3月4日(土)前後[固有時との会議]★週イチセッション発表 <blanClass放送室>

3月4日(土)の発表で行う一部を実際にやっていただきました。ぜひご覧ください。


2017/3/3/固有時との会議/blanClass放送室

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固有時との会議より、一部を紹介。
複数人で会話を記憶して、立場を入れ替えて同じ会話を繰り返す。
(神村恵)


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週イチセッション発表
パフォーマンス|前後[固有時との会議]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170304/
https://www.facebook.com/events/792286577589466/


2016年11月から神村恵、高嶋晋一によるアートユニット「前後」が主導して行っている週イチセッションの発表。現在、「固有時との会議」というタイトルをきっかけにさまざまなエクササイズを展開中。


出演:鈴木なつき/中村ゆい/神村 恵/高嶋晋一


日程:2017年3月4日(土)
開場:19:00 開演:19:30
入場料:1,600円(ワンドリンク付)


セッションがまだ完結しておらず、発表で何をやるのか決まっていない2017年1月17日時点での方向性をとりあえずここに記します。


【課題1:初めてすることとそうでないこと】
日常の行為において(たとえ些細なものであっても)一度もやったことがない行為を各自リストアップし、初めて行う、とする。たとえば、ある人は生まれてこのかたコンタクトレンズというものを一度も目に入れたことがなく、また別のある人は今までタバコというものを一度も吸ったことがない。こうした、他人がしているのを見たことがあるという意味では既知なものではあるが、実際に自分ではしたことがないことは無数にあるだろう。その経験的な偏差を、何か利用できないか。「初めて」は(半ば自動的に)一度きりのことだが、それは上演やライブなどで言われる「一回性」と何が異なるのか。やったことがないことは第三者の観点において、やったことがないこととして立ち現れるか。


【課題2:練習と準備】
練習と準備はある意味対照的だ。練習で想定されている「本番」が反復可能なことが前提になっているのに対し、準備で想定されている「本番」は反復不可能なことが前提になっている。練習はまだできていない何かをできるようにすること。そのために、できないなりにそれを繰り返しやってみて、「できる」という地点まで到達することを目指す。その「できる」は、「偶々できてしまった」ではなくて、いつでも何度でもできるようにすることまで含んでいる。他方準備は、本番と同様のことを事前にしない(あるいは原理的にできない)が、本番で十全にそれが行えるように周辺を整えることだ。たとえば、旅行に行く準備はできても、旅行に行く練習はできない。練習のために旅行に行けば、それは練習ではなく本番になってしまう。この練習と準備の特徴をふまえて、具体的な行為を考案する。たとえば、自転車に乗れなくなるための練習など。


【課題3:事実確認的なパフォーマンスとは】
直接事実を検証できないという条件下での事実確認的な行為について検証する。a: 記事の確かさを確かめるために、同じ新聞を何部も買ってきて読み比べる。b: 記事の確かさを確かめるために、新聞を一部だけ買い、同じ記事を何度も繰り返し読む(今読んでいる記事とさっき読んだ記事とを比べる)。c: 記事の確かさを確かめるために、同じ記事の載っている複数の異なる新聞をいくつか買い、それらを読み比べる。

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鈴木 なつき Netsuki SUZUKI

  • 1985年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。スイス連邦工科大学留学後、四谷アートステュディウムを受講。現在は建築設計に従事しながら、身体感覚から空間・時間を捉えなおすことを試みている。
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中村 ゆい Yui NAKAMURA

  • 一橋大学社会学研究科博士課程在籍。自身の経験を素材とし「着ること」を記号としてではなく行為として捉え直す試みを行っている。研究と並行して、主に喉、マイクを使ったライブ・パフォーマンス活動も行う。
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前後 Zen-go

  • 2011年、ダンサー・振付家の神村恵と美術家の高嶋晋一により結成されたパフォーマンス・ユニット。身体の物質性とそれを把握する際の観念性との関係を問題の主軸にすえ、ダンスと美術双方にまたがる作品を制作・発表している。これまでの上演作品は、《ポジション・ダウトフル》(2011、blanClass、横浜)、《把っ手》(2012、Art Center Ongoing、東京)、《脱脱出、反反応》(2012、blanClass、横浜)、《ムゲ》(2013、GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE、東京)、《exonym/endonym》(2013、Brooklyn International Performance Art Festival、ニューヨーク)、《質す[ただ-す]》(2013、Whenever Wherever Festival、東京)、《ビフォア・オア・アフター》(2015、blanClass、横浜)。
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神村 恵 Megumi KAMIMURA

  • 振付家/ダンサー。04年よりソロ作品を発表し始め、06年、神村恵カンパニーとしても活動を開始。これまで、国内外の様々な場所でパフォーマンスを行う。トヨタコレオグラフィーアワード2010ファイナリスト。主な活動に、14年4月 「腹悶」(STスポット)、15年9月、「ワークショップ」(ミルク倉庫との共作)、16年3月 「知らせ」(津田道子との共作)、など。物質としての体、感覚する主体としての体、何かを指し示す体、が交差する場としてダンスを立ち上げる方法論を探っている。

http://kamimuramegumi.info/
twitter @nattonatto

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高嶋晋一 Shinichi TAKASHIMA

  • 美術家。1978年生まれ。パフォーマンスやビデオ作品を制作。主な公演に「14の夕べ」(東京国立近代美術館, 2012)、「わける手順 わすれる技術 ver.2.0」(神村恵・兼盛雅幸・高橋永二郎との共作, SNAC, 2015)など。主なグループ展に、『複々線』(現代ハイツ, 2014)、『無条件修復 UNCONDITIONAL RESTORATION』(中川周との共作, milkyeast, 2015)『Self-Reference Reflexology』(中川周との共作, milkyeast, 2016)など。

http://studium.xsrv.jp/studium/artistsfile/takashima.php#photo0
twitter @takashimashin

〈blanClass放送室〉by 関真奈美

2月18日(土)Live Artのゲスト、関真奈美さんから届いたビデオとコメントです。



2017/2/6/関 真奈美/blanClass放送室


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乗り物の試運転の様子なんですが、
画面の中へ没入できるような話のリアリティ(があるにしろ距離があるにしろ)について、
毎回参考にゲームを教えてもらうことがあり、
(ルールが設定された)現実世界に対してどうやってリアリティを持てばいいのか、
なんて病気がかっていますけど、
ぜひ乗り物を試してみてほしいです。


せきまなみ
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パフォーマンス関 真奈美[乗り物]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20170218/
https://www.facebook.com/events/1900029163617592/


会場に乗り物を用意しています。
乗り物は人・情報を伝達する人・操作する人によって構成されます。
乗り物は一人、または分担して複数人で動作を与えることができます。
どうぞお気軽にお越しください。


日程:2017年2月18日(土)
開場:18:30 開演:19:30
チューニング・デモスト:40分
稼働・乗り物外出:30〜40分
入場料:1,500円(ワンドリンク付)

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関 真奈美 Manami SEKI 

http://manamiseki.flavors.me/

外島貴幸《背中を盗むおなか》公開インタビュー|コーディネート:河口遥



外島貴幸《背中を盗むおなか》(2016)公開インタビュー風景 撮影:小林晴夫


作品と主体


河口:今回、外島さんがこれまでに挑戦したことのないことをやってみませんか、とお願いしました。最初の打ち合わせの段階で、外島さんから、ずっとモヤモヤしている、でも、なかなか作品に結びつかないものがあるというお話をお聞きしました。


外島:基本的に、ジェンダーというテーマが、扱いたい問題としてはあったんです。ただ、その場合の難しさというものがあって。自分と作品との間に距離がとれなくなるというか、個人的なことが入ってくると、作れなくなるので。今回もわりとそのあたりの大変さはあったんですが。


ただ、作家とは、何かを作ることとは、と考えてみた場合、例えば、何らかのマイノリティーの作家がいたとして、作品がある。その作品は一見するとそのような問題とは関係がないように見える。でも作家がマイノリティーであることが、実はその作品のメッセージ、背景にあります、みたいな論理があるとして。勿論それは正しい場合もあるのですが、その論理を逆転させると、作品の持っているメッセージは、実はもっと広いというか。作家の方が作品の特殊な例にすぎないと言うこともできる。つまり作品の方が、作家の個人的な問題をより普遍化している。その辺が重要というか、やっぱりそこなんだなっていうのが、ひとつ自分をテーマにするときにありましたね。


小林晴夫(blanClassディレクター):今の外島さんの発言は、「アートの周辺で、作家の在り方やアイデンティティーと社会的なテーマがステレオタイプにつながってしまっている」ということを指摘していると思うんだけど、焦点が作家個人に戻ってくると、それはあくまでも個別なケース、あるいは特殊なケースなはずだよね。でも実際は「彼がそういうアイデンティティーを持っているから、そのマイノリティーを代表して作品化をしたんだ」という、ある種のレッテル貼りをして了解したような気になってしまうことが多いのかもしれない。ようするに、外島さんは、そういういい加減な認識に対して抵抗をしてるんだと思う。「私が私である」とか「誰かが誰かである」って特定してしまうのは、なかなかの暴力だってことですよ。その姿勢は、今回のパフォーマンスのカテゴリーにしていた「ジェンダーチェイシング」という不思議な言葉にもあらわれていて[註]、読み取ろうとした端から、読み取ったはずのものが解体されていくような作品だった。これは感想でもありますが…。


だからもしかすると「ジェンダー」って言うからいけないんじゃないかな? 社会的にも、もうちょっと個別なアイデンティティーの在り方があるというのが、外島さんが抱えてる問題提起だと思うんだよ。さっき外島さんが、「腐女子」ってチラッと言っていたけれど、多様な個人の在り方は、対外的にも頭の中でも、何重にもなっていて、ジェンダーでも区分けしきれない気がする。たとえば、外島さんが黒板に書いた図[写真]では、自分の個別な名前、記号みたいなものがバラバラに解体されていくわけでしょ。その曖昧なアイデンティティーが、イマジナリーフレンドみたいなものとの対話を通して、さらにバラバラになっていくわけじゃないですか。


ここは以前Bゼミっていう学校みたいなところだったんですが、外島さんは実際に、同じようなシチュエーションで3人くらいの講師の前で、講評会を経験しているんですね。かつて講評に間に合わなくて焦ってた外島さんと、今回またもや作品が間に合わない外島さんが入れ子になってパニックになってる様を演じている。だから時間的にも解体作業は行われていて、かつての「外島貴幸」と現在の「外島貴幸」も加わって、括弧付きの「外島貴幸」のアイデンティティーがどんどん増えていく。それを全部こう、丁寧に並べてみる…。みんなが共感できるものかわからないけど、正直、見ていて怖くなった。


[註]

《背中を盗むおなか》の告知には「コント、パフォーマンス、ジェンダーチェイシング」という形式を表す言葉が付されていた。続く解説は次の通り。「自分と物を私から盗み返すためのいくつかの方法。/「背後霊がとり憑いている人に対して背中を向けたら、それは背後霊と呼べるのだろうか?」(自作「やさしいウィトゲンシュタイン」より)」。


発言者A:パフォーマンスの中で使われている黄色については何かありますか? いわゆる青と赤の男性、女性を表す、トイレなどに使われるサインが壁に貼られていますが、黄色いクッションもそのそばにあリました。


小林:ああ黄色が目立つね。


外島:最初、赤と青で、黄色はなくて、わりとやけに社会的な男女の色で。でも黄色を入れることによって三原色という、別の分類、レイヤーに開きたかったんです。


発言者A:社会的な性、ジェンダーを意味する色が形式的に扱われている。そうした中で、自身の名前も黄色で黒板に書かれていたのが象徴的に見えました。確か、いろいろな紙を貼り付けていたテープの色も黄色だったと思いますが。


言葉と物

発言者A:前半部は、「外島貴幸」の所有物たちが「外島貴幸」について語る体を取っています。実際は外島さんがそのつど立場を変えて物の姿を借りて語っているわけですが。後半部は、主に、ある種の指示を伴う言葉によって物を動かすことに外島さんが行使されている印象を受けました。


外島:物の見え方をどのくらい変えられるのか、ということも試みとしてはあったんです。最初ペラペラと喋ってるのが、だんだんとこう、ただ扱われるだけの存在になるとか。


発言者B:結局、道具たちも外島さんの一部だったことが、“中間領域”に向かうことによって、ほのめかされるかたちで終わったのかなと思いました。控え室という、男女どちらの徴も貼ってある中間領域に向かっていったのかなと。「外島貴幸」という紙を付けた、背広が最後トコトコ歩いて……。


外島:それは、たしかに。最後、僕も入るし。道具、物が喋る、または物に転移する、というようなことは、個人的なジェンダー問題などよりも、例えば主体について広く捉えることができるのでは、という考えもありました。作品内においても、自分が物のなかでの特殊例になっていく、というプロセスがあっても良いのではないか、と(または、ご指摘のように、物が「自分」の特殊例だったと、言いかえることもできるように思います)。ただ、全体の構成としては、見えづらい部分もあったかもしれません。


発言者C:物を動かすルールは結構、厳密に決まってたんですか?


外島:そう、そこは厳密というか。


発言者D:なんで言葉のルールで物が動くのか。ちょっと僕は、逆にすごくリアルだったのは、その前に外島さんがウロウロしてたときに、バンッて栓抜きとか蹴っちゃった、とか、コケそうになってる、みたいな。なんか、さっき喋ってたソイツがまた、ゾンザイに扱われてるみたいな……。


小林:振る舞いが雑だから(笑)。


発言者E:言葉は厳密だけど、行動がね(笑)。


外島:という訳で、今日もみなさんが私の代わりに沢山喋っていただいて、ほんとうにありがたいことです。メガネよりも、遥かに僕は何も喋れなかったけど。


[2016-05-14収録]



※本稿は、パフォーマンス後に行われた公開インタビューをもとに構成・加筆したものです。


トランスクリプション:河口遥
編集協力:印牧雅子

11月1日(火)《カッコウの事前交渉》プレゼンター:百瀬 文

最近ある男友達が、ヘテロからバイセクシャルになった。彼には現在、緩やかな形で関係を続けている男性のパートナーがいる。彼は以前よりもずっと生き生きしていて、毎日がとても楽しそうだ。


ある日わたしはそんな彼からある相談を持ちかけられる。「自分は家庭を持つ夢を諦められない」というものだ。周知の通り、日本で同性婚は認められていない。そして、なかなかゲイの男性ともこの悩みが共有できないと言っていた。(どうやらバイセクシャルの人々はゲイコミュニティの中でも微妙な肩身の狭さを感じることがあるらしいのだが、このあたりの心情についてははわたしもまだ勉強不足である)


そしてわたしはある時、彼から「もしよかったら僕の子どもを産んでくれないか。そうしたら、僕と僕のパートナーでその子を育てる」ということを伝えられる。


わたしは思う。わたしは鼻からスイカ的スペクタクルとしての出産という経験自体はしてみたい。ただぶっちゃけ月額平均8万円で暮らすこの経済状況で子どもを育てることは現状かなり厳しい。それ以前にきっと「おとうさん」と「おかあさん」のたった二人の人間から成り立つ「夫婦」という単位による子育てというもの、あるいはその強迫観念自体がいろいろとすでにわたしには無理なんじゃないかという気がし始めていた。(これはすでにそういう形で子育てをされている方を非難するものではまったくない)もし「おかあさん」が3人で「おとうさん」が1人とか、もしくは逆とか、あるいは「日曜日だけ現れる謎のおじさん」みたいな人が急に我が家の食卓に参入してくれたならば、まだ見ぬわが子(神木隆之介くん似)の笑顔が実体となって輪郭を帯び始めるのか。おお神よ、貴方はきっとこんなズボラで非人間的な女にそもそも御子をお授けにもなりますまい。


そんなことを思っていたところのこの彼からの相談であった。この図はまさにカッコウの托卵である。



その美しい声とは似ても似つかぬえげつない托卵行為は、しばしばカッコウを非難する際の格好の題材となってきた。


もし、そのカッコウと仮親鳥との間で、事前交渉が交わされ、双方のポジティブな同意が得られていたとしたら?


カッコウも、たまに巣をのぞいたりして、姿の違う雛鳥たちとみんなで歌を歌ったりするようになったとしたら?


それはもっと「育児」をめぐる「家族」という単位のあり方について、さまざまな可能性を示唆する寓話になっていたかもしれない。


今回は、まずは友人のこの相談を手紙という形で紹介する形から導入を行う。そして、それを実現するためにどういったプロセスが具体的に必要になるのか、わたしが弁護士の方に相談して伺った内容を不慣れながらにプレゼンする。そのあとで皆様からいろいろな意見を伺いたいと思う。場はおそらくこのわたしの文体よりもずっとカジュアルな感じになる予定である。


なお、ディスカッションにはわたしのパートナーである斎藤玲児くんにも快く参加してもらえることになった。彼のパートナーシップに対する寛容さに深く敬意を払うとともに、何よりこのようなことを考える機会を与えてくれた友人にも深く感謝を伝えたい。



ももせあや

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POST-ER OFFICE参加ミーティング
カッコウの事前交渉》プレゼンター:百瀬文@POST-ER OFFICE
https://www.facebook.com/events/1769535906649793/


今週の火曜日、TWS本郷オープンサイトで現在開催中の「POST-ER OFFICE」展会場にて、百瀬文を中心に、ポスターをつくるためのミーティング〈プレゼンテーション〉をします。
「POST-ER OFFICE」は、芸術表現の「過去」「現在」「未来」に関連する種々の声や思い、願い、訴えを、ポスター化・ステートメント化してみることで、あらたな提案や議論のポイントを生み出すことができるのではないかという考えに基づいて、ポスターの展示およびテンポラリーなオフィス機能を核とする、議論のためのプラットフォームの構築を目指しています。
blanClassからも何人かのアーティストにお声がけをして、幾つかのミーティングを企画しています。
ミーティングは開かれた場ですので、ご興味のある方はぜひ参加してください。


日程:2016年11月1日(火)17:00〜19:00 入場無料

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企画:POST-ER OFFICE実行委員会
http://poster-office.blogspot.jp/
会場・主催:トーキョーワンダーサイト本郷 3F(東京都文京区本郷2-4-16)
地図:http://www.tokyo-ws.org/access/index.html

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百瀬 文 Aya MOMOSE

  • 1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。個展に、「サンプルボイス」(横浜美術館アートギャラリー1・神奈川・2014)、「ホームビデオ」(switch point・東京・2013)、グループ展に、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館・東京・2016)、「アーティスト・ファイル 2015 隣の部屋――日本と韓国の作家たち」(国立新美術館・東京・2015)、「引込線 2015」(旧所沢市立第2学校給食センター・埼玉・2015)などがある。

http://ayamomose.com/

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POST-ER OFFICE 実行委員会「POST-ER OFFICE」

  • 期間:2016年10月15日(土)〜11月13日(日) ※月曜休み 11:00〜19:00
  • 場所:トーキョーワンダーサイト本郷 3階(東京都文京区本郷2-4-16)

http://poster-office.blogspot.jp

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オープンサイト|プロジェクトB 2016-2017
http://www.tokyo-ws.org/archive/2016/08/OS-B-main.shtml

10月1日(土)お笑いライブ・公開制作|小口菜緒実

ここ最近しばらく続く雨ですっかり肌寒くなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
来週土曜日はblanClassでイベントをさせていただきます。
かなりやることに悩んだ結果、お知らせも遅くなってしまったのですが
大谷健児さんという自称地下アイドルのライブを行うことになりました。
これまで私はデザイナーの方にインタビューをして展覧会を開いたり、ボイスパフォーマーにある悪条件で歌ってもらうなど、表現者の話を聞きながら作ることをしていました。
大谷さんは笑いと過激さ(引かせる)という両極端なテーマを引っさげてライブパフォーマンスを行っている方です。
彼の場合、性癖の異常さや犯罪スレスレの関心を使って、自分にしかできない表現を追い求めているという点で表現者として気になる存在であるということと、最近気になっている笑いについて彼を通して考えてみたいと思い依頼しました。
芸人は身ひとつで人前でネタを披露するので、頭の中で1時間かけて考えた数秒のネタがどう見えるのか実際にやって見せるまでわからないというイメージの掴みづらい仕事です。
うまく笑いを起こすことができればその中心で生き残れる一方で、理解不能な行動や言動ははっきり排除されるものです。
理解不能な、下手で、個人的で、趣味的なもの、、どれも興味深いですが、集団の中では無いものとされます。
当日のライブでは彼の引かせ芸が入ることで、理解できない状況に投げ込まれることを来場者の方と共に考えたいです。
そして笑えない・理解できないことであっても無理やり笑うというタスクがあるのでやってみて腑に落ちないとか、ムカついたとか、どう思ったかとかを教えてもらいたいなと思ってます。
お忙しいとは思いますが、来場は多ければ多いほど面白くなると思いますので是非足をお運びいただけたら幸いです。
当日参加も大歓迎ですが、前日までの予約で200円安くなります。
何とぞよろしくお願いいたします。


おぐちなおみ





2016/9/19/Naomi OGUCHI/blanClass broadcasting

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ライブパフォーマンス小口菜緒実[お笑いライブ・公開制作]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20161001/
https://www.facebook.com/events/694070324079047/


とあるライブパフォーマーの生ライブショーを開催します。
皆さまお誘いあわせの上、ふるってご参加ください。
(当ライブのご参加者には大谷健児のショーに対して「すべて笑わなければいけない/笑ってはいけない」というタスクが課せられます。)

出演:大谷健児(おおたにけんじ)



変更前:
お笑いライブ|小口菜緒実[お笑いライブ公開制作]

お笑いライブを開催します。
出演者については後日お知らせいたします。
皆さまお誘いあわせの上、ご来場ください。
当日は先着順にてお席へご案内させて頂きます。

〈出演芸人同時募集中〉
ショートコント、一発芸、モノマネ、歌もの、モノボケなどジャンルは問いません!
日程:10月1日(土)17:30〜2時間半を予定 (ネタ見せは15分程)
出演費:10,000円(コンビの場合折半となります。5000円以内の交通費別支給)
司会者も募集中(謝礼8000円、交通費別)
応募人数:5組ほど
応募資格:芸人を目指そうと考えている方、趣味でお笑いをやってみたい方、ステージの機会を増やしたい方など。芸歴の浅い方歓迎します。
応募方法:ホームページで詳細をご確認ください。

http://www.oguchinaomi.com

※内容が変更になったため現在、募集は行っていません。



日程:2016年10月1日(土)
開場:19:00 開演:19:30
事前予約:1,000円/当日購入:1,200円
定員:30名
※軽食(無料)もご用意しております。
※アルコール等のドリンクは有料にてお買い求め頂けます。

〈申込方法〉前日までにご予約頂いた方に限り割引が適応されます。代金は当日受付にてお支払いください。
〈件名〉イベント名〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)電話番号 4)メールアドレス 5)参加人数
上記を明記のうえ、 メールにてご連絡ください↓
info@blanclass.com


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〈アクセス〉

京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

http://blanclass.com/japanese/about/map/

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大谷健児 Kenji OTANI

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小口菜緒実 Naomi OGUCHI

  • 1988年長野生まれ。女子美術大学デザイン学科卒業。主な展示に「1日展」(camp, 東京, 2015-2016)、「I////my ( ) 遠いところに結んでみる、近いところをほどいてみる」(ambiguous gallery, Vague, 東京/2013)、「tent city」(art and river bank, 東京, 2011)など。その他にアーティスト等とともに「プレ・オープニングパーティー」(blanClass, 横浜, 2015)、「ナム企画」(namGallery, 東京, 2014-2015)、「1thing 60minutes」(横浜美術館周辺, 横浜, 2014) などのイベントを企画。

http://www.oguchinaomi.com

拝啓 小林晴夫様|南雲由子

暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。


私は政治家になってから1年が経ちました。初めは慣れない世界でまるで外国にいるような1年でしたが、最近は全体のペースが少しわかってのびのび仕事ができるようになってきました。


さて今回のlive artの件。


友人の、行田市議会議員でパフォーマーである野本翔平さん、秩父市議会議員で自然保護の活動などをされてきた清野和彦さんをお呼びして、トークをしたいと思います。


どのような話になるかわかりませんが、「アートと政治」「ふみこえる/一線を超える」「政治家というイメージ〜北風と太陽」「選挙、投票率」というあたりをキーワードに、あまり決めずに臨みます。


なぜ政治家になったのか、今やっている一種の「実験」のようなものの途中経過をお話ししつつ、blanClassという場で、アーティストが政治的なメッセージを持つ表現をすることや「政治となにかの間の」ぼんやりとしたものをすくい上げられるような機会になればと思います。


当日楽しみにしています。


なぐもゆうこ

公開制作/ワークショップ[学校が編んでいる]イントロダクション|うつくしい雪(河村美雪)

blanClassでの公開制作が直前になり、このプロジェクトについて公開できる内容が少しづつ定まってきたので、イントロダクションを書いてみます。(文末に、blanClassで実際にやることが書いてあります。)



島 (アニメーション 2015)


2014年の秋に、ひとりの「保健室の先生」への取材が始まった。彼女(Sさん)は、「保健室の先生は学校文化のなかの移民である」と述べている。この言い回しが事実として正しいかどうかではなく、「私は移民である」という喩えを使って自身の置かれている状況を考えようとする、その当事者の眼差しに興味を持った。


取材を始めてみると、予想を超えて保健室の先生の複雑な立場と歴史が語られたが、同時に、「語られることのない生徒の痛み」がSさんの言葉の奥には隠されているようなところがあった。当然ながら、保健室において、より切実な当事者は養護教諭ではなく生徒であり、彼女がこの他者の切実な話を具体的にわたしに語って聞かせることはなかった。わたしは、時折その柵を越えたくなるのだが、彼女らは「アート」を生きているわけではないので足止めをくらい、そして助けられてきた。


二回目の取材の中で、わたしからのある質問に回答する形でSさんが説明してくれたのが「竹ザル」の構造だ。これは、彼女が職務上の必要にかられて開発した「こころ」だという。



わたしは、Sさんが描いた図面を持って、京都の竹細工職人小倉智恵美さんに会いに行った。小倉さんのことは、たまたま目にしたネット上の情報でそのお仕事に出会った。そして、小倉さんがつくる繊細な竹細工の技術がSさんの「竹ザル」には必要だと確信して、半ば飛びこむように工房を訪ねた。


その年の同じ月に、わたしは、Sさんでも小倉さんでもない女性にこの竹ザルの使い方を考案してもらい、翌年の2015年、出来上がった「竹ザル」を東京とオスロノルウェー)のふたりの女性に実際に使ってもらった。



これが、2014年から現在にいたるまでの「学校が編んでいる(仮)」という作品の部分的な経緯である。タイトルはおそらく変わるだろうと思っている。というのも、これはどうやらひとつの作品に収まることはなくて、わたしはあの取材以降、絵を描いたりオブジェを作ったりという、普段はしないような寄り道を延々としている。どうやら「竹ザル」から派生したものが大量にバラバラと存在し、それらを眺めることができるようになるまで、この「比喩としての竹ザル」がなんなのか?という問いが自分から離れそうにない。



さて、経緯説明が長くなりました。

この週末に横浜のblanClassに数日ほど引きこもって、「学校が編んでいる(仮)」を先に進めることにしました。上記の経緯の後半部分である「竹ザルを使ってみる」、この先をやろうという計画です。具体的には、ワークショップでは集団(擬似コミュニティ)のなかで個人が拾っている情報に焦点をあてて、その情報からどのようにして人が自分の心のなかに、「私が生きるための世界像」を作り上げていくのか? その世界像を外の実世界にフィードバックさせたりさせなかったりするのか? を考えてみたいと思っています。


そのひとつのヒントとして、作られた世界を生きることに日々向き合う俳優という仕事をしている松田弘子さんをゲストに迎えて協働していきます。また、ビデオカメラや映像ミキサー、ライブ放映といったメディアを使うことで、「私が内面に構築する世界像」の出現を実験してみようとおもいます。


今回の機材は、なるべく個人が普通に手にできる物と数の範囲で用意をしています。過去数年、わたしはセンサーを使ったシステムをプログラミングしてもらうことが多かったのですが、今回は機材知識や予算の薄いアーティストが自分ひとりでも動かせる範囲を目指しています。興味のある方は、制作のための小さなキャビンの可能性を一緒に探りましょう。制作する過程で自分のためにはどういうシステムが必要なのか? そんなことに興味がある人は、それだけを目当てにきてもらっても問題ありません。メディアの組み合わせを考えてセットアップすることは、わたしにとっては人間の心を見る助けになる時があります。


かわむらみゆき(うつくしい雪)


■タイムスケジュール


16日(土)18:30-20:30 ワークショップ1
17日(日)18:30-20:30 ワークショップ2
料金:1回 1,500円/2回通し 2,500円(要予約)
「移民と名乗る人」と外の世界の関係のゲームを作り、それを実施してみる。ゲームの実施と振り返りの過程で、機材やインタビューを入れて試してみる。これらは、当日のメンバーで決めます。

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〈予約方法〉以下の内容でイベント前日までに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈メールアドレス〉
info@blanclass.com
〈タイトル〉うつくしい雪ワークショップ予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数




18日(月・祝)13:00〜 公開制作(入退場可)18:00-20:00頃 公開通し稽古+フィードバックパーティー
公開制作:日中の見学のみ 500円/公開通し稽古+フィードバック1,800円(ワンドリンク+α)
前二日間のワークショップで出たことを含め、その時点で見せられるものを俳優さんと一緒にアウトプットします。その後、みなさんと一緒に軽食をいただきながら、お話しましょう。お話は、感想でもいいし、質問でもいいし、「移民と名乗りたくなった時のこと」でもいいのです。


※また、お子様とご一緒いご来場いただくことは問題ありません(お子様にとっておもしろいことは少ないと思われますが)。その時々の内容によって静かにしておいたほうがよさそうだけれど、どうもそうではない状況が生まれる場合はご自身で判断してお散歩なりしていただければ助かるのかもしれませんが、わたしもその時になってみないとよくわかりません。機材の管理には、親御さんと主催側でそれとなくお互いに注意しましょう。



■機材(以下から組み合わせる。変更の可能性あり)

ハンディカム 2
ウェアラブルカメラ
マイク(ピンマイクかバイノーラル)1
音声レコーダー 1
映像スイッチャー・ミキサー 1
Mac 1~3
必要に応じてiPhoneとレンズ



機材フロー


ゲスト:松田弘子(俳優)

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うつくしい雪(河村 美雪) DULCET SNOW

  • 「いま進行中の対話が作り出している視点」に関心を寄せ、個の心が外界との関係によって変容していく様を、映像・言語・人工生命など多様なメディアを使って制作。2016年、名義を『うつくしい雪』(過去のカンパニー名)に統一した。

http://www.dulcetsnow.com
音の海:  http://otonoumi.net/
移民する本:  http://migratingbooks.strikingly.com/

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松田 弘子 Hiroko MATSUDA

  • 俳優・翻訳者。青年団で現代口語演劇(『ニッポン・サポート・センター』『ヤルタ会談』『東京ノート』)、あなざ事情団で観客参加型演劇(『三人姉妹』『みんなのハムレット』)を実践。近年踊る気満々(『そろそろソロを』2015)。