10月27日(土)・28日(日)★シリーズ SakSak #6 奥 誠之[ドゥーワップに悲しみをみる / 答えて!イエス or ノー]

今週の土曜日はSakSak#6、ゲストは奥 誠之さんです。


奥くんとは、以前、blanClassで行ったシリーズ企画「〇〇のかたちを探す」でのゲスト出演を引き受けてもらったり、昨年の引込線でも、blanClassからのゲストとして一緒にイベントに参加しています。


〇〇企画のときにやったのは、イベントで奥くんが自作についてトークをするという定で、お客さん同士はトークの前にLINEでグループを作っておいて、奥くんのトークが始まったら、お客さん同士にLINEで好き勝手に会話をしてもらう、というもの。
いわゆるアーティストトークのような場において、アーティストの言葉が一番大きな意味を持ってしまうような状況に対して、話し手のアーティスト以上に、聞き手となっている観客の反応や言葉の方がその場に充満していく様な構造を作っていて、全体像を知らないのは聞き手ではなくてアーティストの方、という状況が生まれていた。


引込線のときは、宮澤 響と橋場 佑太郎との3人組による「おしゃべりスポット実行委員会」というユニットで参加。
このときにやっていたのは、展覧会場の中でお客さんがおしゃべりできたり、ダラダラできたりする場所を見つけたら、その場所にコースターを置いて、おしゃべりスポットとしてマーキングしていくというもので、おしゃべりのお供として麦茶を振る舞っていた。


僕の印象では、彼の関心は作品そのものではなくて、その作品の周りの環境の方にあるような気がする。作品と、それを見る人との出会わせ方とか、作品との関わり方について、いつも考えているような。

そんな彼自身の制作において、今は絵を描くことが中心になっている様で、描くこと/制作すること、とその絵のゆく先について、いろいろ考えていることが多いそう。今回はブランクラスを使って2日間の絵の展示を行います。最終日の夜にはクイズ形式のディスカッションを通して、展示作品の販売も行われます。
展示のあり方に少し工夫があるみたいで、展示構成を建築系の友人に協力してもらったり、日によっては見に来た人にコーヒーが振舞われたり、詩の朗読が行われたりする予定。


いろいろとセッティングがなされた2日間にはなりそうだけれど、それだけに?所々に抜け感が感じられる時間にもなりそう。
見たり話したり、昼間から飲んだりダラダラしたり、来た人にとっていろんな選択肢がその場に転がっているといいなあと思う。


のもとなおき

10月20日(土)・21日(日)沼下桂子[Practical case interviews #02 阿部大介/迫鉄平]


今週土曜日のLive Artは沼下桂子さんが初登場。といっても、ソロでのイベントではなく、さらにアーティストの阿部大介、迫鉄平、両氏を迎えた展覧会とインタビューの企画になっている。


この企画は今年の6月、相模原市立市民・大学交流センター(ユニコムプラザさがみはら)で行われた[Practical case interviews #01 アスビョルン・オレルド/吉田和貴]という、やはり展覧会とインタビューが組み合わさった企画の第2弾となっている。
https://www.facebook.com/events/174190263246885/


前回の企画は女子美術大学大学院 版画研究領域「キュレーション」授業の関連事業として進められたもので、展覧会をつくっていく過程を学生たちと考える上で、アーティストとの対話が重視されるがゆえに、「インタビュー」というものが、クローズアップされたのか、「キュレーション」以上に「インタビュー」の比重が重くなっている。


この[Practical case interviews #01 アスビョルン・オレルド/吉田和貴]の期間中に、沼下さん、アスビョルンさん、吉田さんと、なぜか伊豆で、一緒にしゃべる機会があり、大した話を交わしたわけでもないけれど、それでも後で展覧会場に置かれていたインタビューを読んだ時、車の中や食事中にみんなで話した話が重なって、アーティストが日頃考えていることと作品を作ることの間に、いつもとは違う遠近法が生じたような気がしたのだ。


それが沼下さんをblanClassにお呼びするきっかけなのだが、結果、[Practical case interviews]の第2弾に展開したというわけ。今回は第1段にはない、Liveの時間が加わるので、展覧会+インタビュー(文字)+トークイベント(2日目には映像展示する)という形になる。


作品や紙のインタビューの邪魔にならないようなトークイベントに…、とご本人たちは気にしているようで、トークイベントでは私も加わり、それぞれの位置からそれぞれにインタビューをし合うようなことができたらと考えている。


考えてみると、インタビューというのは、生で見ることもあるけれど、文字化されたり、映像化されて、世の中に溢れている。インタビューそれ自体がインタビューイの仕事の場面ではないけれど、これだけインタビューが求められているということは、数少ない、他人同士の接続の機会になっているのかもしれない。


ということで、インタビューの可能性を考えつつ、阿部大介+迫鉄平、両氏それぞれの制作や、関係などにも興味を抱きつつ、ぜひぜひお運びください。


以下、アーティストお二人のステイトメントです。



近年、様々な物質の表面を版にして、その凹凸を剥がしとる作品を制作しています。剥がされる対象は、衣服、車のタイヤ、工具など、身近な物から家の外壁まで多岐にわたります。剥がされた皮膜は、制作行程の中で本来の形を留めながらも、展開図のように薄くのばされたり、熱を加え発泡させたりと別物へと変容していきます。物質の内と外との境界が振動し、機能や形態が曖昧になっていく様は、暴力的な要素をはらみながらも、多様な想像を内包する力があると考えています。


(阿部大介|あべだいすけ)



街で何かを発見し、思わず「あっ」とカメラを向けシャッターを切る。「あっ」は“あるがままの姿”として、いとも簡単に定着していく。このようなスナップショットの手法を。映像(=連続した写真)へと応用する。写真の決定的瞬間「あっ」は映像という時間の中で「あーーー」と引き伸され、被写体は無防備な本来の姿を露呈する事になる。写真というメディアの持つ特性や限界を考察しながら、「写真のようなもの」を用いて作品を制作している。


(迫 鉄平|さこてっぺい)



【blanClass放送室】
10月20日(土)21日(日)のゲストで企画の沼下桂子さん、作家の阿部大介さん、迫鉄平さんに卓球をしながら、今回の展覧会についてお話をしていただきました。卓球をしながら半紙をするのは難しそうでしたが、そのせいかだんだん卓球が上手くなっていくようでした。



2018/10/14/沼下桂子+阿部大介+迫鉄平/blanClass放送室


こばやしはるお


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展覧会/インタヴュー/アーカイヴ沼下桂子[Practical case interviews #02 阿部大介/迫鉄平]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181026/
https://www.facebook.com/events/307196636523130/


作品を展示するアーティストと、展覧会を企画する人の関係性を、インタヴュイー/インタヴュアーに喩えて置き直し、展示という形態について考えるために始めたプロジェクトです。作品をつくること/見せること/それを誰かとともに行うことは、例えば、インタヴュアーが誰かに話を聞く場面を設定し、インタヴュイーから引き出したインタヴュー内容を、紙面やウェブ、あるいは映像や音声など、さまざまなフォーマットに落とし込み発信することに似ているように思います。このプロジェクトでは、インタヴュアー/インタヴュイーの力量に関わらず、そこにどのようなプロセスが含まれるのか、再考するために実践されることを重視しています。


展覧会:2018年10月20日(土)・21日(日)13:00-20:00(20日は19:00まで)入場料:500円
トークイベント(沼下桂子+阿部大介+迫鉄平):20日(土)開演:19:30 1,000円(ドリンク別)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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阿部 大介 Daisuke ABE 

  • 1977年京都府生まれ。2002年 京都精華大学芸術学部造形学科版画卒業。2004年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了。主な展覧会に「cross references 協働のためのケーススタディ」(アートラボはしもと・神奈川・共同制作者:鷹野健・2017)、、「Dialogue」(Tezukayama Gallery・大阪・2017)、「Sky Over ?」(アートラボあいち・愛知・2016)、「皮膚感覚」(美濃加茂市ミュージアム・岐阜・2015)、「Untitled•CB125T」(AIN SOPH DISPATCH・愛知・2015)などがある。

https://www.daisukeabe.net

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迫 鉄平 Teppei SAKO

  • 1988年大阪生まれ。2010年グラスゴー芸術大学(イギリス)交換留学。2014年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。2017年京都精華大学大学院芸術研究科博士後期課程満期退学。個展に『FLIM』(Sprout Curation・東京・2018)、『Chill Town』(VOU/棒・京都・2017)、『RUN UP!』(同志社女子大学 mscギャラリー・京都・2017)、『剣とサンダル』(東京都写真美術館・東京・2016)、『硝子の塔』(Ponto 15 / Finch Art Gallery・京都・2016)、『Carbon, Copy・Analog, Delay,』(YEBISU ART LABO、愛知・2016)、『Sliver』(space_inframince・大阪・2016)など、グループ展に『自由の場所』(京都精華大学ギャラリーフロール・京都・2017)、『電気文化会館開館30周年記念 THE NEXT 〜次代を創る10人の表現者たち〜』(電気文化会館・愛知・2016)、『Art Court Frontier 2016 #14』(ART COURT Gallery・大阪・2016)、『showcase #5 “偶然を拾う - Serendipity”』(eN arts・京都・2016)、『京都精華大学卒業生ファイル2016 ー未来の問い』(京都精華大学ギャラリーフロール・京都・2016)などがある。2015年「第38回公募 キヤノン写真新世紀2015」グランプリ受賞。

http://teppeisako.tumblr.com

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沼下桂子 Keiko NUMASHITA

  • 編集/企画/コーディネーター。文化施設での学芸アシスタントを経て、現在アートプロジェクトのマネージメント業務に従事。アート批評系雑誌「+journal」編集メンバー。展覧会と飲食店のはしご、川沿いを上流まで歩く、一定の場所に数時間集うなどの行為をリサーチと位置付けて活動する、アーティスト・グループ、泥沼コミュニティ メンバー(アサヒ・アート・フェスティバル 2016参加)。リサーチの途上で偶発的に始まる出来事や、そこから立ち現れるプロジェクトに関心を寄せている。

泥沼コミュニティ ウェブサイト
http://doronumacommunity.wixsite.com/doronuma

10月19日(金)comos-tv[studies #5]について|青山真也


同時代のアートに関わるさまざまな人々が番組の内容や構成を手がけるアート専門のインターネット放送局 comos-tv の[studies]シリーズ。


毎月ひとつのテーマのもと、参加者とともにディスカッションをおこないます。


今回のテーマは「労働」


前回のイベント中、参加者から“The Cleaners ‒ Im Schatten der Netzwelt”(清掃人たち―ネットの世界の影で)https://www.daserste.de/information/reportage-dokumentation/dokus/videos/xl-vorschau-im-schatten-der-netzwelt-the-cleaners-video-100.html
というドイツのドキュメンタリー映画の話題がでました。


facebooktwitterSNS内でのヘイトスピーチやポルノなどの違法な投稿を監視し削除する仕事に関する作品で、その仕事は東南アジア地域に委託され低賃金で行われており、監視をするのは生身の人間でどのような投稿でも直視せねばならず強いストレスから自殺者もでている状況です。


かつて低賃金・単純労働の中でも劣悪な条件のものは3K労働(汚い・きつい・危険)と呼ばれていましたが、昨今ではIT業界の就労状況の悪さも加わり、新3K労働や6K労働とも呼ばれるようになりました。この「ネット清掃人」も危険なものや汚いものを直視するきつい(3K)仕事ですが、政治、歴史、表現の文脈を汲み取った上で違法性を判断することは(マニュアルがある仕事であっても)けして単純とは呼べない仕事です。時代の変化とともに3K労働と呼ばれるものの内容が変わってきていることが伺えます。


日本で3K労働や単純労働について考えた時に外せないのが外国人労働者でしょう。現在、日本政府は「移民政策はとらない」と前置きした上で外国人労働者の受け入れ拡大策を進めています。移民が十分に生活できる制度を作らないまま、 2025年までに50万人もの外国人労働者を、技術実習制度のもとに日本人の働き手が不足する労働現場に就労させようとしている現状があります。

前回のセッションでは、3K労働や移民労働の話をしましたが、今回の月イチセッションではもう少し間口を広げ「労働」というテーマを設定し、ディスカッションを行います。


あおやましんや


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月イチセッション
comos-tv[studies #5]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181019/
https://www.facebook.com/events/2143701445642338/


同時代のアートに関わるさまざまな人々が番組の内容や構成を手がけるアート専門のインターネット放送局 comos-tv の[studies]シリーズ。


毎月ひとつのテーマのもと、参加者とともにディスカッションをおこないます。


今回のテーマは「労働」


comos-tv ディレクター:青山真也/粟田大輔/井上文雄/原田 晋/藤井 光/水田紗弥子(skypeでの参加も有)


日時:2018年10月19日(金)
19:00−22:00(開場:18:30)
参加費:1,000円
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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予約方法 以下の内容でイベント前日までにメールにてご予約ください。定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈件名〉comos-tv[studies]予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)郵便番号 4)住所 5)メールアドレス 6)参加人数
〈メールアドレス〉
info@blanclass.com

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comos-tv
http://comos-tv.com/

10月13日(土)関川航平[燃素説(仮)]


今週土曜日のLive Artは、関川航平さんが2度目(昨年の「引込線2017」出張時の出演を入れると3度目)の登場。


前回の出演、関川航平[終わり方について話し合う] (2015/04/04)でも、参加者の皆さんと一緒にお話をしながら意見を交換していくイベントだったのだが、今回のイベントもディスカッションをする。

テーマは「燃素説」。燃焼という現象が酸素が引き起こしていることを知る前には、「燃素」という物質によって引き起こされていると広く信じられていたということを発端に、話を進めていくということ。


彼はいろいろな形で、作品を制作したり、発表をしてきたが、作品がどのように着地していくかということ以上に、どのように思考を繰り広げていくのか、ということの方に重心を置いて展開をしている。


その表れとして、ここ数年の関川作品は、考えるということ、行為すること、が同時に行われているようなパフォーマンスの発表が続いていた。


しかし、先日放送室の折、お話をしていたら、やはり、その考えることと表現することを同時にするということに、それでは「殴ってみたら、こうなった」みたいな「危なっかしさ」も感じ始めているようで、それならば、どうやって、周知していないようなことを考え始めることができるのか、またそれをどのように整理していくことができるのか? というようなことを悩んでいるのだというのだ。


というわけで、今回のディスカッションはそのような、そもそもみんなはどうやって思考しているのかを、素朴なところから聞いてみたいというイベント。


あるトピックを前に考え始めるというよりも、あらかじめ手がかりを用意しないで考え始めるということなのか? あるいは何かしらの行為や実験をする中で徐々に思考を進めていくということなのか? きっともっと色々違った思考の仕方があるはず。


ぜひそのあたりのことを一緒に考えてみましょう。




【blanClass放送室】
10/13(土)のゲスト、関川航平さんと「燃素説から酸素説」について、ひいては「考えるということ」についてお話をしました。



2018/10/05/関川航平/blanClass放送室


こばやしはるお


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ディスカッション関川航平[燃素説(仮)]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181013/
https://www.facebook.com/events/384023262126094/


燃素説を題材にして参加者といっしょにディスカッションが出来ればと思います。


日程:2018年10月13日(土)
開場:18:30 開演:19:00
入場料:1,600円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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関川 航平 Kohei SEKIGAWA

  • 1990年生まれ。パフォーマンスやインスタレーション、イラストレーションなどさまざまな手法で作品における意味の伝達について考察する。

http://ksekigawa0528.wixsite.com/sekigawa-works

10月6日(土)岩田 浩[エチュード:再演のために]


今週土曜日のLive Artは岩田浩がソロでは2度目の登場。


前回は、2017年の2月に[アクティングエリア]というタイトルで、岩田浩本人が、場をつくり出し、場の中心占めながら、淡々と進行していくパフォーマンスだった。
http://blanclass.com/japanese/archives/20170204/


この時は、例えば時間的な隔たりがあって、取り戻せないことや、そもそもつかみ取れないかもしれないことに対して、彼が学んできた演劇という形式で行われたり、共有されてきた考え方や方法を使って、なんとか手中に収めるというか、あるいは観客と共有できる方法としての可能性を模索していたように思う。


前回はその孤軍奮闘する様が「アクティングエリア」を生み出していたわけだが、今回は、カテゴリーにもグループワークと示されているように、参加者と一緒に場づくりを試みる。


タイトルは「エチュード:再演のために」…。


エチュード」というのは、演劇の稽古場で、よく行われている一種の訓練のような即興劇のことだが、今回は、参加者のみんなと、blanClassの外に繰り出して、「エチュード」というのか? ちょっとしたタスクをこなしながら、「再演」というのか、それぞれの人たちにとっては、距離があるような事柄などを、みんなでやってみようという試み。


つまりここでも、彼のバックグラウンドであり、学んできた考え方や方法を、今度はもう少し外側に開いたり、当たり前のこととして振る舞い直して、そこで何が起こるのか、あるいはどんなことが考えられていくのかを、まさにやってみる機会になるのだろう。


と文章にするのは難しいのだが、先週収録した放送室で、もう少し詳しくお話しできたので、そちらをぜひご覧になってほしい。(今回は特に…)


もちろん、参加あっての企画なので、奮ってご参加ください。

        • -


【blanClass放送室】
岩田浩さんと「エチュード」、「再演のために」、「参加について」、「時間的な隔たりについて」などなど、良い感じでお話ししました。ぜひご覧ください。



2018/9/25/岩田 浩/blanClass放送室


こばやしはるお


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グループワーク|岩田 浩[エチュード:再演のために]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20181006/
https://www.facebook.com/events/614465968948437/


actorの仕事がactivateすることならば、私たちはつねにactorにほかならない。複数の身体は、その作業を補助するだろう。いわゆる演技術は要らず、たとえば歩くことによって、置かれたものの作動を試みる。


日程:2018年10月6日(土)
開場:14:30 開始:15:00
入場料:1,600円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

                            • -

岩田 浩 Hiroshi IWATA

  • アーティスト。1982年兵庫県生まれ。最近の発表に「アクティングエリア」(blanClass、2017)、参加作品「遊離のルール」(演出:クリストフ・トラッカー、PARADISE AIR、2017)ほか。

https://hiroshinc.tumblr.com/

9月29日(土)★シリーズ SakSak #5 吉田 裕亮[ルドヴィコ療法的診断「カルテをとる」]

今週の土曜日はSakSak#5、ゲストに吉田裕亮さんを迎えます。

吉田くんは、去年の夏に所沢で行われた引込線で、blanClassから参加したアーティストの一人。そのあと、ステューデントアートマラソンにも参加して、blanClassでは少し顔なじみの人、だと思う。

彼の作品では、人の身体を、他の人の意思やその指示で、実験的に動かすパフォーマンスやインスタレーションが展開される。

どんな様子かというと、スマホがセットされたVRゴーグルを装着した人物に対して、吉田くんがそのスマホにテキストを送り、その人物の身体を動かすための指示を出す。ゴーグルをつけた人は、なるべくその指示に忠実に自分の身体を動かしてみる。

その実践では、一見すると支配的で暴力的な関係性を構築しているかのような、不気味な側面があるのだけれど、 実際は、言葉で言うほどうまくいかなくて、むしろ自分たちの中にある言葉に結びついた身体の動的イメージと、実際の身体動作とのちぐはぐさみたいなものが露わにされるような展開に、いつのまにか転がっていってしまう。

今回のイベントタイトルにあるルドヴィコ療法は、映画「時計じかけのオレンジ」の中で行われる人体実験のこと。これは、被験者に対してある特定の場面の映像だけを繰り返し見せ続けたり、同じ音楽を聞かせ続けたりすることで、ある種のトラウマ的な体験を植え付けるためのもの。

イベント当日は、どこまでその拘束性が再現されるのかは未知数で、少し不安ではあるのだけれど、先日収録したblanClass放送室では、参加者にとってのセラピー体験のようなことが起こりそうだとか、「健康」な状態について考えてみる機会になるかもしれない、といった話をしてくれた。

こう動くと思っていたら、全く違う動きだった、というようにたぶん今回も、言葉で言うほどそっくりそのままのことが起こるような展開にはならないかもしれない。
ぜひその場に来て、実証実験のプロセスを一緒に楽しんでみてほしい。

のもとなおき

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先日収録したblanClass放送室
2018/9/20/吉田裕亮/blanClass放送室

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★シリーズ SakSak #5
治療|吉田裕亮[ルドヴィコ療法的診断「カルテをとる」]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20180929/
https://www.facebook.com/events/1932113093494293/
 
ルドヴィコ療法というのは映画「時じかけのオレンジ」で行われた人体実験です。身体を拘束され、眼球を見開き固定された状態で残酷な映像を見ることで被験者の社会的復帰を目指した療法です。そのルドヴィコ療法をモデルにした診断を行いカルテを作成します。(吉田裕亮)

出演:吉田裕亮/企画:野本直輝

日程:2018年9月29日(土)
開場:18:30 開演:19:00
入場料:1.600円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

吉田 裕亮 Hiroaki YOSHIDA
1994年群馬県生まれ。主な発表に、2017 引込線2017(旧所沢市立第2学校給食センター/埼玉)2017 ステューデントアートマラソン vol.13(blanclass/神奈川)など。
HP:yosidahiroaki.tumblr.com

シリーズSakSakについて
SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)
https://saksak.localinfo.jp
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9月28日(金)杉田 敦 ナノスクール[How to be tolerant:寛容になるための方法 #4]

〈前回のナノスクールを振り返る 2018.7.27〉


寛容になるための方法、そして実践。前回のナノスクールは瞑想に挑戦しました。


瞑想にも様々な種類があり、ヒンドゥー教などで行われるヨーガなどが有名だが、ナノスクールではマインドフルネスという瞑想法を実践しました。マインドフルネスは「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれない状態で、ただ観ること」と説明されている。つまり今現在起こっている全経験に注意を向けるという心理過程を瞑想を通して行うというものである。


では具体的にマインドフルネスとは何か、杉田敦によって配られた実践方法を見ていこう。

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実践方法


「今この瞬間」に100%集中する+「ジャッジしない」


瞑想で浮かんでくる雑念や思考、感情に対して、判断をせずに、ありのまま観察する。瞑想を行うと様々な思考が浮かんできます。これら事態をジャッジせずに観察する。感じたことや思考に対して、考えるのではなく、「それが浮かんだな」「雑念が浮かんでるな」「音がするな」「集中できていないと思っているな」と、観察するのです。そして、また意識を「今この瞬間」に戻していきます。雑念、思考、感情が現れても、それに反射的に対応をせず、ありのまま観ていくことが大切です。


ステップ1 「調身」姿勢を整える
ステップ2 「調息」呼吸を整える
ステップ3 「調心」心を整える(マインドフルネス瞑想)


杉田敦 配布資料より)

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ステップ1「調身」は自分が一番ちょうどいいと思える体勢。ステップ2「調息」は自分の呼吸を意識する。そして、瞑想に入っていく。以上が実践方法である。毎月、重ねられていくであろう「寛容」への道はまだ始まったばかりだ。


9月のナノスクールはどんな実践が行われるのだろうか?


みやざわひびき


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月イチセッション
杉田 敦 ナノスクール《nano school #54》[How to be tolerant:寛容になるための方法 #4]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20180928/
https://www.facebook.com/events/1399541623510592/


あなたの横を、いかにも先を急いでいる男が通り抜けてゆく。肩にかけているバッグがあなたにあたる。あなたはすこしよろめいてしまう。男は気づいている。男は振り向かない。遠ざかりながら、男の舌打ちが聞こえてくる。あなたは怒りがこみ上げてくる。あなたに為すすべはない。


あなたはどうして怒ってしまったのだろう。男には先を急ぐ理由があり、あなたは少し男の行手を塞いでいたのだ。いや、男にはこれといった理由もなく、あなたは十分、身を寄せていたのだとしてもだ。あなたは怒る必要はない。あなたはあなたの貴重な人生の時間を、そんなことのために費やすべきではない。あなたはちょっとだけ肩をすくめて、なんなら、振り向いて、後ろの人と笑い合ったっていいはずだ。


数学や英語、歴史学社会学、そうしたものを学ぶのと同じように、わたしたちは寛容さを学ばなければならない。ナノ・スクールの第5期は、"How to be tolerant:寛容になるための方法"と名付けて、寛容について考えます。一年を通して、Fischli & Weissの"How to work better"のような標語を作成できたら素晴らしい。


※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2018年9月28日(金)18:30〜
参加費:1,500円/学生 \1,000円(要予約)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

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〈予約方法〉
ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
info@blanclass.com

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杉田 敦 Atsushi SUGITA

  • 美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に"critics coast"(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 "+journal" の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト"Picnic"も行っている。