイトイベントが、少しずつ人から人が繋がり、ここでやらせてくださいと言ってくる人が出てくるまでになってきたことは、なかなか興味深いことでした。

自分たちのやってきたことなので、思い入れはいっぱいありますが、それでも、別に大したことではないのですよ、と言いたい気もしています。

ただ関わってくれたアーティストやスタッフが、うんうん悩みながら真剣に自由な場に向き合ってくれたのだと思います。

 

良知暁さんが、クロージングパーティーの際に言っていた、「blanClassには、よくわからないものを見に行く」というのは、ある意味うまく言い表してると思います。

なにか作品になる前の実験のようなものをしてもらいたい、そういう場としてつかってもらうことが、なんの設備もないblanClassのできることだったし、むしろそこが一番面白い部分でした。

初めのころはお客さんに、ストレートになんだかわからないとか、ちゃんとした作品を見たかったとか言われたこともありました。その時は憤ったり落ち込んだりしましたが、それもなんだか今では懐かしいというか、今やそういう場所であるというのが了解された場になってしまったところもあります。私自身もあまりいろんなことに驚かなくなっていて、ちょっと麻痺しているかもしれません。

 

個人的なことを言えば、週の前半を別の仕事をして週末はイベントの準備と本番、2ヶ月に1回チラシのための絵を描く。という生活を10年続けてきたわけですが、なんというか、ほぼ休みらしい休みもなく、パートナーと仕事しているとあるあるかもしれませんが、いつ何時でも仕事の話になるという、アフターブランクラスの攻防もあり、ここから離れて帰る家があるスタッフたちが羨ましいこともありました。

2011年に参加した新港村で、「子猫もらってください」の張り紙を見て子猫をもらうことになったり、宣伝ありきでSNSを始めたり、毎週ご飯を出しているので、少しは安心して食べてもらえるかな? と思い立ち調理師免許を取ってみたり、(長いこと調理のバイトをしていたので受験資格があったのです)実家の母から放送室のダメ出しが来たり、演劇関係のイベントが増えてきたころ、劇場で働くようになったり、もちろんやめたいと思ったことも、時々に葛藤もありましたが、いいんだか悪いんだか、なにもかもが混ざった生活でした。

 

なんだか、こうやって振り返りながら書いていると、人生がこれで終わりかのような気になってきますが、明日もちゃんと仕事があります。

週末、人の出入りが少なくなり、ちょっと寂しい思いもするかもしれないけれど、始める前にそうだったように、また空っぽのスペースに野良猫が遊びにきてくれるかもしれませんし、また、別のなにかを始めようと思います。

その前にちょっとお休みを。(どうやって休むかをまずは考えないと!)

 

10年間ありがとうございました。

 

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あべしょうこ