踊ることは、プライヴェートな欲求に基づくものでありながら、同時に他者に開かれた社会的なできごとでもあります。
今回は、「自分と身体」「自己と他者」「私たちと、私たちのまわりにあるもの」、それぞれのあいだにあるものを見つめ、丁寧に拾い上げ、ルールを共有しながら様々なシチュエーションを遊んでいきます。3ヶ月というまとまった期間を通して、“この場でしか起こらないダンス”を作ることができればと考えています。
○からだをつくる
“曲げる”“伸ばす”“ねじる”など、背骨の流れを意識したボディワークを実践します。呼吸と合わせて、無理なく関節の可動域を広げていきます。どんな動きにも対応できるような、体の中心から動く感覚を身につけましょう。
○シーンをつくる
モチーフを共有してみんなで動きをつくったり、他者とのかかわりから生まれる動きを探ることで、身体の意外な表情を発見していきます。さらに、それが「見える動き」であるためには何が必要かを考えていきます。またスタジオ周辺の街を散策し、映像や写真、文字などの記録メディアを用いて「場所とのかかわり」を作っていきます。
○発表する
写真はすべて:2011.12.10.中村達哉 + 山本麻世[場所から場をつくる]より
創作の過程で出てきたモチーフを小さなシーンに発展させて、発表してみましょう。
振付の提示やサイトスペシフィックなもの、映像や写真をドキュメントとして発表するなど、表現の形式は自由です。ダンスを見せるための方法について、皆さんそれぞれのアプローチができればと考えています。(発表は、blanclassにて毎週土曜日に行われているLive Artの枠で行います。詳細は11月頃に決定。)
難しいテクニックは必要ありません。楽しみながら、より自由な視点から“かかわりの方法”を編み出していきましょう。
表現に必要な身体づくりから始めて、創作〜発表までのプロセスを、3ヶ月の期間を使って行います。なにげない日常のなかから、動くための状況を見つけ出し、深めていけたらと考えています。
中村 達哉 Tatsuya NAKAMURA