コミュニティに代わるもの(2019_6-7)

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先日、あるアーティストと話していたら、「ブランクラスはコミュニティだと思っていた」といわれた。そういえば、以前から何人かのアーティストに同じような問いかけや指摘をされたことがあるのだけれど、私としてはblanClassの活動を「コミュニティ」だと思ったことはない。

 

あるいは、私自身が集団に帰属することが苦手すぎるので、目の前に「コミュニティ」なるものが現れたら、一目散に逃げてしまうかもしれない。

 

みんながいっている「コミュニティ」というのが、旧来の村的な「コミュニティ」を意味するわけではなく、もう少し軽いつながりのことを指しているのはわかっているし、人が集まる「場」をつくることを意識して運営をしてきたので、ここからコミュニティ的なつながりが生まれてくることに抵抗があるわけではないのだが、単一の「コミュニティ」が生まれることを望んでいたわけでもない。

 

blanClassは、アートに限らず、形式やジャンルがどんどん細分化され、共有できるはずの問題意識が、それぞれのセクトを超えて擦り合わされず、すれ違ってしまっていることへの危機感から、いろいろなバックグラウンドを持った人々が、まざり合ったら良いと思って運営してきた。だから、どちらかというと同時多発にいくつもの関係が生まれるようなイメージを持っていた。

 

それはネット上にいる「管理人」的な役割に近いイメージ。そこに私が介入してはいけないのでは? とさえ思ってきた。そのせいで、そっけない態度に見えることもあっただろうし、側から見ると閉じているように見えたかもしれない。

 

blanClassで起こった、答えが見えないような問題に対して、アーティストたちの作品には至らない、しかし切実な試みのことを「友達以上、作品未満」と表現したことがあった。「作品未満」というところに比重を置いたフレーズだったが、ダジャレのように手前に置いた「友達以上」にも、馴れ合いではない大人の関係への期待が込められていた。

 

現実の「場」はとても小さくて、どこからも近いところではないので、blanClassが当初理想としていた「場」になったかどうか、未だはっきりとはしないけれど、その時々に確かに個人と個人のやり取りはあった。その意味においは、思っている以上に面白いことが起こっていたような気もする。そんな「コミュニティ」には決して回収され得ない、個人に根ざしたそれぞれの関係は、これからもきっとそれぞれに一人歩きしていくと思う。

 

小林晴夫(2019.6-7 チラシ掲載)

5月26日(日) ★★シリーズ SakSak#13 米澤 一平[他人との対話→"TAP"を通じて→自己との対話に潜る]

今週の土曜日、SakSak#13はタップダンサーの米澤一平さんをゲストにお迎えします。

 

米澤さんは、タップダンスを軸に、様々なダンサーやアーティストとのコラボレーションを積極的に行なっていて、僕も今年の2月に、米澤さんと、ダンサーの西山友貴さんと一緒に3人で、ダンス、パフォーマンス、トーク、などを織り交ぜた公演のようなものに参加し、初共演したのだけれど、これも米澤さんからのお声がけを受けて実現したイベントだった。

 

また新宿は四谷にある、綜合藝術茶房喫茶茶会記で続けている「In The Zone」シリーズでは、作品としての完成度をひとまず無視して、その日の共演者や観客などの場の反応も含めた、実験的なセッション企画を展開している。

 

そんな、誰かと一緒に場を作るのが得意な米澤さんに、ソロで何かやってもらえませんか?というお願いをしてみた。

 

出てきたアイデアは、集まったお客さんと米澤さんが1対1で対話をして、その対話を基に米澤さんがタップダンスを踊るというもの。1回の対話に参加できる人数は1-2人程度で、その他の人は観客としてその様子を見ることができる。

公演時間は1回/1時間で、その中で対話とパフォーマンス、パフォーマンス後にも米澤さんとお客さんとで少しお話しする時間を設けるかも?で、13時からの毎時1回、計8回公演で、20時からの回が最終公演になる予定。

 

 

少し飛ぶけれど、ゆるいながらもこんな企画や活動を続けていると、ダンサーやアーティストなど、ある意味で独立した個人、という強い意思を持って活動している人と関わる機会が増えてくるのは当然で、自分自身もその内側の一人として励まされる部分がある。ただそういう、アーティストが持っている欲求や主張みたいなものだけが時に独り歩きしてしまう場面にも直面する。

もともと、閉じることが何かを作ることの条件だったりもするから、独り歩きすることはアーティストの性格的な部分が大きいのだろうけれど。

 

かといって、「共有」とか「多様性」とか、あまり簡単に分かったふうなポーズだけを示されるのには、もっとうんざりする。

そんなに簡単に物事は測れないはずだから、分かったふりをするよりも、知らないことを楽しむくらいが丁度いい。

 

たぶん今回のイベントはそんなような、なるべく寛容で、知らなかったことを楽しめるような場として、米澤さんは準備しているのかもしれない。

いずれにしても、会話を基にタップを踊ってもらえることなんてそうそうあることではないのだろうから、興味がある人にはぜひ足を運んでみてほしい。

 

野本直輝

 

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先日収録した放送室も合わせてご覧ください。

妙なアングルからの映像ですが、また野本が一人で喋ります。米澤さんも色々な意味で、常に映像に出てきてはいますが、最後まで見て、聞いてもらえると良いと思います。

2019/5/15/米澤一平/blanClass放送室


2019/5/15/Ippei YONEZAWA/blanClass broadcasting

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SakSak#13 米澤 一平

他人との対話→"TAP"を通じて→自己との対話に潜る|対話、パフォーマンス、音

blanClass webページ http://blanclass.com/japanese/schedul...

facebook イベントページ https://www.facebook.com/events/22908...

 

はじめまして、米澤一平です。あなたとわたしとで40分間じっくり対話しましょう。さいごにあなたとの間で生まれた思いや感覚をわたしが"TAPの音"にします。わたしを見て、聴いて、"あなた自身"を見つめるような不思議で素敵な時間をお届けします。

 

出演:米澤 一平/企画:野本 直輝

日程:2019年5月26日(日)

開場:12:30 開演:13:00

13:00- ②14:00- ③15:00- ④16:00-

17:00- ⑥18:00- ⑦19:00- ⑧20:00-

★各回60分の公演が9回行われます。ご入場後の出入り自由、複数回の公演を自由に見ることができます。

参加される方はお好きな飲み物、軽食をご持参下さい。

入場料:1,000円(ドリンク別)+投げ銭

会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)

https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2

アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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米澤 一平 Ippei YONEZAWA

"足で地面をTAPして音を鳴らす"という行為に着目した独自の視点を交えた活動をする。アートやパフォーマンスとTAPDANCEとのクロッシングを試み、音楽、歌、ダンス、コミュニケーション、感情表現、TAPから生まれる様々な対話の可能性を探る。

https://www.facebook.com/ichi.yone.1

 

SakSak

SakSakでは、誰かが発する表現を手掛かりに、その先を一緒に考えながら、その思考を交換することができる場の可能性を模索します。そのために取り敢えず、粗くてもろい、隙間だらけの場を想像してみる。(野本直輝)

https://saksak.localinfo.jp

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5月18日(土)荒木 悠[第伍回次世代藝術大賞攻略会議(後編)]

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今週土曜日のLive Artは、荒木悠さんが再登場。
 
荒木悠さんは、昨年11月に[第伍回次世代藝術大賞攻略会議(前編)]というタイトルで、エントリーした「Future Generation Art Prize」攻略のための作戦会議をしたばかりと思っていたが、もう半年もたってしまった。
 
当然のことながら、すべての結果はすでに出た後…。
 
「Future Generation Art Prize 2019」は2月8日からウクライナキエフで展覧会として始まり、厳正な審査を経て、3月22日にグランプリが発表された。残念ながら荒木さんは受賞を逃してしまった。もしもグランプリを受賞して、賞金を獲得していたら…、それはそれは盛大にお祝いの宴が繰り広げられる予定だっただけに、なんとも悔しい限り。
 
blanClassでの作戦会議の折、みんなも好き勝手にいろいろと言ってしまったので、責任を感じてしまう。
 
荒木さんは5月9日からヴェネツィアで始まった「Future Generation Art Prize」の巡回展オープンに立ち会った後、日本に帰ってくると思いきや、現在は5月16日オープンのグループ展「The Island of the Colorblind」(Art Sonje Center)に参加すべく、韓国はソウルにいる。
 
帰国は前日の夜? 
 
18日のイベントは、お祝いというわけにはいかないので、反省会的なムードの報告会になります。でもそこはそれ、現在資生堂ギャラリーでも「荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ」が開催中だし、超多忙な日々の生々しいお話を、じっくりとお聞きしたいと思います。
 
 
彼の昨晩のツイッターには、
 
眠れないついでにお知らせ 5/18にblanClassでFGAP報告会を行います 特に私よりも若い世代の作家にとって何か参考になれば幸いです 質問や気になることがあればわかる範囲でとことんシェアします ご興味ある方は是非ご参加ください」
 

 

とありました。
 
 
もちろん若い人だけでなく、みなさまをお待ちしております。
 
 
 
 
こばやしはるお
 
 
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【blanClass放送室】
荒木悠さんとお話ししました。昨年11月に荒木さんがエントリーした「Future Generation Art Prize」グランプリ受賞を目指した作戦会議をしましたが、今年3月に残念ながら受賞を逃し、よって、今回はその反省会を兼ねた報告会になります。放送室はイベント当日に話す内容を話してもしょうがないので、最近の荒木さんの超多忙な日々のお話などをお聞きしました。
 
2019/4/22/荒木 悠/blanClass放送室
 
 
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パーティー/または反省会荒木 悠[第伍回次世代藝術大賞攻略会議(後編)]
 
 
昨年11月18日にblanClassで開催した策戦会議から約4ヶ月、遂にその全貌が明らかになった第5回Future Generation Art Prize。
東アジア代表に選ばれた荒木悠がキエフヴェネツィアでの現地レポートと共にその舞台裏を振り返ります。
 
(※3月22日に行われるアワード・セレモニーでの結果次第で本イベントはパーティーもしくは反省会的ムードとなります。予めご了承ください。)
 
日程:2019年5月18日(土)
開場:18:00 開始:18:30
入場料:1.600円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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荒木 悠 Yu ARAKI
1985年生まれ。2018年8月末日、オランダ国立芸術アカデミーにて三ヶ月間の滞在制作を終えに帰国。同年9月末日、ヴィクトル・ピンチューク財団主催による第5回フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズのファイナリストとして選出される。

5月12日(日)泉 イネ[サロンさど島]

今週のLive Artは日曜日、泉イネが1年半ぶりの登場。

 

前回のイベントは[メンセナンツ]というタイトルで、面接とメンテナンスを掛け合わせたようなイベントを計画した。

 

今回のイベント[サロンさど島]も、場を開いた上で、対話をしながら、おぼろげな目的に向かうという方法は近いのかもしれない。

 

でも今回はおぼろげながらも「佐渡島」というはっきりとした目的地が設定されており、そこへ向かう旅の道すがらを、道連れにするお伴を募りながら、さらに細かな目的も探っていこうというお茶会が催される。


なぜ佐渡なの? というと、佐渡に刻まれた歴史や風雨度もあるのだろうが、何かしらに泉イネが「ピン」ときたからということらしい。声をかけている人々は、なんか凄そうな人々なので、ただの旅では終わらない気配…。


お客さんが訪れたら、一緒にお菓子などをつくりつつ、佐渡へ思いを馳せていく…? はてさてどういうイベントになるのでしょうか? ぜひともご来場くださり、その行く末を一緒に目撃してみませんか?


blanClass放送室は、現在イネさんが別府に滞在中のため、5/8(水)にこちらに入るというので、blanClassで収録を行う予定です。


イネさんの文章をコラムにも…、メールニュースより転載したします。そちらもお読みください。
https://blanclass.hatenablog.com/entry/2019/05/06/210021

 


こばやしはるお


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茶会泉 イネ[サロンさど島]

 

泉イネが佐渡島へ旅に出たのは2015年。作家を休み、佐渡の宿坊へ。そこから出会った人、場所や風景についてと、これからの旅について。

 

金山、流罪能舞台世阿弥、芸能、豊かな自然。佐渡にまつわるあれこれ。ある振付家と罪について、あるキュレーターと罪と害の違いについて話した記憶。誰も傷つけたことのない人なんているのでしょうか。制作は、アートは?

そんなことを茶菓子をつくりながら話せたらいいかもしれないし、話さなくてもいいのかもしれない。ひとつの島について想う、美味しい時間にしたいです。

サロンへ来られる方は佐々木友輔さん(映像作家)島敦彦さん(金沢21世紀美術館館長)。

 

タイミング合えば来られる方は木野彩子さん(振付家舞踊家)、中村恩恵さん(振り付け家・舞踊家)、梶井照陰さん(佐渡島在住・写真家・僧侶)、寺田佳央さん(画家・「佐渡芸能アーカイブ」制作)、坂本大三郎さん(山伏・作家)、天野太郎さん(横浜市民ギャラリーあざみ野学芸員・札幌国際芸術祭2020企画ディレクター)、山出淳也さん(NPO法人BEPPU PROJECT代表)。

skyp参加されるかもしれない方は上條桂子さん(フリー編集者)などなど。

 

関連サイト
https://shimart-mistletoe.tumblr.com
http://shimartmistletoe.tumblr.com

 

日程:2019年5月12日(日)16:00ー19:00(出入り自由)
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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泉 イネ Ine IZUMI
2008年、本にまつわる6人の女性を架空の本姉妹モデルとして「未完本姉妹」の制作をはじめる。
2014年からは本姉妹をモチーフに紡がれた絵や写真、文、記憶をピアニストに伝え、未完本姉妹のテーマ音楽を制作。いつかできるかもしれない小説・映画へのアプローチを続ける。
ダンサー:振付家と絵のセッション「And Zone」、工芸職人との共同制作「糸の手」。免疫疾患の発症をきっかけに作家が休むことを問う「休み時間」(higure17-15cas、DIC川村記念美術館)、佐渡島や様々な土地へ通いながら新たに出会う人や風景を結ぶ試み「shimaRTMISTLETOE」など、自身を筆か絵の具として絵を描くように生きています。

 

泉イネより|サロンさど島 ( 5/12 blanClass )

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佐渡島 岩首の棚田

こんにちは

みなさん、お元気ですか。


5月12日「サロンさど島」blanClass のご案内です。

サロンには映像作家の佐々木友輔さん、島敦彦さん(金沢21世紀美術館館長)寄られます。

と書くと、ちょっと難しそうな雰囲気に感じられるかもしれませんが
イネ風に…のんびりふわふわした時間にしたいと思っています。


あとタイミングが合えば
木野彩子さん(振付家舞踊家)、中村恩恵さん(振り付け家:舞踊家)、梶井照陰さん(佐渡島在住、写真家:僧侶)、寺田佳央さん(画家、「佐渡芸能アーカイブ」制作)、坂本大三郎さん(山伏:作家)、天野太郎さん(横浜市民ギャラリーあざみ野学芸員:札幌国際芸術祭2020企画ディレクター)、山出淳也さん(NPO法人BEPPU PROJECT代表)も寄られる予定です。
skyp参加されるかもしれない方は上條桂子さん(フリー編集者)


今さら、ほんとに??と自分でもドキドキですが
誰が寄られるかは当日のお楽しみに。。


寺田さんは佐渡の岩首という棚田の山の上に「世阿弥の彼岸ボート」小屋を作られて
佐渡の芸能にも詳しく、画像を見せていただくことになりました。


16:00〜19:00 の間、出入りは自由です。
モバイルキッチンでお菓子つくりながらお喋りしています。
ふらり寄るだけでも、なかなか会えない方々、会ったことのない方もどうぞお気軽に。
佐渡へのこれまでを垣間見ていただけるようメモを貼るので
気になるメモありましたら私に声をかけてください。


<寄られる方にひとつお願い>
佐渡と聞いて思いつく色をワンポイント身につけてきてください。
物が見当たらなければ、その色を心に留めてきてください。

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日程:2019年5月12日(日)16:00~19:00(出入り自由時間)
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
アクセス:京浜急行「井土ヶ谷」駅の改札出て正面の信号わたりすぐを左折、一つ目の交差点を右折、二つ目の角を左折、三井のリパーク後ろ、blanClass看板がある細い段々を上がって右の建物2階

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佐渡島


学生の頃、能クラブに入ったことがきっかけで一度だけ合宿へ行ったことがありました。
佐渡には能舞台が30以上、日本の能舞台の1/3あるといわれています。(それは世阿弥が流されたからではなく、金が採れた江戸時代の佐渡奉行が能に長けていて能楽師を率いて佐渡へ渡り、能舞台を当時200以上つくらせたから)


私はあのとき見た風景を忘れながら、制作や子育て、生きることにバタバタして倒れて休んで…
途方にくれた頃になんとなく佐渡を思い出しました。それから、佐渡に実家があった上條さんに相談したり、
友人に教えてもらった、佐渡に住む写真家・僧侶の梶井さんへ連絡して佐渡を訪れたのが2015年の6月。


再び訪れた佐渡の風景は目に染みました。

深い青色の日本海から顔を出している孤島。

金が採れて、能舞台がたくさんできて、賑わった時代の名残。

世阿弥が腰かけたと言われる石。

外海府には何千年も波風をうける大きな岩盤。

両津から北へ向かう内海府沿いの道は、途中から空気が異界へと切り替わる。

南の方には穏やかな柿畑。棚田。昔、船がつくられた集落。

雅な人から宗教家、戦で追われた様々な人達がたどり着いた住処。

木肌のまま静かに残るたくさんの寺社。

長くシャッターの降りている商店街。

土田麦僊の生まれ育った新穂の風景。

加茂湖と、穏やかな波の真野湾

トキが足をぶら下げてスゥーと飛び、大佐渡と小佐渡の間に広がる平野。

昔から住んでいる人、新しく住み始めた人の営み。

たくさんの文人達が訪れた島…


私が佐渡へ行くようになってから
会う人はみな「佐渡はいつか行ってみたい」と言います。


何に、惹かれるのかな


惹かれるところは宝物のようにいくつも眠っている島だと、私は想います。


サロンさど島でお会いしましょう


南は別府より 

 

 

いずみいね

5月2日(木)・3日(金)・4日(土) たくみちゃん[完全で検証可能かつ不可逆的な]ワークイン:4月29日(月)- 5月1日(水) 

今週は月曜日から土曜日までずっとたくみちゃん。
 
本日(4/29)より、ワークインプログレスが3日間。 本番が5/2(木)より3日間。ゴールデンウィーク中、6日間連続で行われる。
 

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たくみちゃんは、blanClassでは、2016年より以前の名前「橋本匠」として、独自の形式「トランスファーめいそう」を発表してきたアーティスト。(昨年の発表の時にアーティストネームを現在のたくみちゃんに改名した)
 
トランスファーめいそう」というのは即興でひねり出される、音(オン)の強い言葉の連鎖とそこに呼応するように重ね合わされるからだの動きによって展開される。
 
さらには描いては消える、ドローイング、書、同時中継のムービーなどが重なって、結果たくみちゃん独特の迷走? 状態にお客さんを引き込んでいくというもの。トトトーンと転がるように、言葉やものやからだがつながったり解けたりする様は、見ている(聞いている)うちに癖になってくる。
 
これまでの「トランスファーめいそう」は、あくまでもこの即興に力点が置かれたものだったのだが、今回は、新境地、パフォーマンスのためにテキストを書くことから始まった。
 
テーマはタイトルにもなっている「完全で検証可能かつ不可逆的な」。これはアメリカが北朝鮮に対して朝鮮半島の「非核化」において、示されてきた条件のこと。
 
即興の形式を見直して、ある程度固い形を自身の制作に求めるようになったのには、「たくみちゃん」という改名後のアーティストネームと「トランスファーめいそう」というインプロ形式がどうも合わないということのようで、名前を変えるだけではない作品の確固たる変化を求めてのことでもあるようだ。
 
この新しい試みがどんな感じに収まるのか? ワークインプログレスの成り行き次第では、思わぬ方向にたどり着くかもしれない。ちなみにワークインを見た方は、本番の料金は割引になりますので、ワークインと本番の両方を見るのも一興では?
 
 
こばやしはるお
 
 
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【blanClass放送室】
ゲストはたくみちゃん。2019年のゴールデンウィーク中にワークインが3日間、本番が3日間、連続6日間の公演を行います。今回の作品のテーマにもなっている長年アメリカが北朝鮮に要望しようとしてきた核問題の「完全で検証可能かつ不可逆的な」というキーワードとインプロからの飛躍との関係についてお話をお聞きしました。
 
 
2019/4/9/たくみちゃん/blanClass放送室
 
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パフォーマンス又は演劇|たくみちゃん[完全で検証可能かつ不可逆的な]
 
 
テキストを書いています。30代になったのでそういったこともしていきます。
テキストの中にインプロをとり込み、未来の不確実さを、そのまま人類の未来に投射します。
blanClassだからこその内容にしたいです。是非ご参加ください。
 
 
日程:2019年5月2日(木・祝)・3日(金・祝)・4日(土・祝) 
開場:18:30 開演:19:00 
2,100円(ワンドリンク付) 
ワークインプログレス含めリピーターは1,000円 
 
ワークインプログレス公演 
日程:2019年4月29日(月・祝)・30日(火・祝)・ 5月1日(水・祝) 
15:00ー1時間程度+teatime 1,000円 
 
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
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たくみちゃん TAKUMICHAN
たくみちゃんは独自のインプロヴィゼーションを構築する。近年の発表に「歌舞伎町ダンスクロッシング」「幽体の集めかた」等(共に2018)。横浜ダンスコレクション2016審査員賞(Aokid×橋本匠として)、SICF19 PLAY 中村茜賞など。

4月27日(土)佐々 瞬[ある家の行方]

今週土曜日のLive Artは佐々瞬が4年ぶりにソロ出演します。

 

佐々瞬は2011年3月、「3.11」の直後にイベントをしていただいて以来、blanClassでも、さまざまなアプローチのパフォーマティブな表現を試みてきた。

 

以下は、彼がblanClassで行ったソロイベントやコラボレーション企画のタイトルの一部。

 

[それについての話,それらの行方]
[ある時間、彼らの話]
[それらの日々をへて、あの日がやってくる]
[彼らとの対話(仮)]
[それら について話すこと]

 

「それ」、「あの」、「ある」、「彼ら」のような、指し示している事柄が特定できないようなタイトルが多い。それは、括弧で括られるような事件の名前や固有名詞が現実の事象から離れて、例えば別のイメージに転化してしまい、その名前を繰り返すことで、わかってしまったような錯覚に陥ることに警告を発しているのに違いない。

 

にもかかわらず、確かにあったであろう、事柄、時間、場所のことを、経験したものではない人々が、考える姿勢をアートワークとして形にしようと奮闘をしているようだ。

 

今回久しぶりのblanClassでのイベントでは、活動の拠点を仙台に移した佐々が、ここ数年、取り組んでいる、幾つかの場所の中から、津波の被害にあった仙台の沿岸部に取り残され、取り壊されずに残っている一つの住宅をめぐって、何かしらのアクションが企てられている。

 

事前にあまり詳しく語れないのが、佐々くんのイベントの特徴。当然のことながらちょっとした? サプライズも用意している。

 

来ていただけるお客さんが怒ったりはしないかと、心配にもなるが、どうぞ、そこらへんも面白がって、事柄や人柄を支え得る「場」のあり方について、あるいは可能性について考える機会にしてください。

 


こばやしはるお


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【blanClass放送室】


4/27(土)のゲスト佐々瞬さん。週末
のLive Artに久しぶりの出演します。仙台で活動中の佐々さんが、最近企てている「ある家」について、仙台とハングアウトでつないでいろいろとお聞きしました。

 

2019/4/16/佐々 瞬/blanClass放送室


2019/4/16/Shun SASA/blanClass Broadcasting

 

 

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パフォーマンスもしくはトーク佐々 瞬[ある家の行方]
http://blanclass.com/japanese/schedule/20190427/
https://www.facebook.com/events/2218349925095434/

 

宮城県仙台市の海沿いに建っている、ある家についてのイベント。
その家は東日本大震災津波によって被害をうけ、震災から8年が過ぎた現在も当時のまま残されている。その家が今後どうなるのかが示される。ゲストアーティスト参加の可能性あり。

 

日程:2019年4月27日(土)
開場:18:30 開演:19:00
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
会場:blanClass(横浜市南区南太田4-12-16)
https://goo.gl/maps/Q7Aat7nBarE2
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佐々 瞬 Shun SASA
東京造形大学卒業。仙台を拠点に活動。「過去/未来」の出来事や記憶を、常に更新され続け得るものとして扱い、「今」をあらゆる可能性へと切り拓く試みを一貫しておこなう。その作品は、複数の個人による、きわめて私的で曖昧な記憶や記録によって紡がれる。近年の主な展覧会に「あなたに話したいことがある」(2017年、Gallery TURNAROUND、仙台)、「うたが聞こえてくる暮し(旅先と指先)」(2016年、ARTZONE、京都)など。また、参加したグループ展に「六本木クロッシング2016展」(2016年、森美術館)、「Omnilogue: Your Voice is Mine」(2013年、シンガポール国立大学美術館、シンガポール)、「大邱フォトビエンナーレ2012」(2012年、大邱芸術発展所、韓国)「MOTアニュアル2012」(2012年、東京都現代美術館、東京)などがある。
http://sasashun.com