7月6日(土) ミルク倉庫+ココナッツ[それらはしっかりと結ばれていて、さらに離れたキャビネットに閉じ込められていますーそれでも、物は動かされ、音楽は演奏されます。]

 

f:id:blanClass:20190701203825p:plain

今週土曜日のLive Artは、ミルク倉庫+ココナッツが初登場。メンバーの何人かは、これまで、出演してくれたり、お料理を作ってくれたり、電気工事をしてくれたりとblanClassに関わりもあったりするのですが、ミルク倉庫+ココナッツとしてちゃんとお呼びするのは初めてのこと。

 

今回のイベントは展示+トーク&パフォーマンス。先日まで京都総合博物館2019年度企画展「タイムライン|時間に触れるいくつかの方法」というグループ展に出品した作品と同名のタイトル「それらはしっかりと結ばれていて、さらに離れたキャビネットに閉じ込められていますーそれでも、物は動かされ、音楽は演奏されます。」となっている。

 

ということなので、先日強行軍で、京都に行ってまいりました。

 

タイムライン 時間に触れるためのいくつかの方法 - 京都大学総合博物館

 

展覧会は、井田照一という作家が1962年から2006年に亡くなるまで、日課のように制作し続けた版画作品《tantra》とともに大野綾子、加藤巧、𡈽方大、ミルク倉庫+ココナッツらの作品が並置されたもの。

 

井田照一の《tantra》という作品も独特だが、博物館で展開される美術展というあり方も独特で、常設の博物展示と体験としてはつながっていき、結果的に展覧会がテーマとするところの、捉えがたい「時間」という概念に対する珍しい接触の機会になった。

 

ミルク倉庫+ココナッツの作品は2つのものが置かれた台座が5つ並んでいて、それぞれの台座の後ろには、「変化の工程」、「履歴の中抜き」、「現象の伸縮」、「物質の置換」、「未来の先取り」という表題のついたダイアグラムが貼られているとうもの。

 

あんまり詳しく説明していくとネタバレになりそう? と言っても、ちゃんと説明できる自信はないけれど…。一見関係の遠そうな2つのものをつなぎ合わせる図式が展開され、時間の経過で変化を遂げるものものが見せるであろう様相を想起させる仕掛け?

 

そして、問題のパフォーマンスですが、タイトルにある「〜音楽は演奏されます。」の部分が実践されるということのようで、「変化の工程」、「履歴の中抜き」、「現象の伸縮」、「物質の置換」、「未来の先取り」のパフォーマンスへの転換が試されるようです。


今回のblanClassの展示では、その京都での展示が再現されるので、京都には行けなかったという人はぜひ遊びに来てください。

 

こばやしはるお

 

ーー

 

【blanClass放送室】
7/6(土) のゲスト、ミルク倉庫+ココナッツによるリハーサル中の様子です。当日は12時から展示、夜19時半から、パフォーマンスとトークが展開されます。この動画は音声なしですが、もちろん当日には全てが明らかに!! 京都大学総合博物館の「タイムライン」展をお見逃しの方も、ぜひこの機会に!!

 

2019/6/30/ミルク倉庫+ココナッツ/blanClass放送室


2019/6/30/mirukusouko + The Coconuts/blanClass Broadcasting


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

展示+トーク&パフォーマンスミルク倉庫+ココナッツ[それらはしっかりと結ばれていて、さらに離れたキャビネットに閉じ込められていますーそれでも、物は動かされ、音楽は演奏されます。]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190706/
https://www.facebook.com/events/1587033398142924/


複数の事物や事象を引き合わせ、相互に射像させることで、今まで潜んでいた関係性を暴くことを展示において試みます。

日程:2019年7月6日(土)
展示:12:00〜
トーク&パフォーマンス:19:30~
料金:1,500円(ドリンク別)/500円(展示のみ)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
---------------
ミルク倉庫+ココナッツ mirukusouko + The Coconuts
ミルク倉庫は2009年に結成し、2015年よりアーティストユニット・ココナッツが加わり、現在は7名でミルク倉庫+ココナッツとして活動している。メンバーは、宮崎直孝、松本直樹、梶原あずみ、篠崎英介、坂川弘太、西浜琢磨、瀧口博昭。メンバーそれぞれが、電子制御、映像、エディトリアルデザイン、土木系 技術、建築、音響、造園などの専門的な技能を有し、中世のギルドのように芸術家と技術者の線引きをしない組織形態になっている。2013−2016年、八丁堀にて「milkyeast」を運営。

主な個展に、「Chewing Machine チューイングマシーン」(2017/S.Y.P. art space)、「家計簿は火の車」(2016/3331 GALLERY)、主なグループ展に、「タイムライン − 時間に触れるいくつかの方法」(2019/京都大学総合博物館)、「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017 − 身体のゆくえ」(2017/岐阜県美術館)などがある。
http://milksouko.com

6月29日(土) ★★シリーズ SakSak#15 Aokid[Everything]

今週の土曜日はSakSak#15、ゲストはダンサーでアーティストのAokid。

 

blanClassでは、岸井大輔さんの上演シリーズでのゲスト出演があるけれど、ソロでの出演は実は初めてのAokid氏。

 

 

彼はダンサーだけれどその活動の幅がとても広くて、パフォーマンスのイベントを自分で企画したり、アーティストとして絵の展覧会を開いたり、デザインワークを手がけたり、様々なタイプのアーティストと積極的に関わりながらその活動を展開している。

 

僕自身も昨年、彼が行なっている「どうぶつえん」というイベントに呼んでもらってパフォーマンスをしたり、参加していた公演のトークゲストを彼にお願いしたりと、少しずつ交わる場が増えてきたこともあって、今回はSakSakで何かやってもらえないかと思い声をかけてみた。

 

 

今回のイベントは「Everything」ということで、それは言葉の意味通りに「すべてのもの」であって、そこには何か特定の「どれかではない」ということも含まれているから、きっと文字通りの「全部」というわけでもないのだろう、みたいな想像もできる。

 

唐突にそんなことを思ったのは、そういえばAokidが書く文章も独特だったなあということを思い出したから。

Aokidの文章は、読んでいるうちに勝手に頭の中でリズムが生まれて、読むというよりも見ている目から入って頭の中が踊らされるような感覚で、そういう振り付けみたいな文章だなぁと思ったことがある。

 

彼はダンサーだから自身も踊るけれど、姿勢としては「みんなもやろうよ!」というノリを常に示していて、見ている人にとってそれ自体が振り付けになる場もあれば、ならない場も当然あるよね、みたいなことを試しているように見えるから、文章も踊りも、その受け手の様子をいつも想像しているのかもしれない。

 

 

今回のイベントでどんなことを試すかはまだよくわからないけれど、開場時間が1時間半あって、その時間も結構重要な時間になりそうだとか。

ご興味ある方はぜひ、開場時間も含めた全てのものを、見に来て、遊んでいってほしいと思う。

 

野本直輝

 

----------

 

2019/6/22/Aokid/blanClassb放送室

Aokidとの放送室を公開しました。渋谷の雑音がうるさいですが、全部(Everything)を見てもらえると嬉しいです。AokidもEverythingしています。


2019/6/22/Aokid/blanClassbroadcasting

 

 

SakSak #15 Aokid

Everything|ダンス、遊び、全部

blanClass webページ http://blanclass.com/japanese/schedul...

facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/29395...

 

The day I want to do everything.

あの頃、友達と遊ぶ時にゲームもレゴも自由帳も外遊びもおやつも全部やりたい日があった。

あの日全部出来たっけ?どれくらい出来るかを改めて興奮とアイディアを持って集まったら始めたい。

 

出演:Aokid/企画:野本 直輝

日程:2019年6月29日(土)

   17:30 からOPENしています。

   19:00 START

料金:1,800円(1ドリンク付き)

会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

 

Aokid

アーティスト/ダンサー。東京造形大学映画専攻卒業後、ダンスカンパニーへの参加を経て現在の"Aokid city"などのプロジェクトを開始する。ドローイングやパフォーマンス作品の制作、発表の他、積極的にイベントなどの場所や時間の作り方を模索している。

http://ninjaaokid16.wixsite.com/aokid

 

SakSak

SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)

https://saksak.localinfo.jp

 

6月22日(土)神村 恵[彼女は30分前にはここにいた。]

f:id:blanClass:20190617150934p:plain
 
今週土曜日のLive Artは神村恵によるソロダンス。
 
神村さんはblanClassには、高嶋晋一さんとのユニット「前後」の一員として作品の発表や週イチセッションの講師としても参加していただいていたり、blanClassでの発表こそなかったけれど、津田道子さんとのユニット「乳歯」では、何度かここで稽古をしていたりするので、ちょっと意外なのですが、実はblanClassでのソロ出演は初めてです。
 
ご自身も最近はコラボレーションが多かったようで、久しぶりのソロダンス。
 
放送室でのプレトークでもお話ししたのですが、誰かとコラボレーションをする際には、どちらかというとボケ役を買って出ていたそうで、ツッコミがいない状態では、ボケって成り立たないと実感するそう。
 
そうかもしれない。ツッコミこそ独りでは無理と思ってしまうが、独り言って、ツッコミっぽい。
 
とはいえ、そうやすやすとはツッコミには転じない神村さん。自然の営みをツッコミ代わりに、あるいはもう一人の自分だってツッコミ要員にかり出して、どうにかボケが成立するような状況づくりに挑戦します。
 
「ボケというのは、観客も含めて、あらかじめ共有される、ある種正常な状況の中で、奇異な態度や発言を投げ出していくこと」というような意味のことを神村さんは言っていたけれど、そういうことで、ダンスらしきものが立ち上がっていくのかしら?
 
日没していく1時間ぐらいのシチュエーションで、ストリートのように外の変化に対峙しつつ、舞台上にふっと消えてしまうような瞬間が生まれそうな期待をしてしまいます。
 
窓のあるblanClassならではの公演でもあるので、ぜひぜひお運びください。
 
 
こばやしはるお
 
——
 
【blanClass放送室】

6/22(土)のゲスト神村 恵さんとお話をしました。ソロでの発表は久しぶりということで、ユニットでの制作とは違う状況や関係の作り方などのお話を伺いました。

2019/6/12/神村 恵/blanClass放送室


2019/6/12/Megumi KAMIMURA/blanClass Broadcasting

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
ダンス|神村 恵[彼女は30分前にはここにいた。]
日が最も長くなる時期、日没前後の時間にダンスをおこないます。
境目の時間に、何が消え、何が浮かび上がるのか。
人だけではなく、太陽や影や床やものや思考や騒音なども踊ることになるでしょう。
 
 
日程:2019年6月22日(土)
18:20頃ー19:20頃(日没前後)
入場料:2,300円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
---------------
神村 恵 Megumi KAMIMURA 振付家/ダンサー
2004年より、国内外の様々な場所にて公演を行う。2016年より美術家・津田道子とのユニット「乳歯」を始動。物質としての身体、言語によって切り取られる身体、他者との関係によって動かされる身体など、身体を様々な側面から観察する。

6月16日(日)矢内原充志/中村兼也/河ノ剛史[スワッピングデイ SWAPPING-DAY]

 

f:id:blanClass:20190610152803p:plain

 
今週土曜日のLive Artは矢内原充志が2011年以来の登場!!
 
今回は中村兼也(ヘアメイク)、河ノ剛史(ビジュアル)も加わり、参加者と共に、ガチで女装をしてみようというワークショップ。
 
前回の矢内原充志イベントは「箪笥ショー」と題して、自身が子供の頃に2人の姉たちと友人や親戚の家にある箪笥の中身をひっくり返して熱狂したファッションショー? を再現したようなイベントだった。
 
その子供の頃に興じた洋服との戯れが現在の充志くんのクリエイティビティーの源泉だったのかもしれないが、今回はもう少し突っ込んで、自身のジェンダーやソーシャルイメージを飛び越えたメイクやファッションに挑戦しようというもの。
 
ファッションはとっくに多様だし、どんな格好も自由自在に、それこそTPOに合わせて、ハイセンスに飛び越えられるはず…。なんて頭の中では思っているけれど、実際のところ、あんまり派手な格好なんかしたらドン引きされて「なんかイメージが違う」とか、いちいちチェックされちゃうから、とやかく言われるたびにちょっとずつ、おとなしめの格好にスライドして、いつの間にかアースカラー専門の地味ーなワードローブ着て、できるだけ静かに振る舞うようになってしまった今日この頃…。
 
そんな人は少なくないはず。
 
放送室のプレトークでは、充志くんいわく「そもそもそれぞれ人間は多面的に外側に顔を持っているはずなのに、どれか一つだけの顔(面)だけを、例えばSNSのようなメディアを使って肥大させっていくような現在の状況がとても不健康だ」。
 
なるほど、誰もが見せたい部分だけを見せることができる装置があるから、意識してか無意識なのか、自分自身がそのイメージに縛られてしまうようなことが起きているかもしれない。
 
それが昔のタレントのようなイメージだけかというと、例えば、社会的に責任を伴うようなお方いイメージでも、同じ仕掛けで肥大化してしまっているかもしれない。
 
そんないびつな多面体を本来の曖昧で、自由な形にほぐしてみようというのが、今回のガチ女装の意図。できるけど、そうそうできないガチメイク。ストレートの男性でなくても、あまり経験のない人が多いのでは?
 
というわけで、男性でなくても、お父さんでなくてもガチメイクしてドレスアップできます。
 
 
自分がメイクするのはちょっと…という人も、観覧するだけでもOKです。その場合は、思い切って無料でどうぞ…。
 
 
こばやしはるお
 
——
 
【blanClass放送室】

6月16日・父の日のゲスト、矢内原充志さんが運営する有限会社スタジオニブロールのアトリエに伺って、今回のイベントについて、お話ししました。

 

 2019/6/6/矢内原充志/blanClass放送室


2019/6/6/Mitsushi YANAIHARA/blanClass Broadcasting

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
ワークショップ
矢内原充志(ファッション)/中村兼也(ヘアメイク)/河ノ剛史(ビジュアル)
[スワッピングデイ SWAPPING-DAY]
~父の日は男子と女子とその間の全てを混ぜる日にしたい~
僕たちは、ちょっと気が緩むと、都市に直線を求め、その慰めに植物を置く。
曖昧な有機体で当然なのに、何かの型に入れて存在を固めようとする。
直線に飼い慣らされないために、去勢されないために、いつも自分を疑っていなければいけない。
境界はどこまでもグラデーションで、いつも時間とともに揺らいでいるものだ。
6月16日、令和元年、父の日は男が本気で女装をする日にしたらどうかと急に思った。
当然、逆も中間もなんでもありよ。
 
 
日時:2019年6月16日(父の日)
13時くらいから話し合い 15時くらいから着替え&メイク 17時くらいから順次撮影 19時くらいからパーティー(集合写真) 21時に解散。
参加費:3,000円(女装費込み)
定員:15名程度
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
---------------
矢内原充志 Mitsushi YANAIHARA
1975年生まれ。愛媛県今治市出身。桑沢デザイン研究所卒業。1997年~2011年国際的に活躍するパフォーミングアート・グループ「ニブロール」のディレクター・衣装担当として活動。
平行して、2002年~2009年「Nibroll about Street」名義で東京コレクションを発表。東日本大震災を受けてこれまでの表現活動を見直し、2011年からリアルクローズのメンズブランド「Mitsushi Yanaihara」を始動。2012tokyo新人デザイナーファッション大賞プロ部門選出。
また衣装家として海外を中心に活動しながら、国内では様々なプロジェクトのアートディレクションを手がけている。有限会社スタジオニブロールCEO。桑沢デザイン研究所非常勤講師。
 

6月8日(土) ★★シリーズ SakSak#14 小山 渉[Phantasma / みえてくるもの]

今週の土曜日、6月8日はSakSak#14、ゲストにアーティストの小山渉さんをお迎えします。

 

blanClassでは初登場の小山さん、僕は彼の卒業制作くらいから、なんだかんだいろいろと作品を見てきて、先日、北千住のBUoYで行われた彼の個展も見に行ってみた。

そこでは、大学の卒業制作から新作の映像や写真など、いくつかの作品を時系列的に配置したインスタレーションを発表していた。

 

彼の制作の中心的なテーマは「幽霊」なのだけど、それは彼自身が中学校の3年間をほぼ全て不登校で過ごした中で、たった1日だけ学校に行ってみた日の経験と結びついている。

久しぶりに学校へ行ってみたら、周りの人からは自分が見えているの?というくらい、ふわふわした存在のような自分が、幽霊になったかのようだったらしい。

実際には、周りの人から見た彼の姿や存在が、どう認識されたか分からないにも関わらず、彼が、自分で自分のことを幽霊だと思ってしまったところが、面白いところ。

 

今回のイベントでは、「洞窟の比喩」をモチーフにした参加型のパフォーマンスを予定している。

「洞窟の比喩」とは、プラトンイデア論を説明する際に用いた比喩の一つで、それは洞窟の奥で壁を見続けるように身体が拘束された状態の人、その反対側には火、その中間に火の灯りを利用して壁に影を作り出す人物がいる。拘束された人は映し出された影を見続け、その影が世界の実体だと思い込んでいる、という感じ。

彼が中学校で「幽霊」になったときの話を、この洞窟の比喩に当てはめてみると、火、影を操る人物、拘束された人々、壁に映し出される影のそれぞれが別々の何かというより、この4つの役割全部が彼の中でループしていて、幽霊の影を自分に投影しているようにも見えてくる。幽霊の影ってなんだろう。

 

イベントは参加型ということなので、比喩の中の、火、影を操る人物、拘束された人々、壁に映し出される影のそれぞれに、今度は役割を振ってみて、複数の人で何かやってみる、という感じなのだろうか。

もちろん、その様子をさらに外側から捉える目も必要で、それぞれの場所から見える影の形も違うはず。

実も像も影も、なるべく複数の視点から見届けたいので、少しでも興味のある方はぜひご参加ください。

 

野本直輝

 

---------------

2019/5/31/小山 渉/blanClass放送室

ゲストの小山渉さんとのblanClass放送室も公開しました。blanClassには初出演の小山さんに、制作の中で大きなテーマになっている「幽霊」的な経験談から、最近発表した作品、そして今回のパフォーマンスについて、いろいろお話ししてもらいました。


2019/5/31/Wataru KOYAMA/blanClassbroadcasting

 

---------------

SakSak #14 小山 渉

Phantasma / みえてくるもの|参加型パフォーマンス

blanClass webページ http://blanclass.com/japanese/schedule/20190608/
facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/438650620046196/

 

暗い洞窟、火の揺らめき、前方のみを見続ける囚われた人々、影によって作り出されるイメージ、イメージを操作する者…

私はこれらの要素を含んだプラトンの”洞窟の比喩”に、実際のイデアにまつわる内容よりも、そのイメージ自体に強く惹かれてきました。

今回はそうした“洞窟の比喩”をモチーフに“みえてくるもの”を探ってみようと思います。

 

出演:小山 渉/企画:野本 直輝

日程:2019年6月8日(土)

開場:18:00 開演:18:30

料金:1,000円+投げ銭

会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

---------------

小山 渉 WATARU KOYAMA
1992年東京都生まれ。2016年東京造形大学卒業。
主な展示に”Untouchable”(北千住BUoY 2019)、 ”作品を「飾る」#1 ”( 相模原SOS@相原スタジオ 2018)、”Escape”(アートセンターオンゴーイング 2018)など。
https://watarukoyama.jimdo.com

SakSak
SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)
https://saksak.localinfo.jp
---------------

コミュニティに代わるもの(2019_6-7)

f:id:blanClass:20190529182347p:plain

 

先日、あるアーティストと話していたら、「ブランクラスはコミュニティだと思っていた」といわれた。そういえば、以前から何人かのアーティストに同じような問いかけや指摘をされたことがあるのだけれど、私としてはblanClassの活動を「コミュニティ」だと思ったことはない。

 

あるいは、私自身が集団に帰属することが苦手すぎるので、目の前に「コミュニティ」なるものが現れたら、一目散に逃げてしまうかもしれない。

 

みんながいっている「コミュニティ」というのが、旧来の村的な「コミュニティ」を意味するわけではなく、もう少し軽いつながりのことを指しているのはわかっているし、人が集まる「場」をつくることを意識して運営をしてきたので、ここからコミュニティ的なつながりが生まれてくることに抵抗があるわけではないのだが、単一の「コミュニティ」が生まれることを望んでいたわけでもない。

 

blanClassは、アートに限らず、形式やジャンルがどんどん細分化され、共有できるはずの問題意識が、それぞれのセクトを超えて擦り合わされず、すれ違ってしまっていることへの危機感から、いろいろなバックグラウンドを持った人々が、まざり合ったら良いと思って運営してきた。だから、どちらかというと同時多発にいくつもの関係が生まれるようなイメージを持っていた。

 

それはネット上にいる「管理人」的な役割に近いイメージ。そこに私が介入してはいけないのでは? とさえ思ってきた。そのせいで、そっけない態度に見えることもあっただろうし、側から見ると閉じているように見えたかもしれない。

 

blanClassで起こった、答えが見えないような問題に対して、アーティストたちの作品には至らない、しかし切実な試みのことを「友達以上、作品未満」と表現したことがあった。「作品未満」というところに比重を置いたフレーズだったが、ダジャレのように手前に置いた「友達以上」にも、馴れ合いではない大人の関係への期待が込められていた。

 

現実の「場」はとても小さくて、どこからも近いところではないので、blanClassが当初理想としていた「場」になったかどうか、未だはっきりとはしないけれど、その時々に確かに個人と個人のやり取りはあった。その意味においは、思っている以上に面白いことが起こっていたような気もする。そんな「コミュニティ」には決して回収され得ない、個人に根ざしたそれぞれの関係は、これからもきっとそれぞれに一人歩きしていくと思う。

 

小林晴夫(2019.6-7 チラシ掲載)

5月26日(日) ★★シリーズ SakSak#13 米澤 一平[他人との対話→"TAP"を通じて→自己との対話に潜る]

今週の土曜日、SakSak#13はタップダンサーの米澤一平さんをゲストにお迎えします。

 

米澤さんは、タップダンスを軸に、様々なダンサーやアーティストとのコラボレーションを積極的に行なっていて、僕も今年の2月に、米澤さんと、ダンサーの西山友貴さんと一緒に3人で、ダンス、パフォーマンス、トーク、などを織り交ぜた公演のようなものに参加し、初共演したのだけれど、これも米澤さんからのお声がけを受けて実現したイベントだった。

 

また新宿は四谷にある、綜合藝術茶房喫茶茶会記で続けている「In The Zone」シリーズでは、作品としての完成度をひとまず無視して、その日の共演者や観客などの場の反応も含めた、実験的なセッション企画を展開している。

 

そんな、誰かと一緒に場を作るのが得意な米澤さんに、ソロで何かやってもらえませんか?というお願いをしてみた。

 

出てきたアイデアは、集まったお客さんと米澤さんが1対1で対話をして、その対話を基に米澤さんがタップダンスを踊るというもの。1回の対話に参加できる人数は1-2人程度で、その他の人は観客としてその様子を見ることができる。

公演時間は1回/1時間で、その中で対話とパフォーマンス、パフォーマンス後にも米澤さんとお客さんとで少しお話しする時間を設けるかも?で、13時からの毎時1回、計8回公演で、20時からの回が最終公演になる予定。

 

 

少し飛ぶけれど、ゆるいながらもこんな企画や活動を続けていると、ダンサーやアーティストなど、ある意味で独立した個人、という強い意思を持って活動している人と関わる機会が増えてくるのは当然で、自分自身もその内側の一人として励まされる部分がある。ただそういう、アーティストが持っている欲求や主張みたいなものだけが時に独り歩きしてしまう場面にも直面する。

もともと、閉じることが何かを作ることの条件だったりもするから、独り歩きすることはアーティストの性格的な部分が大きいのだろうけれど。

 

かといって、「共有」とか「多様性」とか、あまり簡単に分かったふうなポーズだけを示されるのには、もっとうんざりする。

そんなに簡単に物事は測れないはずだから、分かったふりをするよりも、知らないことを楽しむくらいが丁度いい。

 

たぶん今回のイベントはそんなような、なるべく寛容で、知らなかったことを楽しめるような場として、米澤さんは準備しているのかもしれない。

いずれにしても、会話を基にタップを踊ってもらえることなんてそうそうあることではないのだろうから、興味がある人にはぜひ足を運んでみてほしい。

 

野本直輝

 

---------

先日収録した放送室も合わせてご覧ください。

妙なアングルからの映像ですが、また野本が一人で喋ります。米澤さんも色々な意味で、常に映像に出てきてはいますが、最後まで見て、聞いてもらえると良いと思います。

2019/5/15/米澤一平/blanClass放送室


2019/5/15/Ippei YONEZAWA/blanClass broadcasting

---------

SakSak#13 米澤 一平

他人との対話→"TAP"を通じて→自己との対話に潜る|対話、パフォーマンス、音

blanClass webページ http://blanclass.com/japanese/schedul...

facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/22908...

 

はじめまして、米澤一平です。あなたとわたしとで40分間じっくり対話しましょう。さいごにあなたとの間で生まれた思いや感覚をわたしが"TAPの音"にします。わたしを見て、聴いて、"あなた自身"を見つめるような不思議で素敵な時間をお届けします。

 

出演:米澤 一平/企画:野本 直輝

日程:2019年5月26日(日)

開場:12:30 開演:13:00

13:00- ②14:00- ③15:00- ④16:00-

17:00- ⑥18:00- ⑦19:00- ⑧20:00-

★各回60分の公演が9回行われます。ご入場後の出入り自由、複数回の公演を自由に見ることができます。

参加される方はお好きな飲み物、軽食をご持参下さい。

入場料:1,000円(ドリンク別)+投げ銭

会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

---------------

米澤 一平 Ippei YONEZAWA

"足で地面をTAPして音を鳴らす"という行為に着目した独自の視点を交えた活動をする。アートやパフォーマンスとTAPDANCEとのクロッシングを試み、音楽、歌、ダンス、コミュニケーション、感情表現、TAPから生まれる様々な対話の可能性を探る。

https://www.facebook.com/ichi.yone.1

 

SakSak

SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)

https://saksak.localinfo.jp

---------------