8月17日(土)大道寺梨乃[朝と小さな夜たち]

 

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夏休み明け第1弾、今週土曜日のLive Artは、大道寺梨乃が2度目の登場!
 
前回2016年11月にblanClassで発表した「これはすごいすごい秋」のとき
のコラムに…
 
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「すごい秋」というのは、大騒ぎした夏のお釣りで、秋には人生を一変させるようなことが起こるという、大道寺さんが彼女の周辺を眺めた実感が現れているのだそうだ。フライヤーに載っている序文にも「なつかしい未来のおはなし」と書いてあるけれど、予期せぬ未来の予兆が秋には棲んでいるのかもしれない。
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と、書いたのだけれど、実はその公演の時、お腹には赤ちゃんがいた。
 
本当に直前に、相談をされ、あまり無理をしないようにやりましょうというお話をしたのを覚えている。やっぱり「秋」はすごいのかもしれない。
 
そのあと彼女は旦那さんのエウジェニオとイタリアに帰り、1年弱してから生まれた女の子に「朝」という名をつけたのだそう。
 
今回の作品はその「朝」という娘に毎日歌って聞かせる日本語の歌のお話だ。
 
前回の作品は大道寺さんと大道寺さんの周りで起こる時系列では並び直せないような、いろいろなことをひとつながりのもののように綴ったような作品だったけれど、今回の作品は日本語とイタリア語と彼女とその娘との間で芽生えたそう簡単にはときほぐさないように絡まった関係についてのお話のようです。
 
だいぶ予約がいっぱいになってきましたが、まだ多少空きがあります。ご予約を希望される方はご相談ください。
 
 

こばやしはるお

 

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【blanClass放送室】
 
8/17のゲスト、大道寺梨乃さんと新作[朝と小さな夜たち]についてお話をお聞きしました。今作品はイタリアで制作、イタリア語で発表したパフォーマンスですが、ブランクラスでのバージョンは日本語が加わり、改変版になっております。
 
2019/8/8/大道寺梨乃/blanClass放送室
 
 
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パフォーマンス|大道寺梨乃[朝と小さな夜たち]
 
ちょうど2年前にこのイタリアの小さな街でママになった時、とても嬉しかったけどいろいろ不安にもなった。この小さな街でひとりきりで、どうやってこの子にわたしの母国語や自分の国のことを伝えたらいいのか? わからなかったから。しかも自分は日本人だからといって日本語や日本のことをなんでも全て知ってるわけじゃないし、むしろ寿司だってべつに握れない。だからわたしは日本語の子供の歌を毎日歌うことに決めたのだった、朝から晩まで、彼女のために。この「朝と小さな夜たち」は北イタリアのチェゼーナという小さな街で2019年の5月に発表された小さなパフォーマンスで、その街に暮らすわたしと、この街で生まれた娘の朝に毎日歌う、歌についてのお話です。(パフォーマンスはイタリア語と日本語で行われます)
 
日時:2019年8月17日(土)
開場:17:30 開演:18:00 
参加費:2,000円(要予約・ワンドリンク付)
定員:30名程度
言語:イタリア語 & 日本語
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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予約方法:以下の内容でイベント前日までに以下のアドレスに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉大道寺梨乃[朝と小さな夜たち]予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
〈アドレス〉 info@blanclass.com
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アクセス【井土ケ谷駅はエアポート急行も止まります!!
京浜急行井土ヶ谷駅横浜駅から下りエアポート急行で2つ目(約8分)、普通で5つ目(約11分)
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大道寺 梨乃 Rino DAIDOJI
1982年6月4日東京生まれ。俳優。劇団快快の創立メンバー。主な作品に「これはすごいすごい秋」等。自身や身の回りの人々の日常からつながる現代のファンタジーを軽やかに物語にし自身の体でリアリティーを持って表現する事に挑戦している。日本とイタリアを拠点に活動。 

オルタナティブであり続けたい(2019_8-9)

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blanClassはプレファブリックな建物。屋根も壁もとても薄く、猛暑日は冷房がほとんど効かないくらい暑くなるので、2012年から8月は夏季休業を取るのが恒例だったが、今年の10月は10周年記念とクロージング関係のイベントが中心なので、通常のイベントが9月だけでは収まりきらなくなり、久しぶりに8月も開けることにした。なので、このチラシは8月と9月分、10月分はあらためてということになった。

ちなみに10月最後のイベントは10周年記念イベントではなく、「ステューデントアートマラソン」の予定。このチラシを作成をしている現在、そろそろ応募の〆切が迫ってきているが、まだ応募者はちらほら…、でもまあ、ギリギリになってもなかなか埋まらないないのは毎度のこと、また今回も土壇場でジタバタするかもしれない。

(案の定、現在、追加募集中です。スチューデントアートマラソンvol.15の参加者を追加募集します! → http://blanclass.com/japanese/schedule/20191026_want_ad/

なぜラストイベントを「ステューデントアートマラソン」にしたかというと、ある意味で最もblanClassらしいイベントだと思ったから。そもそもこのステューデントイベントは、いろいろな教育の場で、なにかしら表現を始めてはみたけれど、自分の所属する専攻とマッチングがあわなかったり、卒業後、社会にすでにある、どういう専門にも、どんな領域にも、いかなる職場にも、ハマらないような気がする…。そんなステューデントたちが、一度今自分がいる場所から離れて、一息つけるような場をつくりたいという思惑があって始めた企画。

いまあらためて考えてみると、それは「ステューデントアートマラソン」だけのコンセプトというより、blanClass全体の運営理念でもあったと思う。

私は、いつの世も既存のどんなジャンルからもはみ出している表現や発言こそが「アート」なのだと信じているところがあって、意識的にそう主張してきたのだが、どんなジャンルからもはみ出しているという のは、端から見るととてもわかりにくい。その上その状態をキープするというのは至難の技、良くも悪くもどこかしらに収まってくるもの。そうなると 「アート」だということ自体に矛盾を感じる。

その昔大先輩に「お前に立つ瀬なんてねぇんだよ」といい捨てられたことがある。オルタナティブでアートな環境で育ってしまった私が、どんなに相反するような価値観にでも一定の共感を示すくせに、いちいち反発する様子を見て放たれた喝だった。その時の私は特別悪いことをしたわけでもなく「拠って立つ処がない」といった方が正解だった気もする。それがトラウマになったということもないけれど、未だどこにいてもアウェー感が拭えない。最近ではホームなはずのblanClassにいてさえ、浮いている気がする。

普通に考えたら、どんな活動でも、活動を進めていくうち、成熟というのか、主流になっていきたいと思うべきなのかもしれない。でも私の場合、どうしたってオルタナティブであり続けたいと願ってしまう。それって、確かに拠って立つ処が得られないということ。もうひとつというより、幼い選択なのかもしれない。                        

それでもどこかに収まることで、いろいろなものが失われてしまうことに納得がいかない。結局は10年を機に思い切ってリセットすることにした。そのリセットは「これでお終い」ではなく、これまで担った役割とは違うなにかの始まりであればと願っている。

 

小林晴夫(2019.8-9 チラシ掲載)

夏季休業のお知らせ

 
 
残暑お見舞い申し上げます
 
blanClassは、8月16日(金) まで、お休みさせていただきます。
 
次回のイベントは、
 
8月17日(土)大道寺梨乃[朝と小さな夜たち]
 
を予定しています。
 
 
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今後のLive Art
 
8月17日(土)大道寺梨乃[朝と小さな夜たち](要予約)
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190817/
https://www.facebook.com/events/653924028409112/
 
8月24日(土)田中功起Netflix向けでもし撮影するときに僕がプランすること]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190824/
https://www.facebook.com/events/2310363275845769/
 
8月31日(土)・9月1日(日)O,1、2人(外島貴幸+吉田正幸)[井田田回回田田土]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190831-0901/
https://www.facebook.com/events/856495114725300/
 
9月7日(土)few phew pur(フュー ヒュー ピュー)高山玲子+前澤秀登+新美太基+一野篤[ハイツ高山 ー エンドゲーム ー]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190907/
https://www.facebook.com/events/1101466266693816/
 
9月14日(土)武本拓也[人の前に立つ事を、例えば狩りを手がかりに考えてみる]★★SakSak #16
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190914/
https://www.facebook.com/events/2266108830308497/
 
 
 
9月28日(土)森田浩彰[先輩に学ぶミドルライフ·クライシス]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190928/
https://www.facebook.com/events/334484754161044/

7月28日(日)ASSEMBLIES(アッセンブリーズ)

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今週の日曜日は久々の開催「アッセンブリーズ」!!  

日頃、いろいろと考えを巡らせている中で、ふと組み上がってしまった、一塊のアイデア、作品やら企画やらに育て上げるには、もう一手間かかったり、もう一つ自分が手掛けるにはモチベーションが足りなかったり、もしかすると自分以外の人の仕事に組み込んだ方がより有効に働くかもしれないような、なかなか日の目を見ない無数の埋もれたアイデア群のことのことを「アッセンブリーズ」と呼んでいます。

そんなもったいない「アッセンブリーズ」を持ち寄って、日曜日の午後(そろそろ梅雨も明けていると良いのですが…)、お茶など飲みながら、ゆるゆるとアイデアを交換するのが目的のイベントです。

昨年の12月に行われた前回のスペシャル回では、普段より多くのプレゼンターたちが会場に集まり、それぞれとっておきの「アッセンブリーズ」をプレゼンし、盛り上がりました。

今回は通常の「アッセンブリーズ」に戻りますが、料金が投げ銭制になったことと、[13:00ー:お昼ご飯、15:00ー17:00:コアタイムと、少しだけタイムスケジュールが変わりました。お昼ご飯からの参加でも、コアタイムからの参加でも、ご都合に合わせてご参加ください。

もちろん、持ち込み「アッセンブリーズ」も大歓迎です。
 
 

こばやしはるお

 

【blanClass放送室】
この放送室は昨年の9月に開催したASSEMBLIES(アッセンブリーズ)のために収録した放送室です。ASSEMBLIESの中心メンバーの一人、吉田和貴さんにアッセンブリーズというイベントの目的、目指すところをお話ししてもらっています。
 
2018/9/21/アッセンブリーズ/blanClass放送室(昨年収録)


2018/9/21/Assemblies/blanClass broadcasting

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ASSEMBLIES(アッセンブリーズ)

ASSEMBLIES(アッセンブリーズ)は、参加者が各々の関心やアイディアを持ち寄る不定期の集まりです。参加するアーティストやキュレーターは、興味のあるトピックや作品、調査資料について、展示、パフォーマンス、対話など参加者自身がふさわしいと思う形式で来場者にプレゼンテーションします。
ASSEMBLIESでは、発想そのものを汎用に開いていくためのいとぐちとして実践し、対話や協働をとおした意図の転換や外部との連動によって与えられるその新しいファンクションを模索します。
 
出品:後藤桜子/吉田和貴/村上滋郎 ほか
 
日時:2019年7月28日(日)
13:00ー19:00 投げ銭
[13:00ー:お昼ご飯、15:00ー17:00:コアタイム
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看
板がある細い段々を上がって右の建物2階

7月25日(木)ー 27日(土)隅石有覽[耳をすまして、匂いをかぐ。その時、目に映るものは。]

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今週土曜日のLive Artは、写真家の隅石有覧が初登場。
 
7/25(木)〜27(土)の展示と、最終日の19:30からスライドショーを開催します。
 
隅石有覧氏は、blanClassではアッセンブリーズで、長年撮り続けている一、見とりとめのない日々のスナップなどを見せてもらったことがきっかけで、今回のイベントをお願いすることになったのだが、発表は久しぶりとのこと。
 
プロフィールでは、1999年より「埋まっていく記憶」と「行き違う共感」をテーマに制作を続けると書かれているが、特に写真や映像の作品を手がけている。
お話を聞いていると、カメラを持って日々の断面を記録、シャッターを切っていくことが、日課のようであり、また、それらの映像に再び触れることが、そこでの、より感覚に近いところでの経験の記録装置となっているという。
 
感覚の記憶は、撮られたイメージの中だけに封印されているというわけではなく、撮影行為自体が、記憶を閉じ込める引き金になっているらしい。その些細な感覚を取りこぼさないように、日々の撮影行為が続く…。
 
結果、大量になっていく、それらの写真や動画はインデックスもされず、もう一度眺めることさえ難しくなってくるだろう。ただ写真を眺めるだけの場所があって、無尽蔵に時間があって、いつまでも眺めていることができたなら、撮られたイメージにっとって、またしまっておいた彼の感覚にとって、一番幸福なことなのだろう。
 
それでも、彼が彼のためだけにある時間や場所であったらもったいないので、今回はそうして撮り溜めた写真や動画の(あくまでも一部を展示して、彼自身の頭と身体と撮影行為と映像と…の間に起こっていることを、展示やスラドショーをすることで、観客に開いてみようという試み。
 
開かれ解凍される記憶や感覚が、それを経験していないものたちにとって、どんな化学変化をもたらすのだろうか? 
 
 
こばやしはるお
 
 
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【blanClass放送室】

今回の放送室は、川島剛さん(「写真を眺めるスタイドショー」企画)をお招きして、7/25(木)ー 7/27(土)のゲスト隅石有覧さんの写真、「記録することの執着」についてお話ししました。

 

2019/7/3/隅石有覧+川島剛/blanClass放送室


2019/7/3/Aran SUMIISHI + Go KAWASHIMA/blanClass Broadcasting



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写真/インスタレーション/スライドショー|
隅石有覽[耳をすまして、匂いをかぐ。その時、目に映るものは。]
写真を撮った瞬間のことは、不思議と忘れない。
正確に言えば、脈絡のある記憶として憶えているのではなく、感覚だけを憶えている。
その時の匂いや湿度、暑かったとか疲れていたとか。
主に鼻の奥の方で、そのことを感じる。
 
インスタレーション:2019年7月25日(木)ー 27日(土)13:00ー21:00(土曜日のみ19:00まで)
入場無料
 
スライドショー:2019年7月27日(土)19:30ー21:30
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
 
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
 
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隅石有覽 Aran SUMIISHI
1999年より、「埋まっていく記憶」と「行き違う共感」をテーマに制作を続ける。

7月20日(土)藤川琢史[どうにも手をつけられないので、このままキッチンで食べることにする。]

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今週土曜日のLive Artは藤川琢史が2016年以来、3度目の登場!
 
展覧会の準備をしているであろう誰かが、目の前になにもものがない状態にメジャーを当てて測ってるところを目撃したところから始まったシリーズ。blanClassではパフォーマンスとして展開してきた。
 
最初に出演した2013年の発表では、数人の協力者とともに、パフォーマンスをした。まずは前述のように、目の前にはまだないなにかをメジャーを使って測っている行為がある。パフォーマンスとしてこの行為を見れば、例えばダンスの振り付けのように、もともとの意味が剥がれた行為のようにも見える。けれども同じ動きを街中や展覧会の準備中などにその動きを見たとしたら、きっと彼ら彼女らの頭の中には、具体的な対象が想像されているのかもしれない。などと想っていると、観客からは仕切られて見えにくい場所に陣取った藤川が対面の女性に今回のパフォーマンスの準備からの経緯とその苦悩を語り出す。先ほどの「測る人」にあった図式を今回のイベントを準備する自分と結びつけて、たどり着きべき到達点のイメージすら不在の中で、何かしらを図るように感があぐねる様そのものを見せるというパフォーマンスだった。
 
2013.11.12 藤川琢史[scales(仮)]
 
2016年の2回目の発表では、今度は自分だけではなく、来場者たちと一人一人と向き合って、頼りない条件の中で、「現在いる部屋になにかものが置いてある状態を想定して、この場所に向き合ってください」などの無理難題を投げかけて対話を進めて、自分が置かれた状況に取り込むようにして、寄る辺なき、またピンボケのイメージをも共有しようという試みか?
 
2016.3.26 藤川琢史[5…10…20…30…36…43]
 
どちらにしても、彼のパフォーマンスは、なかなか本編が始まらない。といってなにもしないわけではなく、なにかしらは行われるのだが、モヤモヤと行き場がない。そもそもの発端のイメージが「測る人」の頭の中にしかなく、見る人からは空気でしかないのだから。簡単にそこに居合わせた人たちがみんな同じイメージを共有してしまうことにも疑問を感じているからなのだろう。
 
藤川琢史の作品は、なかなか始まらない上に、なかなか終わらないのだ。
 
そして今回は、藤川パフォーマンス3部作品の完結編か? いや、非完結作品か…?
 
タイトルや紹介文を見ると、例えば引越しの後、うず高く積み上げられたダンボール箱の壁の中で、身動きができない状態で、片づけるでもなく、とりあえず生活を続行するような状況について、書かれているようだ。
 
ある状況からある状況へ移行する、そのちょうど真ん中で、少しの間立ち止まった時、頭の中をいろいろなイメージがぐるぐる回っている状態を、内から眺めるのか? それとも外から眺めて想像するのか? 今回もきっと独特な雰囲気のパフォーマンスが見られるだろう。
 
 
 
こばやしはるお
 
 
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【blanClass放送室】

7/20(土)のゲスト藤川琢史さんと東京都現美の隣の公園でお話ししました。blanClassでの藤川作品は、行動の手前で立ち止まり考えあぐねる様をテーマに展開してきました。今回は3部作完結編? いや非完結編か?

2019/7/15/藤川琢史/blanClass放送室


2019/7/15/Takashi FUJIKAWA/blanClass Broadcasting

 

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パフォーマンス|藤川琢史[どうにも手をつけられないので、このままキッチンで食べることにする。]
 
片付ける荷物が背の高さを超えて山積みになっている。
奥の方にあるテーブルの上も既に雑多な物でいっぱいなので今日はそのままにして、今日もこのままここで食べることにする。
 
日程:2019年7月20日(土)
開場:19:00 開演:19:30
入場料:1,800円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階
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藤川 琢史 Takashi FUJIKAWA
1987年生まれ。東京造形大学美術学部絵画領域専攻卒業。近年の主な発表に「Hypopharynx」(krautraum、東京、2018)、「5…10…20…30…36…43」(blanClass、神奈川、2016)、「scales(仮)」(blanClass、神奈川、2015)。

 

 

7月13日(土)高石 晃[歴史の穴]

 
 
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今週土曜日のLive Artはソロでは初登場、高石晃が出演します。
 
高石晃は2014年に早川祐太と共に出演。その時はスタジオの中で、彫刻家と画家が彫刻と絵画を制作するスタジオ内での思考する様をblanClassに再現しつつ、言葉にできない状態の、その思考や行為、ひいいてはその産物がつくりだす形自体をお互いに交換することができるかという実験的な時間を示したものだった。
 
普段は絵画作品を制作している高石だが、2015年にスペース23℃で行われたグループ展「わたしの穴 美術の穴」では、ギャラリーがある奥沢の住宅の庭に穴を掘った。
 
穴を掘ったのは、スペース23℃というギャラリーがアーティストの榎倉康二氏ゆかりのスペースであったことこともあり、榎倉がかつて穴を掘っていたこと、その後、榎倉康二、高山登、藤井博、羽生真が、1970年にアパートの敷地内に空き地で行った野外展示「スペース戸塚`70」を調べていくうちに、そのことに触発された石井が空き地に穴を掘るイベントを行い、高石自身の作品行為にもなっていった。
 
また彼らのキュレーションによるシリーズに展開、昨年の「わたしの穴 21世紀の瘡蓋」を挟んで、今年5月には第3弾、「わたしの穴 美術の穴」2019年企画が3つの会場で同時開催された。
 
私は全てを見ているわけではないが、2015年のスペース23℃でのグループ展では、石井の映像作品と、高石の穴を目撃していて、最近になって、そのシリーズが継続していることにいろいろと思うところもあり、blanClassにお呼びして、なにか一緒に考えてみようということになった。
 
いろいろとというのは、私ごとにもなってしまうが、1995年〜1997年、原口典之氏が1968-69年に制作した米軍の戦闘機の尾翼部分の実物大の作品、《スカイホーク》を再制作するという話を聞き、彼とMarket(当時横浜にあったアーティスト・イニシアティブ)に頼み込んで、1年以上取材を重ねて、《スカイホーク》オンリーを特集したムック本を制作したことがあって、その動機が《スカイホーク》がつくられたのが私が生まれた歳であったこと、テレビでNHK映像の世紀を見ていたらスカイホークが鈴なりになっている空母を見たことだったのだが、石井+高石が美術史にも組み込まれているようで組み込まれていないような、しかしかつて確かにあった、あるアーティストたちの行為に、またそのわずかな痕跡に、なにかを手繰り寄せるように、静かに思考をし始める姿には、共感するところがあった。
 
「わたしの穴」のシリーズごと呼ぶという手もあったのかもしれないが、そこはblanClassなので、彼らの本体から一つだけ引っ張り出して、その正体を見てみたいという、そんな企画。
 
といっても、blanClassの敷地内に大穴を開けられては、ちょっとまずいので、本物の「穴」というわけにはいかないけれど、なにかしら「歴史」と「穴」の間で考えを巡らせるような、プレゼンテーションが展開される予定だ。
 
 
実は現在のところ、高石くんは3つぐらいの可能性を準備しながら、どれにしようかと詰めている段階(7/7現在)で、決定したら、また告知をします。
 
 
はっきりとした答えが出るようなイベントではないかもしれないけれど、blanClassを初めて訪れたはずの多くの人が、かつてのこの場所の、手の届かないはずのイメージと重ね合わせて、遠くを眺める目をしていることがあって、みんなはなにをしているんだろうと、いつも不思議に思っていたので、今度のイベントが、そこで起こっていることを、改めて考える良い機会にならないだろうかとも思っています。
 
より妄想が広がってしまうのか、それともなにかしらの気づきが生まれるのか、どちらでしょうか。
 
 
こばやしはるお
 
 
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【blanClass放送室】

今期あは2つの放送室が上がっています。それらもぜひご覧ください。

2019/5/17/高石晃#1/blanClass放送室


2019/5/17/Akira TAKAISHI/blanClass Broadcasting

7月13日(土)のゲスト高石晃さんとの放送して第1弾! 現在、三軒茶屋clinicで行われている高石晃個展「下降庭園」会場でお話ししました。「歴史」と「穴」について、個展の作品を中心にお聞きしました。

 

2019/6/27/高石 晃 #2/blanClass放送室


2019/6/27/Akira TAKAISHI #2/blanClass Broadcasting

7月13日(土)のゲスト高石晃さんとの放送室第2弾! 今回はblanClassでお話ししました。イベントの具体的なお話を伺おうと思ったのですが、どんどん美術談義になってしまいました。ちょっと長めです。

 

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プレゼンテーション|高石 晃[歴史の穴]
地面に掘られた穴はそれ自体は空虚ですが、同時にその場所固有の地層をあらわにします。その場所にしかあらわれない歴史の断面を見るよう試みます。
 
日程:2019年7月13日(土)
開場:16:00 開演:16:30
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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高石 晃 Akira TAKAISHI
1985年神奈川県生まれ。 主な個展に、2019年「下降庭園」(clinic、東京)2016年「地下水脈」(Maki Fine Arts、東京)、2013年「シャンポリオンのような人」(児玉画廊、東京)など。